墓じまいの流れを8ステップで解説|手続きの順番と注意点

墓じまいの流れを8ステップで解説|手続きの順番と注意点

小林玉喜
執筆者
小林玉喜
墓じまいパートナーズ代表

実家の墓じまいを経験したことをきっかけに、墓じまいパートナーズを創業・運営。現在は相談サポートや情報提供を通じて安心して墓じまいを進められるよう支援している。

公開:2026/3/10
更新:2026/3/12

墓じまいの流れは、大きく分けて8つのステップで進みます。親族への相談から始まり、寺院への連絡、行政手続き、墓石撤去、納骨まで、決まった順番があります。

「何から手をつければいいかわからない」「手続きが複雑そうで不安…」と感じている方も多いのではないでしょうか。手順を知らないまま動き出すと、親族間のトラブルや寺院との関係悪化につながることもあります。

この記事では、墓じまいの全体の流れを8ステップに沿って順番に解説します。各ステップで何をすべきか、注意点はどこかを把握しておくことで、落ち着いて準備を進めることができます。ぜひ最後までご覧ください。

墓じまい全体についてはこちらの墓じまい完全ガイドの記事も参考にしてください。

墓じまいの全体の流れ:8ステップ一覧

墓じまいは、8つのステップで進みます。まずは全体像を把握しておきましょう。

ステップ③の供養先選びとステップ④の石材店選びは、並行して進めることができます。それ以外は基本的にこの順番で手続きを進めていきます。

全工程にかかる期間は、順調に進んだ場合でも2〜6ヶ月程度が目安です。寺院との交渉や書類の準備、石材店の工事スケジュールの調整などに時間がかかるため、余裕を持って取り組むことが大切です。

次のセクションから、各ステップのポイントを順番に解説します。

ステップ① 親族全員の合意を取る

墓じまいで最初にやることは、親族全員への相談と合意取得です。お墓は家族・親族にとって共通の場所であり、「自分だけで決めて進めてしまった」という状況は、後々大きなトラブルになることがあります。

費用の分担についても、この段階で話し合っておくと安心です。法律上、墓じまいの費用を誰が負担すべきかという決まりはありませんが、一般的には相続人や親族間で話し合って分担するケースが多くあります。

合意なしに進めるとどうなるか

「話し合う前に勝手に墓じまいを進めた」というケースでは、後から反対意見が出て手続きが止まることがあります。改葬許可申請や石材店への発注が進んだ後にトラブルが発覚すると、取り返しのつかない状況になりかねません。

墓じまいは「墓をなくす」という行為でもあるため、特に年配の親族がいる場合は感情的な反対も起こりやすいです。一方的に話を進めるのではなく、「後継者がいないため管理が難しくなってきた」「遠方で定期的なお参りが難しい」など、事情を丁寧に説明しながら合意を得ることが、スムーズな墓じまいへの近道です。

当サイトの調査でも、墓じまいで「大変だったこと」として「親族との話し合い」を挙げた方が17.3%いました(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、経験者n=52)。早めの相談と丁寧なコミュニケーションが、スムーズな墓じまいへの近道です。

ステップ② 寺院・墓地管理者に相談する

親族の合意が取れたら、次はお墓のある寺院や霊園の管理者に相談します。「墓じまいをしたい」という意向を伝える際は、唐突に切り出すのではなく、事情を丁寧に説明することが大切です。

「後継者がいないため、お墓の管理が難しくなってきた」「遠方に住んでおり、定期的なお参りができなくなった」など、やむを得ない事情を誠実に伝えることで、相手にも理解してもらいやすくなります。

寺院との関係が長い場合は特に、感謝の気持ちを忘れずに伝えることが円満な墓じまいにつながります。

離檀料・お布施の話はここで確認する

寺院への相談の際に、お布施の金額についても確認しておくと後のトラブルを防げます。

「離檀料」という名目で高額を請求されるケースが話題になることがありますが、実際には「閉眼供養のお布施」「最後のお礼として」という形でお渡しするケースがほとんどです。合計の目安は3〜15万円程度です。

この範囲を大幅に超える金額を強く求められた場合は、法的な支払い義務はありませんので、焦らず冷静に話し合いましょう。一人での対応が難しい場合は、弁護士や行政書士など第三者への相談も選択肢の一つです。

当サイトの調査でも、墓じまいで「大変だったこと」として「お寺とのやり取り」を挙げた方が38.5%と最多でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、経験者n=52)。誠実なコミュニケーションが、円満な解決への近道です。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

寺との交渉を粘り強く行うことが大事である。

墓じまい経験者東京都・65歳・男性

ステップ③ 新しい供養先を決める

墓じまい後に遺骨をどこに納めるか、新しい供養先を早めに決めることが重要です。理由は、次のステップである行政手続き(改葬許可申請)に「受入証明書」が必要になるためです。供養先が決まっていないと、申請が進められません。

供養先の主な選択肢と選び方

主な供養先には以下の4つがあります。

供養方法

費用目安

特徴

永代供養墓

5〜50万円程度

寺院・霊園が永代にわたって供養・管理

納骨堂

10〜100万円程度

屋内施設に収蔵。立地によって費用差が大きい

樹木葬

5〜30万円程度

樹木を墓標とした自然葬。近年人気が高まっている

散骨

3〜20万円程度

粉骨して海や山などに散布

選ぶ際は費用だけでなく、家族がお参りしやすい立地かどうかも重要なポイントです。都市部の納骨堂は便利ですが費用が高め、郊外の樹木葬は自然豊かで費用を抑えやすい傾向があります。

パンフレットだけで決めず、できれば複数の施設を実際に見学・比較してから決めることをおすすめします。家族全員にとって納得のいる場所を選ぶことが、後悔のない墓じまいにつながります。

当サイトの調査では、墓じまい後の供養先として「永代供養墓」を選んだ方が最多(48.7%)で、次いで「納骨堂」(16.5%)、「樹木葬」(6.5%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、n=230)。

ステップ④ 石材店を選んで契約する

墓石の撤去・解体工事を行う石材店選びは、費用に大きく影響します。慎重に選ぶことがトラブル防止につながります。

なお、供養先選び(ステップ③)と石材店選び(ステップ④)は並行して進めることができます。どちらも時間がかかるため、同時に動き出すのがおすすめです。

石材店選びのポイント

相見積もりは必ず取る

同じ工事内容でも、石材店によって費用が10万円以上異なることも珍しくありません。最低でも2社以上から見積もりを取り、内容を比較しましょう。

見積もりは書面でもらう

口頭での説明だけでは、後から「言った・言わない」のトラブルになる可能性があります。必ず書面の見積書を取得し、費用の内訳(解体費・整地費・廃材処分費など)と追加費用が発生する条件を確認してください。

墓地指定の石材店がある場合

寺院や霊園によっては「指定石材店」しか使えない場合があります。費用は割高になりやすい一方で、お寺にとって馴染みのある業者のほうが安心感があり、喜ばれるケースも多いです。「多少割高でもお寺と円満に進めたい」という方は、お寺が指定またはおすすめする石材店を利用するのもよい選択です。

石材店が決まったら、工事の日程を調整して契約を進めます。着工前に改葬許可証が必要になりますので、次のステップ(行政手続き)と並行して進めておきましょう。

ステップ⑤ 役所で改葬許可申請を行う

遺骨を別の場所に移すためには、法律(墓地埋葬法)に基づく「改葬許可申請」という行政手続きが必要です。この申請をせずに遺骨を移すことは法律違反にあたりますので、必ず手続きを行いましょう。

改葬許可申請の手順

申請は以下の順番で進めます。

  1. 新しい供養先から「受入証明書」を取得する:新しい供養先(霊園・納骨堂など)が発行します。供養先が決まったら早めに取り寄せましょう。
  2. 現在の墓地管理者から「埋葬証明書」を取得する:現在のお墓のある寺院や霊園の管理者に発行してもらいます。遺骨が1体ずつ埋葬されている場合、体数分必要になります。
  3. 現在の墓がある市区町村の役所に申請する:上記2つの書類を持参し、「改葬許可申請書」を提出します。申請書は役所の窓口でもらえます。郵送での手続きが可能な場合や、委任状を使って第三者に手続きを依頼できる場合もあります。自治体によってルールが異なりますので、事前に窓口へご確認ください。
  4. 「改葬許可証」が発行される:許可証が交付されたら、遺骨を移せる状態になります。石材店への着工許可・新しい供養先への納骨の際に必要になりますので、大切に保管してください。

申請にかかる費用・期間

項目

目安

申請費用

数百円〜1,000円程度/体

発行までの期間

数日〜2週間程度(自治体による)

自分で申請すれば費用はほとんどかかりません。書類の準備が難しい場合は、行政書士に代行を依頼することも可能です(代行費用:3〜5万円程度)。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた

墓じまい経験者奈良県・54歳・女性

ステップ⑥ 閉眼供養(魂抜き)を行う

墓石を撤去する前に、閉眼供養(魂抜き)を行います。これは「墓石に宿った魂を抜く」ための儀式で、仏教の観点から墓石を「ただの石」に戻してから撤去するための大切な手順です。

お世話になった寺院の住職に読経をお願いするのが一般的です。当日は家族・親族で立ち会い、感謝の気持ちを持ってお別れすることをおすすめします。

住職へのお布施の目安は3〜15万円程度です。閉眼供養(法要)のお布施と最後のお礼を合わせたとしても、この範囲に収まることがほとんどです。

閉眼供養(魂抜き)は省けない

「費用を抑えたいから閉眼供養を省きたい」という方もいらっしゃいます。しかし、寺院との関係を大切にするためにも、閉眼供養を省略することはおすすめしません。

長年お世話になった住職への礼儀であり、ご先祖に対しても丁寧なお別れをする機会です。閉眼供養を省いたことで、その後の寺院との関係がこじれたり、親族から批判を受けたりするケースもあります。費用の節約より、円満に手続きを終えることを優先するのが賢明です。

閉眼供養が終わったら、いよいよ石材店による墓石撤去工事が始まります。

ステップ⑦ 遺骨の取り出しと墓石撤去

閉眼供養が終わったら、石材店による墓石の撤去工事が行われます。遺骨の取り出しと墓石撤去は別日に行われることも多いため、石材店との打ち合わせ時に日程を確認しておきましょう。

遺骨はご自身で骨壺に収めて持ち帰るのが基本ですが、遠方などでご自身での持ち帰りが難しい場合は郵送にも対応している石材店もあります。見積もりの際に確認してください。

事前に骨壺・風呂敷(骨壺を包む布)を準備しておきましょう。複数の方の遺骨が納められている場合は、それぞれ分けて収められるよう複数の骨壺を用意しておくと安心です。

墓石撤去工事の流れと費用

工事の内容は、墓石の解体・撤去・運搬・整地(更地に戻す)です。通常1日以内で完了することが多いですが、山中や石段が多い場所など作業車が入りにくい立地では時間・費用ともにかかる場合があります。

項目

目安

工事費用

10〜40万円程度

工事日数

1日程度(立地条件による)

工事完了後は、墓地を更地に戻して管理者に返還します。返還の際に管理費・永代使用料の精算が必要な場合があるため、事前に墓地管理者に確認しておきましょう。

ステップ⑧ 新しい供養先への納骨で完了

いよいよ最後のステップです。ステップ⑤で取得した改葬許可証を持参して、新しい供養先へ納骨します。納骨の際には改葬許可証の提出を求められますので、必ず持参してください。

納骨の際、新しい供養先でも開眼供養(魂入れ)を行う場合があります。永代供養墓や納骨堂では施設側が手配することも多いため、事前に確認しておきましょう。

これで墓じまいの8ステップがすべて完了です。

納骨後にやること

納骨が完了したら、以下の後処理も忘れずに進めましょう。

旧墓地の管理費・使用料の精算:墓石撤去後、旧墓地の管理費や永代使用料の精算が残っている場合は、墓地管理者に連絡して手続きを完了させます。

離檀手続き(寺院の檀家の場合):寺院の墓地を使用していた場合は、離檀(檀家関係の解消)の手続きが必要です。離檀届を提出し、寺院との関係を正式に終了させます。

関係者への報告:親族や故人と関係の深かった方々へ、墓じまいと新しい供養先を報告しておくと丁寧です。「今後はこちらにお参りいただけます」と伝えることで、関係者も安心できます。

墓じまいでよくあるトラブルと対処法

墓じまいでは、事前に知っておくことで防げるトラブルがあります。代表的なケースと対処法を紹介します。

親族間での合意が取れない

「墓じまいしたい」という意向に対して、親族から強い反対があるケースです。特に「先祖代々のお墓をなくすのは申し訳ない」という感情的な反発が起きやすいです。

対処法としては、反対意見を否定せず、まず相手の気持ちに寄り添うことが大切です。「管理できなくなって無縁墓になるよりも、きちんと新しい場所で供養したい」という趣旨を丁寧に伝えましょう。話し合いが平行線になる場合は、第三者(信頼できる親族や石材店の担当者など)に間に入ってもらうのも一つの方法です。

寺院から高額の離檀料を求められた

相場(3〜15万円程度)を大幅に超える金額を強く求められるケースです。「100万円払わないと離檀させない」といった話が聞かれることもありますが、離檀料に法的な支払い義務はありません

まずは冷静に「一般的な相場はどのくらいでしょうか」と確認し、話し合いを続けましょう。それでも解決しない場合は、弁護士や行政書士への相談が有効です。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることをためらわないでください。

石材店とのトラブル

「見積もりより高い金額を請求された」「工事の仕上がりが粗雑だった」などのトラブルがあります。

防止策は、必ず書面の見積書を取得すること複数の業者から相見積もりを取ることです。また、契約前に「追加費用が発生する場合は事前に連絡してもらう」という条件を確認しておくと安心です。

よくある質問

墓じまいは自分でできますか?

行政手続き(改葬許可申請)は自分で行うことが可能です。役所での申請手続き自体は難しくありませんが、必要書類の収集(受入証明書・埋葬証明書など)に手間がかかる場合があります。墓石の撤去工事は石材店への依頼が必須で、自分では行えません。手続き全般を任せたい場合は、行政書士や墓じまい専門の業者に代行を依頼する方法もあります。

遠方にある墓の墓じまいはどうすればいいですか?

遠方でも手続きの流れは同じです。改葬許可申請はお墓のある市区町村の役所に申請する必要がありますが、郵送で対応してくれる自治体もあります。石材店は現地の業者に依頼するのが基本ですが、「遠方墓地対応」をうたう業者に依頼する方法もあります。現地への立ち会いが難しい場合は、石材店と事前に段取りを十分に打ち合わせておきましょう。

墓じまいの手続きを代行してもらえますか?

行政書士や墓じまい専門業者に依頼することで、改葬許可申請などの手続きを代行してもらえます。費用は代行内容によって異なりますが、書類手続きの代行で3〜5万円程度が目安です。手続き全般をサポートしてくれるサービスを利用すれば、遠方のお墓でも比較的スムーズに進めることができます。

散骨の場合も改葬許可申請は必要ですか?

はい、必要です。遺骨をお墓から取り出して別の場所に移す行為はすべて「改葬」にあたり、法律上の手続きが必要です。散骨の場合も改葬許可証を取得したうえで、散骨業者に依頼します。また、散骨には遺骨を粉末状にする「粉骨」が必要で、1体あたり3〜5万円程度の費用が別途かかります。

墓じまい後に後悔しないためにはどうすればいいですか?

家族・親族全員が納得したうえで進めることが、後悔を防ぐ最大のポイントです。「誰かに反対されたまま強引に進めた」というケースが後悔につながりやすいため、十分な話し合いの時間を取りましょう。また、新しい供養先はお参りしやすい場所を選ぶことが大切です。「遠すぎてお参りできなくなった」という声もあるため、立地・アクセスを重視して選ぶことをおすすめします。

まとめ

この記事では、墓じまいの流れを8つのステップで解説しました。

  1. 親族全員の合意を取る
  2. 寺院・墓地管理者に相談する
  3. 新しい供養先を決める
  4. 石材店を選んで契約する
  5. 役所で改葬許可申請を行う
  6. 閉眼供養(魂抜き)を行う
  7. 遺骨の取り出しと墓石撤去
  8. 新しい供養先への納骨

墓じまいは決して簡単な手続きではありませんが、順番を把握して一つひとつ進めれば、必ず完了できます。「思い立ったらすぐ動き出す」ことが、スムーズな墓じまいへの第一歩です。まずはご家族・親族への相談から始めてみてください。

費用については、墓じまいにかかる費用はいくら?内訳・相場・節約ポイントを解説で詳しく解説しています。

墓じまいの基礎知識全般については、墓じまいの基礎知識・完全ガイドもあわせてご覧ください。

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