墓じまいの費用は、一般的に30万円〜150万円程度が目安です。 ただし、墓の規模や地域、選ぶ供養先によって大きく変わります。
「いったいいくらかかるのか…」「高額を請求されないか不安…」——そう思っている方も多いのではないでしょうか。 費用の見通しが立たないまま動き出すと、予想外の出費でトラブルになることもあります。
この記事では、墓じまいにかかる費用の内訳・相場・節約のポイントを、わかりやすく解説します。 費用の全体像を把握してから動けば、落ち着いて準備を進めることができます。ぜひ最後までご覧ください。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。
墓じまいの費用相場は?総額の目安を知ろう
墓じまいにかかる費用の総額は、30万円〜150万円程度が一般的な目安です。 幅が大きいのは、墓の規模・立地・選ぶ供養先によって費用が大きく変わるためです。
平均的なケースとしては、50万円〜80万円程度に収まることが多いと言われています。 ただし、これはあくまで目安です。ご自身の状況に合わせた見積もりを取ることが大切です。
当サイトが実施した調査では、墓じまいを経験した方(52名)の費用総額は「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多でした。20〜30万円(17.3%)、50〜70万円(13.5%)と続いており、費用の幅が広いことが実態からもわかります(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)。

地域・墓の規模による費用の違い
費用に影響する主な要因は以下のとおりです。
墓石の大きさ・区画の広さ 墓石が大きいほど、撤去・解体にかかる費用も高くなります。 一般的な家墓(和型墓石1基)であれば10〜30万円程度ですが、 大型の墓や区画が広い場合は40万円以上になることもあります。
地域による差 都市部(関東・関西)では石材店の人件費が高く、費用が割高になる傾向があります。 地方では比較的安くなるケースも多いですが、 寺院との関係(住職へのお布施)で費用が増えることもあります。
供養先の選択肢 墓じまい後にどこに遺骨を納めるかによっても、費用は大きく変わります。 永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、選択肢によって数万円〜数十万円の差が生じます。
費用の全体像をつかむために、まずは次のセクションで「何にいくらかかるか」の内訳を確認しましょう。
費用の内訳:何にいくらかかるのか
墓じまいの費用は、大きく分けて以下の4つで構成されます。それぞれについて、詳しく見ていきます。

墓石撤去・解体費用(10〜40万円)
墓じまいの費用の中で、最も大きな割合を占めるのが墓石の撤去・解体費用です。 石材店に依頼して墓石を取り除き、更地に戻す工事費用がかかります。
費用の目安は1㎡あたり10万円前後とされており、 墓地の区画が広いほど費用は高くなります。 また、作業車が入れない山中の墓地や、石段が多い墓地では 割増料金がかかる場合があります。
複数の業者から見積もりを取ることで、費用の差を比較できます。 相見積もりは必ず行うようにしましょう。

住職へのお布施(3〜15万円程度)
墓じまいの際、お世話になった寺院の住職に対してお布施をお渡しするのが一般的です。 実際には「離檀料」という明確な名目で請求されることは少なく、 「最後に法要を1回行いたい」「最後のお布施をお収めいただきたい」 といった形でお願いされるケースがほとんどです。
名目はさておき、住職にお渡しするお布施の相場は3〜15万円程度が目安です。 閉眼供養(法要)のお布施と最後のお礼を合わせたとしても、この範囲に収まることが多いです。
この金額を大きく超える請求があった場合は、一般的な範疇を超えており 「離檀トラブル」として扱われるケースにあたります。 法外な金額を支払う法的義務はありませんので、冷静に話し合いましょう。 一人での対応が難しい場合は、第三者(弁護士・行政書士など)への相談も選択肢です。
長年お世話になった寺院との関係を大切にしながら、 誠実に話し合うことが円満な解決への近道です。
当サイトの調査では、実際にお寺に支払ったお布施・離檀料(支払い経験者のみ)は「5〜10万円」が最多(23.8%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月)。相場を把握したうえで、冷静に対応しましょう。

行政手続き費用(数千円〜1万円程度)
墓じまいには、法律に基づく改葬許可申請という行政手続きが必要です。 「改葬」とは、遺骨を別の場所に移すための法律上の手続きのことです。
申請先は現在の墓がある市区町村の役所で、費用は1体あたり数百円〜1,000円程度と 比較的安く済む項目です。 ただし、書類の準備(既存の墓地の管理者から「埋葬証明書」をもらうなど)に 手間がかかる場合があります。
行政書士に代行を依頼する場合は、別途3〜5万円程度の費用が発生します。
新しい供養先への費用(数万〜数十万円)
墓じまい後の遺骨の行き先によって、費用は大きく異なります。費用だけでなく、その後のお参りのしやすさや家族の意向も含めて選ぶことが大切です。
当サイトの調査では、墓じまい後の供養先として「永代供養墓」を選んだ方が最多(48.7%)で、次いで「納骨堂」(16.5%)、「樹木葬」(6.5%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、n=230)。費用を抑えやすい選択肢として、永代供養墓は多くの方に選ばれています。

費用が高くなりやすいケースと注意点
墓じまいは、状況によっては想定以上の費用がかかることがあります。 事前に「費用が膨らみやすいパターン」を知っておくことで、備えることができます。
住職へのお布施が想定外に高額になるケース
住職へのお布施は法的な義務ではありませんが、寺院との関係がこじれると 相場(3〜15万円程度)を大きく超える金額を求められるケースがあります。
こうしたトラブルを避けるためには、最初の相談を丁寧に行うことが重要です。 「墓じまいしたい」という意向を唐突に伝えるのではなく、 「後継者がいないため、お墓の管理が難しくなってきた」など、 事情を誠実に説明することで、スムーズに話が進みやすくなります。
また、最初の相談の際に「どのような形でお礼をお渡しすればよいか」と 住職に確認しておくと、後から金額で揉めるリスクを減らせます。
もし相場を大幅に超える金額を強く求められた場合は、一人で悩まず 専門家(行政書士・弁護士)に相談することをおすすめします。
石材店選びを誤った場合
石材店の選び方を誤ると、費用トラブルにつながることがあります。 たとえば次のようなケースです。
- 相見積もりなしで依頼した→ 相場より大幅に高い費用を請求される
- 墓地指定の石材店が1社しかない→ 価格交渉が難しく割高になりやすい
- 口頭で契約した→ 後から追加費用を請求されても確認できない
石材店に依頼する際は、必ず書面で見積もりを取得し、追加費用の有無を確認しましょう。 また、複数の業者から相見積もりを取ることで、適正価格を把握できます。
良い石材店を選ぶことが第一で見積りは必ず取る
墓じまい経験者大阪府・72歳・女性
遺骨の状態・数が費用に影響する場合
1つのお墓に複数の方の遺骨が納められている場合、 その数だけ改葬許可申請と納骨の費用が発生します。
また、散骨を選ぶ場合は粉骨(遺骨を粉末状にする加工)が必要で、 1体あたり3〜5万円程度の費用がかかります。
遺骨の状態が悪い場合(長年放置されていたなど)は、 追加の処置が必要になることもあります。 事前に石材店や霊園に確認しておくと安心です。
墓じまいの費用を抑える5つのポイント
「少しでも費用を抑えたい」という方のために、実践できる節約ポイントを5つ紹介します。 ただし、費用を節約することだけを優先して、後悔しない選択をすることが大切です。

1. 複数の石材店から相見積もりを取る
墓石撤去の費用は、石材店によって大きく異なります。 同じ工事内容でも、業者によって10万円以上の差が出ることも珍しくありません。
最低でも2社以上から見積もりを取り、内容を比較しましょう。 金額だけでなく、工事内容・アフターフォロー・実績なども確認してください。 墓地が遠方にある場合は、地元の石材店と現地に詳しい業者を比べてみるのもよい方法です。
2. 住職へのお布施は相場を把握して対応する
住職へのお布施に法的な支払い義務はありません。 「法要のお布施+最後のお礼」を合わせた目安は3〜15万円程度です。 この範囲を大幅に超える請求があった場合は、焦らず冷静に話し合いましょう。
最初の相談を誠実かつ丁寧に行うことが、スムーズな話し合いにつながります。 「後継者がいないため、管理が難しくなった」という事情を素直に伝えることが大切です。
3. 供養先の選択肢を複数比較する
新しい供養先は、費用・立地・形式などを比較して選びましょう。 たとえば、都市部の納骨堂は便利ですが費用が高め、 郊外の樹木葬は自然豊かで費用が抑えられる傾向があります。
「家族がお参りしやすいか」「費用の負担はどうか」など、 家族全員で話し合いながら決めることをおすすめします。
4. 行政手続きは自分で行う
改葬許可申請は、役所での手続きが必要ですが、自分で行うことも可能です。 書類の準備や窓口への申請を自分で行えば、 行政書士への代行費用(3〜5万円程度)を節約できます。
手続きの流れは各市区町村の役所に確認するか、 墓地の管理者(寺院・霊園)に相談すると案内してもらえることが多いです。
5. 自治体の補助金・助成金制度を確認する
一部の自治体では、墓じまいや改葬に関する補助金・助成金制度を設けています。 制度の有無や内容は自治体によって異なりますので、 お住まいの市区町村の窓口や公式サイトで確認してみましょう。
また、「無縁墓」や「管理不能墓地」に対して自治体が支援するケースもあります。 該当する場合は積極的に問い合わせてみてください。
石材店の選び方と費用の確認ポイント
墓じまいの費用の中心となる墓石撤去工事は、石材店選びが非常に重要です。 信頼できる業者に適正価格で依頼するために、以下のポイントを参考にしてください。
信頼できる石材店を選ぶチェックリスト
- 実績・経験が豊富か 墓じまいの実績が多い業者は、手続きのサポートにも慣れています。ホームページや口コミで確認しましょう。
- 見積もりが明確か 費用の内訳が明確に記載された書面の見積もりを提示してくれる業者を選びましょう。口頭のみの説明は後のトラブルの原因になります。
- 追加費用について説明があるか 「追加費用が発生する場合はいくらか」「どのような場合に発生するか」を事前に確認しておくことが大切です。
- 資格・許可を持っているか 「お墓ディレクター」などの資格を持つスタッフがいる業者は、専門知識が高い傾向があります。
見積もりで確認すべき項目
石材店から見積もりを受け取ったら、以下の項目を必ず確認しましょう。
確認項目 | 内容 |
|---|---|
解体・撤去費用 | 墓石の解体・撤去・運搬にかかる費用 |
整地費用 | 墓地を更地に戻す費用 |
廃材処分費用 | 撤去した墓石の処分費用 |
追加費用の条件 | 狭い通路・階段・クレーン作業が必要な場合など |
閉眼供養の手配 | 石材店が紹介してくれるかどうか |
「合計金額」だけを見るのではなく、各項目の金額と内容を確認することが大切です。
墓地管理者が指定する石材店について
寺院や霊園によっては、「指定石材店」しか使えない場合があります。 この場合、相見積もりが取れず費用が割高になりやすいです。
契約前に、墓地管理者に「指定業者以外は使えないか」を確認してみましょう。 交渉次第で柔軟に対応してもらえるケースもあります。
費用の準備と支払いについて
墓じまいは決して安い買い物ではありません。 費用の準備方法や支払いの段取りを事前に考えておくと、いざというときに慌てずに済みます。
費用の捻出方法
家族・兄弟で分担する 墓じまいの費用は、法律上「誰が払うべき」という決まりはありません。 一般的には、相続人や親族で話し合い、分担することが多いです。 早めに家族間で話し合いをしておくと、後のトラブルを防げます。
相続財産から充当する 故人の遺産(相続財産)から墓じまいの費用を出すことも可能です。 ただし、相続手続きの進捗に合わせてタイミングを考える必要があります。
貯蓄から準備する 事前に少しずつ積み立てておく方法もあります。 「将来のための備え」として早めに準備を始めることをおすすめします。
分割払いに対応している業者の確認
石材店や霊園によっては、費用の分割払いに対応している場合があります。 一括払いが難しい場合は、見積もりの段階で確認してみましょう。
また、クレジットカード払いに対応している業者もあります。 ポイント還元を活用したい方は、支払い方法についても確認してください。
費用は「墓じまいにかかる費用」として控除できる場合も
相続税の申告をする場合、墓じまいにかかった費用が 「葬式費用」として控除できる場合があります(国税庁の規定による)。
ただし、すべての費用が対象になるわけではなく、 判断が難しいケースもあります。 税理士や税務署に確認することをおすすめします。
墓じまいにかかる費用の流れとスケジュール
墓じまいの費用は、一度にすべて支払うわけではありません。 手続きの進捗に合わせて、段階的に費用が発生します。 全体のスケジュールを把握しておくと、資金計画が立てやすくなります。
費用が発生するタイミング

着手から完了までの期間の目安
墓じまいの全工程は、順調に進んだ場合でも2〜6ヶ月程度かかるのが一般的です。 寺院との交渉や書類の準備、石材店の工事日程調整などに時間がかかることがあります。
時間的・精神的に余裕を持って取り組むためにも、 「思い立ったらすぐ動き出す」ことをおすすめします。
手続きの基本的な流れ
- 親族への相談・合意取得
- 新しい供養先の選定・申し込み
- 現在の寺院・墓地管理者への相談
- 石材店の選定・相見積もり
- 役所での改葬許可申請
- 閉眼供養の実施
- 石材店による墓石撤去工事
- 遺骨を新しい供養先へ納骨
費用の準備と手続きを並行して進めながら、焦らず丁寧に取り組みましょう。 不安なことがあれば、専門家(石材店・行政書士など)に相談することも大切です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 墓じまいの費用は誰が払うのですか?
墓じまいの費用を誰が負担するかについて、法律上の決まりはありません。 一般的には、お墓の承継者(祭祀継承者)が中心となって費用を負担するケースが多いですが、 相続人や親族で話し合って分担することも多くあります。 早めに家族間で相談しておくと、後のトラブルを防げます。
Q2. 費用が払えない場合はどうすればいいですか?
費用が一括で用意できない場合でも、いくつかの選択肢があります。 石材店や霊園によっては分割払いやクレジットカード払いに対応しています。 また、自治体によっては補助金・助成金制度がある場合もあります。 まずは石材店や市区町村の窓口に相談してみてください。 費用が難しい場合でも、諦めずに複数の方法を検討しましょう。
Q3. 住職へのお布施はいくら払えばいいですか?
「離檀料」という名目で請求されることは少なく、多くの場合「閉眼供養(法要)のお布施」や 「最後のお礼として」という形でお渡しします。 合計の目安は3〜15万円程度です。 この範囲を大きく超える金額を強く求められた場合は一般的な範疇を超えており、 専門家(弁護士・行政書士)への相談も選択肢になります。 法的な支払い義務はありませんが、円満な解決のために誠実な対応を心がけましょう。
Q4. 墓じまいの費用は相続税の控除対象になりますか?
墓じまいにかかった費用の一部は、相続税の申告において「葬式費用」として 控除できる場合があります。 ただし、すべての費用が対象になるわけではなく、内容によって判断が異なります。 相続税の申告を検討している場合は、税理士や最寄りの税務署に確認することをおすすめします。
Q5. 補助金・助成金はありますか?
一部の自治体では、墓じまいや改葬に関する補助金・助成金制度を設けています。 ただし制度の内容は自治体によって大きく異なり、設けていない自治体も多くあります。 お住まいの市区町村の役所窓口や公式ウェブサイトで確認してみてください。 「無縁墓地の整備」に関する支援が受けられるケースもあります。
まとめ
この記事では、墓じまいにかかる費用について解説しました。
費用の総額は30万円〜150万円程度が目安ですが、 墓の規模・地域・選ぶ供養先によって大きく異なります。 まずは以下の4つの費用項目を把握しておきましょう。
- 墓石撤去・解体費用(10〜40万円)
- 住職へのお布施(3〜15万円程度)
- 行政手続き費用(数千円〜1万円程度)
- 新しい供養先への費用(数万〜数十万円)
費用を抑えるためには、複数の石材店から相見積もりを取ることが最も効果的です。 また、寺院との対話は誠実に、住職へのお布施は相場(3〜15万円程度)を把握したうえで冷静に対応しましょう。
墓じまいは決して簡単ではありませんが、事前にしっかり準備することで スムーズに進めることができます。 「どこから始めればいいかわからない」という方は、まず家族・親族との相談から始めてみてください。
墓じまいの全体的な流れや手続きについては、 墓じまいの基礎知識・完全ガイドも合わせてご覧ください。


