「宗派によって墓じまいの費用は変わりますか?」というご質問をよくいただきます。
結論からお伝えすると、墓じまいの費用は、宗派によってほぼ変わりません。石材店への工事費用・改葬許可申請費用・新しい供養先への費用は宗派に関係なくかかり、これらが総額の大部分を占めます。
「〇〇宗は離檀料が高い・安い」という情報がネット上に出回っていることがありますが、離檀料やお布施の金額を決めるのは宗派ではなく、お世話になっている寺院・住職の方針です。同じ宗派でも寺院によってまったく異なります。
この記事では、墓じまい費用の実態と、費用の見通しを立てるためのポイントを詳しく解説します。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。
墓じまい費用の全体像
墓じまいにかかる費用は、主に以下の4つに分けられます。

費用の大部分を占める「石材店費用・改葬手続き・新供養先」はどの宗派でも同じようにかかります。
「離檀料やお布施は宗派で変わるのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、これらを決めるのも宗派ではなく、個々の寺院・住職の方針です。次の章で詳しく説明します。
離檀料は「宗派」ではなく「その寺院の方針」で決まる

離檀料とは、長年お世話になった寺院の檀家をやめる際に、感謝の気持ちとしてお包みするお金です。法律上の支払い義務はなく、あくまでも任意のお礼です。
離檀料の金額は寺院によってまったく異なる
「〇〇宗は離檀料がいくら」という情報がネット上に見られますが、離檀料の金額は宗派によって一律に決まっているわけではありません。同じ宗派のお寺でも、「10万円をお包みください」と言う寺院もあれば、「お気持ちで結構です」という寺院もあります。
一般的に目安として言われる金額は3〜20万円程度ですが、これは「よくある範囲」であり、宗派による基準ではありません。
「浄土真宗は離檀料を求めない」という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これも宗派として統一されたルールではなく、一部の寺院の方針にすぎません。実際に費用を把握するには、ご自身のお寺の住職に直接確認することが欠かせません。
檀家を抜けるのが大変でありすすまない。
墓じまい経験者 三重県・71歳・男性
費用の確認は、墓じまいの意思を住職に伝えるタイミングで一緒に行うのがスムーズです。「費用の見通しを立てたいので、目安を教えていただけますか」と率直に聞いても失礼にはなりません。

閉眼供養のお布施も、決めるのは寺院の住職
墓石を撤去する前には、閉眼供養(魂抜き)という法要を行うのが一般的です。これは宗派を問わずほぼ必要となる儀式で、住職に読経をお願いします。
お布施の相場
この際にお渡しするお布施の相場は、3〜10万円程度が目安です。しかし、これも宗派で決まるものではなく、寺院の慣習や住職の考え方によって変わります。
「いくら包めばよいか聞きにくい」という方へ
子供に迷惑をかけなくないので考え出したが、どの様に進めていけばいいか分からない。住職に言い出しにくい
墓じまい検討中 茨城県・45歳・女性
「いくら包めばよいかわからない」「聞くのが気まずい」という気持ちはよく理解できます。ただ、「目安を教えていただけますか」と率直に聞くことは失礼ではなく、住職もこうした質問には慣れています。
「それでも直接聞くのが難しい」という場合は、墓じまい代行業者に間に入ってもらい、費用の確認を含めてサポートしてもらう方法もあります。
宗派に関わらず必ずかかる共通費用
宗派に関わらず、墓じまいには必ずかかる費用があります。これらが総額の大部分を占めます。
石材店による墓石撤去・解体費用
目安:10〜40万円
墓石の撤去・解体は、資格を持った石材店に依頼します。費用は墓の規模・立地・石材店によって異なるため、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
改葬許可申請費用
目安:数千円〜1万円程度
遺骨を別の場所に移すには、市区町村役所への改葬許可申請が必要です。手数料は自治体によって異なりますが、数百円〜1万円程度が一般的です。
新しい供養先への費用
目安:数万〜数十万円(方法による)
永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、選ぶ供養先によって費用は大きく変わります。初期費用だけでなく、その後の管理費・お参りのしやすさも含めたトータルで比較することが大切です。
墓じまいにはかなりお金と時間がかかるので、それを計算して早めに動き出したほうが良いです。
墓じまい検討中 埼玉県・50歳・男性
これらの共通費用は宗派に関係なく発生し、離檀料やお布施よりも金額が大きくなることがほとんどです。費用の全体像を早めに把握しておくことが、墓じまいをスムーズに進める第一歩です。
費用の見通しを立てるためのポイント
検討段階だが費用面での不安が大きい。
墓じまい検討中 埼玉県・50歳・男性
費用への不安は、早めに情報を集めることで和らげられます。以下のポイントを参考にしてください。
①住職に費用を事前に確認する
離檀料やお布施の目安は、住職に直接確認するのが確実です。「費用の見通しを立てたいので、目安を教えていただけますか」という切り出し方で、失礼なく聞けます。
②石材店は複数社から相見積もりを取る
石材店の費用は業者によって異なります。相見積もりを取ることで適正な価格感がわかり、費用を抑えやすくなります。
③全体費用が不安な場合は代行業者・専門家に相談する
費用や手続きの全体像について不安がある場合は、墓じまい代行業者に相談する方法があります。費用の内訳や進め方をまとめてサポートしてもらえます。
④高額な離檀料を請求された場合は弁護士に相談
離檀料に法的な支払い義務はありません。誠実に話し合っても解決できない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。代行業者は連絡・調整のサポートは可能ですが、法的な交渉代理は弁護士の領域です。

よくある質問
Q. 宗派によって離檀料の金額は決まっていますか?
宗派ごとに金額が一律に決まっているわけではありません。離檀料を決めるのは宗派ではなく、個々の寺院・住職の方針です。同じ宗派でも寺院によって大きく異なるため、費用の確認は住職に直接聞くのが確実です。一般的な目安は3〜20万円程度ですが、「お気持ちで」と言われる場合もあります。
Q. 浄土真宗は他の宗派より費用が安いと聞きますが本当ですか?
浄土真宗の寺院では離檀料を求めない場合があると言われますが、宗派として統一されたルールではなく、寺院によって方針は異なります。「浄土真宗だから必ず安い」とは言い切れません。ご自身のお寺の住職に直接確認することをおすすめします。
Q. 宗派不明・無宗教の場合、費用はどうなりますか?
お寺のお墓ではない場合(公営霊園・民間霊園など)は、離檀料やお布施は発生しません。石材店による墓石撤去費用・改葬許可申請費用・新しい供養先への費用が主な内訳になります。総額の目安は30〜150万円程度ですが、供養先や墓の規模によって変わります。
Q. 離檀料を高額に請求された場合はどうすればいいですか?
離檀料に法的な支払い義務はありません。まずは住職と誠実に話し合うことが大切です。話し合いで解決できない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。代行業者は連絡・調整のサポートは可能ですが、相手方との法的な交渉代理は弁護士の領域です。
まとめ
墓じまいの費用は、宗派によってほぼ変わりません。石材店への工事費用・改葬許可申請費用・新しい供養先への費用は宗派に関係なくかかり、これらが総額の大部分を占めます。
離檀料やお布施についても、金額を決めるのは宗派ではなく、お世話になっている寺院・住職の方針です。同じ宗派でも寺院によってまったく異なるため、ネット上の宗派別情報を鵜呑みにせず、実際に住職に確認することが大切です。
墓じまいの総額は30〜150万円程度が目安ですが、石材店の選び方や新供養先の種類によって大きく変わります。費用の全体像を早めに把握し、準備を進めることが重要です。
費用や手続きに不安を感じる場合は、墓じまい代行業者や専門家への相談も検討してみてください。
墓じまい全体の流れや各費用の詳細については、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。







