品川区でお墓の墓じまいを検討している方へ、この記事では手続きの流れ・費用の目安・補助金の有無まで、品川区の情報をもとにわかりやすく解説します。
2020年の国勢調査によると、品川区の単身世帯率は57.3%(全国平均38.0%)。品川・大崎・五反田エリアの再開発で全国各地から単身世帯が転入し続けており、「遠方にある実家のお墓を誰が管理するのか」という問題が年々増えています。また、生涯未婚率24.5%と全国平均(19.7%)を上回り、後継者が見つからないままお墓を抱え続けている方も少なくありません。
「手続きが複雑そう」「費用がいくらかかるか不安」という方も多いと思います。でも、正しい順番で進めれば、一つひとつは着実に対応できます。この記事を読めば、品川区で墓じまいを進めるために必要な情報がひととおりわかります。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

品川区で墓じまいを検討する人が増えている理由
品川区の人口増減率は+9.21%と、全国平均(-0.75%)を約10ポイント上回り、今回調査した60市区町村の中でも最高水準の人口増加を記録しています。品川駅周辺の大規模再開発に加え、大崎・五反田・武蔵小山エリアのマンション開発が続き、首都圏外からの移住者が増加しています。こうした急速な人口増加の一方で、お墓にまつわる問題も表面化しています。
単身世帯が6割近くという現実
2020年の国勢調査によると、品川区の単身世帯率は57.3%(全国平均38.0%、差+19.3pt)。実に全世帯の半数以上が一人暮らしです。また、50歳時点の未婚率を示す生涯未婚率は24.5%(全国平均19.7%)と高く、4人に1人が未婚のまま50代を迎えている計算になります。
お墓は将来的に誰かが引き継いで管理するものです。しかし単身世帯が多く、子のいない世帯も少なくない品川区では、「自分が亡くなった後、誰もお墓を守れなくなる」という不安を抱えている方が多くいます。「無縁墓にしてしまう前に、自分の代で整理しておきたい」という声はそうした背景から生まれています。
人口は急増しているが、家族のかたちが変わっている
品川区の人口は2015年から2020年にかけて9.21%増加しており(全国平均は0.75%の減少)、活気ある発展中の街です。一方で核家族化も進み、核家族化率は39.4%(全国平均54.1%)と全国より低めです。これは単身世帯の増加によるもので、複数人世帯でもお墓を引き継ぐ意識が薄れているケースが見られます。全国から転入してきた方が多いことも、「実家のお墓は遠方にある」という状況を生み出しています。
自分の子供世代に荷物を押し付けたく無い、宗教家への不信感
墓じまい検討中愛知県・56歳・男性
「子どもや孫に面倒をかけたくない」という思いが、生前からの墓じまいを後押ししています。品川区のような都市部の単身世帯が多いエリアでは、この傾向がとくに強くあらわれています。

品川区での墓じまいの流れ
墓じまいは「①家族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。各ステップのポイントを確認しておきましょう。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族全員への相談です。墓じまいはお墓という共有の場所に関わる話であるため、一人の判断で進めると後々トラブルになることがあります。特に遠方に住む親族には早めに連絡し、全員の合意を得てから次のステップへ進みましょう。当サイトの調査では、親族間の意見の食い違いがトラブルの原因になるケースが報告されています。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。唐突に切り出すのではなく、「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」など事情を誠実に伝えることが円満な墓じまいへの近道です。民間霊園・公営墓地の場合は管理事務所へ連絡して、返還手続きの流れを確認します。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。品川区への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができませんので、この順番を守ることが手続きをスムーズに進めるポイントです。
④ 品川区への改葬許可申請
改葬先が決まったら、品川区の窓口に改葬許可申請を行います。申請窓口は戸籍住民課 戸籍届出係(TEL: 03-5742-6657)です。詳しくは次の章で解説します。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。その前に、お寺で閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。品川区のような都市部では作業スペースが限られるケースもあり、地方に比べて費用が高めになることがあります。複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。改葬許可証を改葬先に提出するのを忘れないようにしましょう。
手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた
墓じまい経験者奈良県・54歳・女性
書類の準備に想像以上に時間がかかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。
品川区での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。品川区での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
品川区では戸籍住民課 戸籍届出係が申請窓口です。まずは電話で書類の準備について確認してから窓口に向かうと、書類不備を防ぐことができます。
品川区 戸籍住民課 戸籍届出係 TEL 03-5742-6657

詳細・申請書のダウンロードは品川区公式サイト(改葬許可申請)からご確認ください。
必要書類
申請に必要な書類は主に2点です。
① 改葬許可証交付申請書
品川区のホームページからダウンロードできます。現在の埋葬先(お寺や霊園の管理者)による証明が必要になる場合があります。事前に現在の墓地管理者にも連絡しておきましょう。
② 改葬先の受入証明書または使用許可書
新しい供養先が発行する書類です。この書類がないと申請が進められないため、必ず改葬先を決めてから手続きに入ることが前提になります。
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、改葬許可証が交付されます。手続き自体はさほど複雑ではありませんが、書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前確認が大切です。なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。お寺との交渉でトラブルが生じている場合は、弁護士への相談が適しています。

品川区の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、大きく「①離檀料」「②石材店への解体・撤去費用」「③改葬先への費用」の3つに分かれます。それぞれの目安と、東京都内ならではの注意点を確認しておきましょう。
① 離檀料(お寺のお墓の場合)
お寺の境内にお墓がある場合、檀家をやめる際にお寺へ納めるお布施が発生します。金額は宗派やお寺との関係によって異なりますが、3〜20万円程度が一般的な目安です。高額な離檀料を強く求められた場合でも、法的な支払い義務はありませんので、冷静に話し合うことが大切です。民間霊園・公営墓地のお墓には発生しません。
② 石材店への解体・撤去費用
墓石を解体して区画を更地に戻す費用です。全国的な相場は10〜40万円程度ですが、石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあります。東京都内では作業スペースが狭いケースも多く地方より高めになる傾向もあるため、必ず複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)では「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多でした。石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあるため、必ず複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
③ 改葬先への費用
永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、選ぶ供養先によって費用はさまざまです。数万円程度から数十万円以上まで幅があります。費用だけでなく、立地や管理のしやすさも含めて比較することが大切です。
総額の目安
これら3つを合わせた総額は30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても変わります。「思ったより費用がかかった」と感じる方も少なくないため、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

品川区に墓じまいの補助金はある?
結論からお伝えすると、2026年時点で品川区には墓じまい専用の補助金制度はありません。東京23区全体として、墓じまいに対する独自の助成制度は設けられていない状況です。最新情報は品川区公式サイトでご確認ください。
品川区内の都立霊園について
品川区内には都立霊園はありません。品川区から比較的アクセスしやすい都立霊園としては、杉並区の和田堀廟所などがあります。都立霊園は抽選制で新規使用の倍率が高く、空き区画が出た際に申し込む形式です。詳細は東京都公園協会の公式サイトでご確認ください。
費用を抑えるためにできること
補助金がない分、費用を工夫することが大切です。石材店は複数社から相見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。また、供養先も合祀型の永代供養や散骨など費用を抑えやすい選択肢があります。具体的な節約方法は墓じまいの費用を抑える方法をご参照ください。
品川区でお寺のお墓を墓じまいする場合の注意点
品川区や周辺エリアにはお寺の境内墓地も多く、「お寺のお墓を墓じまいしたい」という方も少なくありません。お寺のお墓は民間霊園と手続きが異なる部分があるため、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。
離檀の意向は早めに伝える
檀家制度のあるお寺では、離檀(檀家をやめること)の意向を伝えるタイミングが重要です。突然伝えるとトラブルになる場合があるため、まずは「将来的に墓じまいを検討している」とやわらかく相談するところから始めることをおすすめします。お寺との良好な関係を保ちながら進めることが、スムーズな墓じまいにつながります。
閉眼供養(魂抜き)を行う
お墓を解体・撤去する前に、閉眼供養(「魂抜き」「お性根抜き」ともいいます)を行うのが一般的です。お寺の住職にお願いして、お墓に宿るとされる魂を移してもらう儀式です。閉眼供養を行ってから石材店によるお墓の解体に進みます。費用はお寺によって異なりますが、3〜15万円程度が目安です。
離檀料のトラブルに備える
一部のお寺では、離檀の際に高額な離檀料を求めるケースがあります。ただし、離檀料に明確な法的根拠はなく、支払いを強制されるものではありません。万が一トラブルになった場合は、弁護士や行政書士への相談も視野に入れましょう。離檀料の詳細については離檀料とはもご参照ください。
墓じまい後の供養先の選び方
品川区は都心に近く、交通の便が良いため、都内各地の供養施設にアクセスしやすい立地です。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。合祀型は数万円から、個別型は数十万円程度が目安です。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。品川区からアクセスしやすい場所にも多数あり、管理の手間がかからない点が特徴です。費用は数万〜数十万円程度と幅があります。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。都市近郊にも施設が増えており、品川区からも通いやすい選択肢が増えています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。費用を抑えやすく、自然に還るという考え方から選ぶ方もいます。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
時代の流れでいろいろな供養の仕方がある。他人より自分または家族にとって1番良い方向に。
墓じまい経験者東京都・59歳・男性
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、ご家族で話し合って決めることをおすすめします。
墓じまいに際して、親族にも相談を兼ねて報告しました。親族も遠方からお墓参りをするのは大変だということもあって、地元に遺骨を移そうと思うことを話をしました。幸いにもトラブルは起こらずに済みました。
墓じまい経験者千葉県・40代・男性
よくある質問
品川区での改葬許可申請はどこに行けばいいですか?
品川区の戸籍住民課 戸籍届出係(TEL: 03-5742-6657)が申請窓口です。申請前に改葬先の確保と受入証明書の取得が必要です。詳細は品川区公式サイトでご確認ください。申請書類に不備があると再度窓口に行く必要が生じるため、事前に電話で確認することをおすすめします。
品川区での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって費用構成が異なります。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられる場合があります。
品川区に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、品川区に墓じまい専用の補助金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。最新情報は品川区公式サイトでご確認ください。
品川区に都立霊園はありますか?
品川区内には都立霊園はありません。品川区から比較的アクセスしやすい都立霊園としては和田堀廟所(杉並区)などがあります。都立霊園は抽選制です。詳細は東京都公園協会の公式サイトでご確認ください。
お寺ではなく民間霊園・公営墓地の場合、手続きは違いますか?
改葬許可申請の手続き自体は同じです。お寺のお墓と異なり、離檀料が発生しないケースがほとんどです。霊園の管理事務所に返還手続きを確認した上で、品川区へ改葬許可申請を進めてください。
まとめ:品川区で墓じまいを進めるために
品川区での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 人口増加率+9.21%・単身世帯率57.3%と、転入単身世帯が多い品川区では「遠方のお墓の管理」「後継者不在」の問題が身近です。早めの検討が将来の安心につながります。
- 改葬許可申請の窓口は戸籍住民課 戸籍届出係(TEL: 03-5742-6657)。書類不備を防ぐために事前に電話確認を。
- 申請に必要な書類は「改葬許可証交付申請書」と「改葬先の受入証明書」の2点が基本。改葬先を先に決めてから申請を進めましょう。
- 補助金は2026年時点でなし。品川区内に都立霊園もなし。費用は複数社の相見積もりや供養先の選択で調整できます。
- 供養先の選択肢は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など。都心に近い品川区からアクセスしやすい施設が多数あります。
墓じまいは一度で完了する手続きではなく、家族との話し合い・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずはご家族で現状を共有し、窓口や石材店へ相談してみることが第一歩です。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。





