離檀料とは、お寺の檀家をやめる際に、これまでの感謝の気持ちを示すためにお寺に包むお金のことです。
「墓じまいを検討していたら、突然お寺から高額の離檀料を請求された」「そもそも離檀料って何?払わなければいけないの?」という疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、離檀料の意味と相場、法的な支払い義務の有無、そして高額請求された場合の対処法までを詳しく解説します。墓じまいをスムーズに進めるために、ぜひ参考にしてください。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。
離檀料とは何か
離檀料とは、お寺の檀家関係を解消する(離檀する)際に、これまでお世話になったお寺へ感謝の気持ちを示すために包むお金のことです。
そもそも「離檀」とは、先祖代々続いてきたお寺との檀家関係を解消することを指します。墓じまいでは、お墓を撤去して遺骨を別の供養先へ移す際に、お寺に対して離檀を申し出る必要があります。
離檀料は、数十年・数百年にわたって法要や供養をしていただいたお礼の気持ちとして包むものです。決まった金額があるわけではなく、あくまでも「感謝の気持ち」として渡す慣習です。
離檀料・撤去費用・永代使用料は別物
離檀料と混同しやすいものとして、「墓石の撤去費用」と「永代使用料」があります。それぞれ意味が異なりますので、整理しておきましょう。
名称 | 内容 |
|---|---|
離檀料 | 檀家関係を解消する際の感謝のお布施 |
墓石撤去費用 | 墓石を解体・撤去する工事費(石材店に支払う) |
永代使用料の返還 | 墓地区画の使用権を返還する際の精算(返還されないケースも多い) |
これらは別々の費用です。お寺に支払う「離檀料」と、石材店に支払う「撤去工事費」を混同しないようにしましょう。
離檀料の相場はいくら?
離檀料の一般的な相場は、3万円〜20万円程度です。ただし、お寺の宗派・規模・地域、そしてそれぞれの家とお寺との関係の深さによって大きく異なります。
目安として「これまで支払ってきたお布施の3回分程度」という考え方もあります。たとえば、法事のたびに3万円のお布施を包んでいた場合、離檀料の目安は9万円前後となります。
相場の幅が広い理由は、離檀料に法律上の決まりがなく、それぞれのお寺や家の事情に応じて変わるためです。
当サイトが実施した調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ))では、実際にお寺に支払ったお布施・離檀料(支払い経験者のみ)は「5〜10万円」が最多(23.8%)、次いで「20〜30万円」(21.4%)、「5万円未満」(19.0%)でした。相場の中でも、5〜10万円に収まるケースが最も多いことがわかります。
お布施がいくらかわからないのが嫌。気持ち悪い。
墓じまい検討中東京都・44歳・女性

相場より大幅に高い場合は要注意
なかには、100万円や200万円といった高額の離檀料を請求されるケースも報告されています。こうした請求は相場を大幅に超えており、そのまま支払う必要はありません。
離檀料はあくまでも「感謝の気持ちを示すお布施」であり、法的な支払い義務はありません(詳しくは次の章で解説します)。相場を大きく超える金額を提示された場合は、冷静に対応することが大切です。
なお、墓じまい全体にかかる費用については、墓じまいの費用はいくら?の記事もご参照ください。
離檀料に法的な支払い義務はある?
結論から言えば、離檀料に法律上の支払い義務はありません。
離檀料は慣習的なお布施であり、法律で定められた費用ではありません。お寺との関係を穏やかに解消するための「礼儀・慣習」として支払うものです。
日本国憲法では信教の自由が保障されており、「どのお寺の檀家になるか・やめるか」は個人の自由です。お寺側から離檀を強制的に拒否することも、法律上はできません。
ただし、法的義務がないからといって「払わない」と強硬に主張することは、関係をこじれさせる原因になります。長年お世話になったお寺への感謝を示すためにも、相場の範囲内で誠意をもって対応することが、スムーズな墓じまいにつながります。
支払いを拒否したらどうなるか
離檀料の支払いを拒否した場合、法的な制裁はありません。しかし、以下のような現実的な影響が生じることがあります。
- お寺から改葬許可証の発行に非協力的な対応をされることがある
- 閉眼供養(魂抜き)をしてもらえないケースがある
- お寺・地域コミュニティとの関係が悪化する
なお、改葬許可証はお寺ではなく市区町村が発行するものです。お寺が署名・捺印を拒否した場合でも、市区町村に相談すれば別の方法で対処できる場合があります。行政への相談も選択肢として覚えておきましょう。
高額な離檀料を請求された場合の対処法
相場を大幅に超える高額な離檀料を請求された場合でも、冷静に対応することが最も大切です。感情的になると話し合いがこじれやすくなるため、落ち着いて以下のステップで進めましょう。
当サイトの調査では、墓じまいで「大変だったこと」として「お寺とのやり取り」が38.5%と最多でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、経験者n=52)。
遠方なので中々墓参りもできず自分自身が年老いてきた為子供に負担をかけたくなく墓じまいを検討中ですが中々お寺側との話し合いが進まず難しいです。
墓じまい検討中宮城県・52歳・女性


実際のトラブル事例と解決のポイント
高額離檀料トラブルでよく見られるパターンと、解決のポイントをまとめます。
トラブル例 | 対処のポイント |
|---|---|
「100万円払わないと墓を動かせない」 | 法的義務はないことを確認し、相場を提示して交渉 |
「署名・捺印しない」と改葬を拒否された | 市区町村窓口に相談。行政が介入できる場合がある |
文書で高額請求書を送付された | 弁護士に相談し、書面での対応を依頼する |
いずれの場合も、感情的にならず記録を残しながら対応することが重要です。
離檀をスムーズに進めるための心がけ
離檀をトラブルなく進めるために最も大切なのは、早めの相談と丁寧なコミュニケーションです。
お寺にとって、長年続いた檀家との関係が突然終わることはショックな出来事です。いきなり「墓じまいしたい」と告げるのではなく、まず「家族の事情で墓の維持が難しくなってきた」と状況を伝え、相談の場を設けることから始めましょう。
また、これまでお世話になったことへの感謝を言葉でしっかり伝えることも重要です。「感謝の気持ちがない」と受け取られると、話し合いがこじれやすくなります。
一度の面談ですべてを決めようとせず、複数回に分けて丁寧に話し合うことをおすすめします。住職側にも準備や心の整理が必要です。

離檀の流れ
離檀は以下の順番で進めます。墓じまい全体の流れの中に位置づけて理解しておくと、手続きがスムーズです。

墓じまい全体の詳しい流れについては、墓じまいの流れを8ステップで解説の記事もご参照ください。
よくある質問
Q1. 離檀料はいつ支払うのですか?
離檀料を支払うタイミングに決まりはありませんが、一般的には閉眼供養(魂抜き)の当日にお布施と一緒に渡すケースが多いです。事前にお寺と話し合いの場を設けた際に渡す場合もあります。渡す際は白い封筒または奉書紙に包み、表書きは「御布施」とするのが一般的です。
Q2. 離檀料を払わないと改葬許可証を発行してもらえませんか?
改葬許可証は市区町村が発行するものであり、お寺が直接発行するわけではありません。ただし、改葬許可申請書にはお寺(墓地管理者)の署名・捺印が必要なため、お寺が非協力的な場合は手続きが難しくなります。万が一署名を拒否された場合は、管轄の市区町村に相談してください。
Q3. 離檀を申し出る際、どう伝えればよいですか?
「後継者がいない」「遠方で管理が難しい」など、離檀に至った事情を率直かつ丁寧に伝えることが大切です。電話ではなく、できれば直接訪問して相談する場を設けましょう。いきなり「やめます」と告げるのではなく、「ご相談があります」という形で話し合いの場を設けることで、トラブルを防ぎやすくなります。
Q4. 離檀料は現金・封筒どちらで渡しますか?
現金を白い無地の封筒か奉書紙に包んで渡します。表書きは「御布施」とし、下に施主(喪主)の氏名を書くのが一般的です。金額は算用数字ではなく漢数字(壱、弐、参など)で書くのが正式とされています。
Q5. 離檀料は墓じまいの費用に含まれますか?
はい、離檀料は墓じまいにかかる費用の一部です。墓じまいの総費用は一般的に30〜150万円程度で、内訳は墓石の撤去・解体費用(10〜40万円)、離檀料(3〜20万円)、改葬許可申請などの行政費用(数千円〜1万円程度)、新しい供養先への納骨費用などで構成されます。
まとめ
離檀料について、ポイントを整理します。
- 離檀料とは:檀家関係を解消する際に、感謝の気持ちとしてお寺に包むお布施
- 相場:3万円〜20万円程度(宗派・地域・関係性によって異なる)
- 支払い義務:法律上の義務はない。ただし、穏便に進めるためにも相場の範囲で誠意をもって対応することが大切
- 高額請求への対応:冷静に話し合い、根拠を確認する。解決しない場合は宗派の本山や弁護士(交渉代理は弁護士のみ)に相談する
離檀はデリケートな手続きですが、早めの相談と丁寧なコミュニケーションで、多くの場合はスムーズに進めることができます。
墓じまい全体の手続きや費用についてさらに詳しく知りたい方は、墓じまい完全ガイドをご覧ください。


