港区で墓じまいを検討する人が増えている理由
当社(墓じまいパートナーズ)が実施した墓じまい実態調査2026によると、墓じまいを検討したきっかけで最も多かったのは「遠方のため」(47.8%)、次いで「墓参りが難しくなった」(37.8%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)。
東京都全体では2023年度に約14,950件の改葬(遺骨の移転)が行われており、全国166,886件のうち約9%が東京都内で発生しています。港区もその流れの中にあり、国際化した居住環境や世帯構成の変化を背景に、墓じまいを検討する方が増えています。
単身世帯率56.9%という超都心の実情
2020年の国勢調査によると、港区の単身世帯率は56.9%(全国平均38.0%)です。全国平均を18.9ポイントも上回るこの数字は、港区が首都圏でも特に単身者・夫婦のみ世帯の多いエリアであることを示しています。生涯未婚率は17.8%(全国平均19.7%)と全国よりやや低めですが、外資系企業勤務者・外国人世帯・高所得者層など、多様なバックグラウンドを持つ転入者が多く、「実家のお墓があるが管理できていない」という方が増えています。
お墓は将来的に誰かが引き継いで管理していくものです。しかし単身世帯が多く、子どものいない世帯も少なくない港区では、「自分が亡くなった後、誰もお墓を守れなくなる」という不安を抱えている方が多くいます。「無縁墓にしてしまう前に、自分の代で整理しておきたい」という声はそうした背景から生まれています。
人口は増えているが、家族のかたちは変わっている
港区の人口増減率は+7.07%(全国平均は0.75%の減少)と、活気ある成長を続けています。一方で核家族化率は40.4%(全国平均54.1%)と全国より低く、これは夫婦と子どもからなる核家族より、単身・夫婦のみ世帯のほうが多いことを意味します。ライフスタイルが多様化し、「お墓の継承」という慣習を見直す方が増えているのが港区の現状です。
墓じまい実態調査2026 — 回答者の声
自分の子供世代に荷物を押し付けたく無い、宗教家への不信感
墓じまい検討中愛知県・56歳・男性
「子どもや孫に面倒をかけたくない」という思いが、生前からの墓じまいを後押ししています。墓じまいは決してネガティブな選択ではなく、家族への思いやりから生まれる決断でもあります。
高齢化率16.9%——若い街だからこそ早めの準備を
港区の高齢化率は16.9%で、全国平均28.7%を大きく下回ります。若い現役世代が多い港区では、「まだ先のこと」「今すぐ動く必要はない」と感じがちです。しかし、元気なうちに計画を立てておくことが、費用・手間・精神的負担のいずれにおいても最善の結果をもたらします。

港区での墓じまいの流れ
墓じまいは「①家族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。各ステップのポイントを確認しておきましょう。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族全員への相談です。墓じまいはお墓という共有の場所に関わる話であるため、一人の判断で進めると後々トラブルになることがあります。全員の合意を得てから次のステップへ進みましょう。特に親族が全国に散らばっているケースが多い港区では、メール・電話・ビデオ通話などを活用した事前連絡が有効です。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。唐突に切り出すのではなく、「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」など事情を誠実に伝えることが円満な墓じまいへの近道です。民間霊園・公営墓地の場合は管理事務所へ連絡して、返還手続きの流れを確認します。青山霊園の場合は後述する特別な手続きが必要です。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。港区への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができませんので、この順番を守ることが手続きをスムーズに進めるポイントです。
④ 港区への改葬許可申請
改葬先が決まったら、港区の窓口に改葬許可申請を行います。申請窓口は芝地区総合支所区民課戸籍係(TEL: 03-3578-3153)です。詳しくは次の章で解説します。
改葬許可申請の担当窓口は芝地区総合支所区民課戸籍係、TEL: 03-3578-3153、市公式ページ。
申請から許可証交付までは基本即日、長くても1週間程度です。書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前に電話で必要書類を確認するのが確実です。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。その前に、お寺で閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。東京都内は地方に比べて費用が高くなる傾向があるため、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。改葬許可証は新しい供養先に提出します。
墓じまい実態調査2026 — 回答者の声
手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた
墓じまい経験者奈良県・54歳・女性
書類の準備に想像以上に時間がかかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。
港区での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。港区での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
港区では、区内の芝地区総合支所区民課戸籍係が申請窓口です。まずは電話で書類の準備について確認してから窓口に向かうと、書類不備を防ぐことができます。
港区 芝地区総合支所区民課戸籍係 TEL 03-3578-3153

詳細・申請書のダウンロードは港区公式サイト(改葬許可申請)からご確認ください。
必要書類
申請に必要な書類は主に以下の通りです。事前に港区の窓口に電話で必要書類を確認し、不備がないように準備しましょう。
- 改葬許可申請書(港区所定の書式。区公式サイトからダウンロード可)
- 埋葬(埋蔵)証明書(現在の墓地・寺院の管理者が発行)
- 改葬先の受入証明書または使用許可書(新しい供養先が発行)
- 申請者本人の身分証明書のコピー
現在の墓地管理者には事前に連絡し、埋葬証明書の発行を依頼しておきましょう。改葬先が決まっていないと申請を進められないため、改葬先の確保を先に行うことが前提になります。
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、内容に不備がなければ即日〜数日程度で改葬許可証が交付されます。書類不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前に電話で必要書類を確認するのが確実です。
なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。

青山霊園(都立霊園)の墓じまいと施設変更制度
港区南青山に位置する青山霊園は、東京都が設置し東京都公園協会が管理する都立霊園です。青山霊園の墓所を墓じまいする場合は、通常の改葬許可申請に加えて、東京都公園協会への墓所の返還手続きが必要になります。
青山霊園の返還手続き(原状回復義務)
青山霊園の墓所を返還する際には原状回復が求められます。具体的には、墓石や外柵などの工作物をすべて撤去し、更地の状態に戻す必要があります。この工事は石材店に依頼しますが、都立霊園での作業実績がある業者を選ぶことが重要です。費用は墓所の大きさや墓石の数量によって異なりますが、通常の解体費用に加えて追加費用がかかる場合があります。
東京都公園協会 青山霊園管理事務所
電話:03-3401-3652
ウェブ:東京都公園協会 青山霊園
都立霊園の施設変更制度
青山霊園をはじめとする東京都立霊園(小平霊園・八柱霊園・谷中霊園・雑司ヶ谷霊園など)では、既存使用者向けに遺骨を合葬施設へ移す「施設変更制度」が設けられています。現在の墓所を返還し、都立の合葬施設(合祀墓)に遺骨を移す方法で、一定の費用で手続きできます。「墓石を建て直すのは費用がかかりすぎる」「継承者がいないので合祀を選びたい」という方に利用されています。
施設変更制度の詳細は、青山霊園管理事務所または東京都公園協会の公式サイトでご確認ください。改葬許可証の申請は港区の芝地区総合支所区民課戸籍係で行いますが、返還手続きは東京都公園協会との別途の調整が必要です。双方の窓口に早めに連絡して、スケジュールを確認することをおすすめします。
港区の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、大きく「石材店への解体・撤去費用」「閉眼供養のお布施」「改葬先への費用」、お寺のお墓の場合に加わる「離檀料」の4つに分かれます。それぞれの目安と、東京都内ならではの注意点を確認しておきましょう。
石材店への解体・撤去費用
墓石を解体して区画を更地に戻す費用です。全国的な相場は10〜40万円程度ですが、東京都内では作業スペースが狭いケースも多く地方より高めになる傾向もあります。石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあるため、必ず複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
閉眼供養(魂抜き)のお布施
お墓を解体する前に、お寺の住職に依頼してお墓の魂を抜く閉眼供養を行います。お布施の目安は3〜15万円程度です。
改葬先への費用
改葬先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など)の費用は、選ぶ供養先の種類や個別/合祀の違いによって幅が広く、5〜150万円程度が一般的な目安です。費用だけでなく、立地や管理のしやすさも含めて比較することが大切です。
離檀料(お寺のお墓の場合)
離檀料は檀家をやめる際にお寺へ支払う費用ですが、実際には請求しないお寺の方が多く、請求がなければ発生しません。請求の有無や金額はお寺によって異なり、請求された場合の相場は20万円程度までです。閉眼供養や法要に対するお布施(3〜15万円程度)とは別に発生する費用です。なお離檀料は法的な支払い義務があるものではないため、法外な金額を請求された場合は住職と丁寧に話し合うか、場合によっては弁護士に相談するのも一つの手です。民間霊園・公営墓地のお墓には離檀料は発生しません。
総額の目安
これら3つを合わせた総額は30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても変わります。青山霊園など都立霊園の場合は原状回復費用が別途かかることがあります。費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。

港区に墓じまいの補助金はある?
結論からお伝えすると、2026年時点で港区には墓じまい専用の補助金制度はありません。東京23区全体として、墓じまいに対する独自の助成制度は設けられていない状況です。最新情報は港区公式サイトでご確認ください。
費用を抑えるためにできること
補助金がない分、費用を工夫することが大切です。石材店は複数社から相見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。また、供養先も合祀型の永代供養や散骨など費用を抑えやすい選択肢があります。青山霊園の施設変更制度を利用することで、費用を一定に抑えながら都立の合葬施設に移すことも選択肢の一つです。
墓じまい後の供養先の選び方
港区は都心に位置し、交通の便が極めて良いため、都内各地の供養施設にアクセスしやすい立地です。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。費用は数十万円程度が目安で、合祀型なら比較的安価に利用できます。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。港区周辺にも多数あり、管理の手間がかからない点が特徴です。ロッカー型・機械式など様々なタイプがあり、費用は数万〜数十万円程度と幅があります。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。継承者不要で、自然に還るという考え方から選ぶ方が増えています。都市近郊にも施設が増えており、港区からも通いやすい選択肢が充実しています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。費用を抑えやすく、自然に還るという考え方から選ぶ方もいます。東京湾での海洋散骨など、都市部在住者にもアクセスしやすいサービスが充実しています。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、ご家族で話し合って決めることをおすすめします。
よくある質問
港区での改葬許可申請は自分でできますか?
はい、自分で申請できます。港区内の芝地区総合支所区民課戸籍係(TEL: 03-3578-3153)が窓口で、必要書類は改葬許可証交付申請書と改葬先の受入証明書の2点が基本です。書類の準備や手続きに不安がある場合は、行政書士に相談する方法もあります。
青山霊園の墓所を墓じまいするにはどうすればいいですか?
港区の各総合支所での改葬許可申請に加えて、東京都公園協会への墓所返還手続きが必要です。原状回復(墓石・外柵の撤去、更地に戻す)が求められます。青山霊園管理事務所(TEL: 03-3401-3652)に早めに相談し、返還手順とスケジュールを確認してください。また、都立霊園の施設変更制度(合葬施設への移転)も選択肢の一つです。
港区での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。青山霊園などの都立霊園の場合は原状回復費用が別途かかることがあります。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられる場合もあります。
港区に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、港区に墓じまい専用の補助金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。最新情報は港区公式サイトでご確認ください。
お寺ではなく民間霊園・公営墓地の場合、手続きは違いますか?
改葬許可申請の手続き自体は同じです。お寺のお墓と異なり、離檀料が発生しないケースがほとんどです。霊園の管理事務所に返還手続きを確認した上で、港区へ改葬許可申請を進めてください。
まとめ:港区で墓じまいを進めるために
港区での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 単身世帯率56.9%(全国38.0%より+18.9pt)という港区の実情から、承継者不在の問題は他の地域より身近です。早めの検討が将来の安心につながります。
- 改葬許可申請の窓口は芝地区総合支所区民課戸籍係(TEL: 03-3578-3153)。問い合わせ前に改葬先を決めておくことが重要です。
- 青山霊園の墓所を返還する場合は、東京都公園協会との別途手続き(原状回復含む)が必要です。施設変更制度(合葬施設への移転)も選択肢として検討できます。
- 都立霊園の施設変更制度:小平霊園・八柱霊園・青山霊園など都立霊園の使用者は合葬施設への移転制度が利用可能です。
- 申請に必要な書類は「改葬許可証交付申請書」と「改葬先の受入証明書」の2点が基本。改葬先を先に決めてから申請を進めましょう。
- 補助金は2026年時点でなし。費用は複数社の相見積もりや供養先の選択で調整できます。
- 供養先の選択肢は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など。都心に近い港区からアクセスしやすい施設が多数あります。
墓じまいは一度で完了する手続きではなく、家族との話し合い・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずはご家族で現状を共有し、窓口や石材店へ相談してみることが第一歩です。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。
東京都全体の手続き・費用については東京都の墓じまいもあわせてご覧ください。