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曹洞宗の墓じまい|手続きの流れと閉眼供養・住職への相談ポイント

曹洞宗の墓じまい|手続きの流れと閉眼供養・住職への相談ポイント

公開:2026年3月16日
更新:2026年3月18日
小林玉喜
執筆者
小林玉喜
墓じまいパートナーズ代表

実家の墓じまいを経験したことをきっかけに、墓じまいパートナーズを創業・運営。現在は相談サポートや情報提供を通じて安心して墓じまいを進められるよう支援している。

曹洞宗のお寺にお墓があり、墓じまいを検討している方のために、手続きの流れと宗派ならではの注意点をまとめました。

曹洞宗は道元禅師が開いた禅宗で、全国に約1万4,000ヶ寺を持つ日本最大規模の禅宗です。禅宗には「魂が物に宿る」という考え方があるため、墓石を撤去する前に閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。浄土真宗では「遷仏法要・お勤め」という形で(閉眼供養とは呼ばない)住職に法要をお願いしますが、曹洞宗ではそれとは異なる作法となります。

とはいえ、手続きの大きな流れ自体は他の宗派と同じです。改葬許可申請・石材店への依頼・新しい供養先への納骨という順序は共通しています。この記事では、曹洞宗のお寺ならではの進め方と注意点を解説します。

墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

曹洞宗の墓じまい、他の宗派と何が違う?

曹洞宗は、禅宗の中でも最大規模の宗派です。鎌倉時代に道元禅師が開き、「只管打坐(しかんたざ)」という座禅修行を重視することで知られています。大本山は永平寺(福井県)總持寺(横浜市)の2箇所があります。

曹洞宗には「魂が物に宿る」という考え方があります。そのため、お墓や仏壇には仏様・先祖の魂が宿るとされており、墓石を撤去する前に閉眼供養(魂抜き)を行い、宿った魂を抜く法要を行うのが一般的です。

これは浄土真宗とは正反対の考え方です。浄土真宗には「物に魂が宿る」という概念がなく、墓石撤去の前に「閉眼供養(魂抜き)」という作法は行いません(「遷仏法要」「お勤め」という形で読経はお願いしますが、意味合いは異なります)。手続きの大きな流れ自体は、どの宗派でも基本的に同じです。

浄土真宗との違いを比較表で整理

同じ「宗派の寺院にお墓がある」場合でも、このように考え方や作法が異なります。事前に知っておくことで、住職への相談もスムーズに進めやすくなります。

曹洞宗の墓じまいの流れ(ステップ別)

手続きの大きな流れは他の宗派と同じです。各ステップで曹洞宗ならではの注意点を押さえておきましょう。

ステップ1:親族との合意を取る

墓じまいはお墓に関わる家族・親族全員が関係する決断です。特に遠方に住む兄弟・親戚がいる場合は、早めに話し合いの場を設けることが大切です。後から「知らなかった」という声が出ると、手続きが止まることもあります。

ステップ2:住職(ご住職)へ相談する

曹洞宗は「檀家制度」によって寺院と檀家が長年にわたってつながっています。先祖代々お世話になってきたお寺への報告は、丁寧に、早めに行いましょう。

住職への相談が重要なのは、礼儀の面だけでなく、手続き上の理由もあります。改葬許可申請に必要な「埋蔵証明書」は、現在の寺院(住職)に発行してもらう必要があるためです。また、閉眼供養(魂抜き)の実施確認なしには石材店が工事を進めないのが業界の慣習です。

ステップ3:新しい供養先を決める

曹洞宗系列の施設でなくても問題ありません。公営霊園・宗派不問の民間霊園・納骨堂・樹木葬など、多くの選択肢があります。

改葬許可申請には、新しい供養先から発行してもらう「受入証明書」が必要です。そのため、供養先が決まってから申請を進めるのが正しい順序です。

ステップ4:改葬許可申請(市区町村役所)

遺骨を別の場所に移すには、市区町村役所への「改葬許可申請」が必要です。申請には以下の書類が一般的に必要です。

  • 受入証明書(新しい供養先が発行)
  • 埋蔵証明書(現在の寺院・住職が発行)
  • 改葬許可申請書(役所の窓口で入手)

手数料は自治体によって異なりますが、数百円〜1万円程度が目安です。

ステップ5:閉眼供養(魂抜き)を行う

曹洞宗では「魂が物に宿る」という考え方をするため、墓石を撤去する前に閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。住職に読経・法要をお願いします。

この際にお渡しするお布施の目安は3〜10万円程度です。ただしお布施の金額は宗派で一律に決まるものではなく、寺院の慣習や住職の考え方によって変わります。具体的な金額は住職に確認するのが確実です。

ステップ6:墓石の撤去・解体(石材店)

閉眼供養が完了してから、石材店に墓石の撤去・解体を依頼します。費用の目安は10〜40万円程度ですが、墓の規模・立地・石材店によって異なります。複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。

ステップ7:新しい供養先への納骨

取り出した遺骨を、決めておいた供養先に納骨します。供養先の種類によって納骨の手順や費用は異なりますので、事前に確認しておきましょう。

禅宗のお寺への相談、切り出し方のポイント

曹洞宗のお寺は「檀家制度」によって檀家と深くつながっており、先祖代々お世話になってきた関係性が築かれているお寺も多くあります。禅宗の寺院は厳かな雰囲気のところも多く、「墓じまいを切り出しにくい」と感じる方は少なくありません。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

檀家を抜けるのが大変でありすすまない。

墓じまい経験者 三重県・71歳・男性

このような悩みを抱えている方はよくいます。墓じまいの相談を受けた経験のある住職は少なくありません。「お墓の今後について相談したいことがあるのですが」という形から始めると、話し合いの場を設けやすくなります。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

自分の子供世代に荷物を押し付けたく無い、宗教家への不信感

墓じまい検討中 愛知県・56歳・男性

「子どもに負担をかけたくない」という気持ちは多くの方が共通して持っています。ただ、不信感があっても、実際の手続きには住職の協力が不可欠です。

法律上、離檀(寺院の檀家関係を解消すること)を禁じる規定はなく、寺院の同意は法的には不要です。しかし実態としては、住職の協力なしに手続きを進めることは事実上困難です。主な理由は2点あります。

  1. 改葬許可申請に埋蔵証明書が必要:現在の寺院(住職)に発行してもらう必要がある
  2. 石材店は閉眼供養の実施確認なしに工事を進めない:住職の了承を確認するのが業界の慣習

誠実なコミュニケーションを大切にすることが、スムーズな墓じまいへの近道です。住職への相談が難しいと感じる場合は、墓じまい代行業者に間に入ってもらう方法もあります。

離檀料の目安

離檀料とは、長年お世話になったお寺を離れる際に納めるお布施の一種です。宗派として統一されたルールはなく、寺院の方針によって異なります。一般的な目安は3〜20万円程度です。

高額な離檀料を請求された場合は、まず住職と誠実に話し合うことが大切です。それでも解決が難しい場合は、墓じまい代行業者への相談も選択肢のひとつです。費用の詳細については、宗派によって墓じまい費用は変わるの?もあわせてご覧ください。

費用の目安

曹洞宗での墓じまいにかかる費用の内訳は、以下の通りです。

費用項目

目安

閉眼供養(魂抜き)のお布施

3〜10万円程度

離檀料

3〜20万円程度(寺院の方針による)

石材店による墓石撤去・解体

10〜40万円

改葬許可申請(役所への手数料)

数百円〜1万円程度

新しい供養先への費用

数万〜数十万円(方法による)

合計目安

30〜150万円程度

「曹洞宗だから費用が安い」「曹洞宗だから高い」ということはなく、費用の大きさはお世話になっている寺院の方針や、お墓の規模・立地によって変わります。費用の詳細については、宗派によって墓じまい費用は変わるの?も参考にしてください。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

心理的に負担がすごくかかると思うので、早めに検討するのが良いと思います。

墓じまい検討中 東京都・57歳・女性

費用の見通しを早めに立てるために、以下の点を意識してみてください。

住職に費用を事前に確認する

閉眼供養のお布施や離檀料の目安は、住職に直接確認するのが確実です。費用の見通しを立てたい旨を伝えれば、失礼なく確認できます。

石材店は複数社から相見積もりを取る

石材店の費用は業者によって異なります。相見積もりを取ることで適正な価格感がつかめ、費用を抑えやすくなります。

全体的な費用・手続きに不安があれば代行業者に相談する

費用の内訳や手続きの進め方について不安がある場合は、墓じまい代行業者に相談する方法があります。寺院への連絡・調整から書類の案内まで、まとめてサポートしてもらえます。

よくある質問

Q. 曹洞宗の墓じまいで「閉眼供養(魂抜き)」は必ず必要ですか?

曹洞宗には「魂が物に宿る」という考え方があるため、墓石を撤去する前に閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。石材店も住職の了承・閉眼供養の実施を確認してから工事を進めるのが業界の慣習です。具体的な作法はお寺によって異なりますので、担当の住職に相談してください。

Q. 永平寺系・總持寺系でお寺が異なっても、手続きの流れは変わりますか?

改葬許可申請・石材店の手配・供養先への納骨といった基本的な手続きの流れに大きな違いはありません。法要の細かな作法はお寺によって異なりますので、お世話になっている住職に確認するのが確実です。

Q. 曹洞宗のお寺のお墓から、別の宗派の供養先に移れますか?

問題ありません。公営霊園・宗派不問の民間霊園・納骨堂・樹木葬など、宗教・宗派を問わない施設は多くあります。改宗が必要になることはありません。

Q. 住職が埋蔵証明書の発行を拒否した場合はどうすればいいですか?

まずは誠実に話し合いを重ねることが大切です。それでも解決しない場合は、市区町村の役所に事情を説明すると、証明書がない状態でも申請を受け付けてもらえる場合があります(自治体の判断によります)。墓じまい代行業者や弁護士に相談することも選択肢のひとつです。

まとめ

曹洞宗の墓じまいは、手続きの流れ自体は他の宗派と基本的に同じです。改葬許可申請・石材店への依頼・新しい供養先への納骨という順序は共通しています。

曹洞宗ならではのポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 閉眼供養(魂抜き)を必ず行う:曹洞宗は「魂が物に宿る」という考え方をするため、墓石撤去前に閉眼供養が必要です。浄土真宗とは正反対の作法です
  • 檀家制度が色濃く残る:先祖代々の深いつながりがあるお寺も多い。住職への相談は早めに・誠実に行うことがスムーズな進行の鍵
  • 費用は寺院の方針による:「曹洞宗だから安い/高い」ということはなく、住職に早めに確認することが大切

次の供養先は、曹洞宗系列に限らず、宗派不問の公営霊園・民間霊園・納骨堂・樹木葬なども選べます。家族のアクセスのよさ・費用・管理のしやすさを総合的に検討してみてください。

手続きや費用の全体像に不安がある場合は、墓じまい代行業者への相談も選択肢のひとつです。

墓じまい全体の流れや各費用の詳細については、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

墓じまい完全ガイド

墓じまいの流れ、費用の目安、墓じまい後の供養方法までをわかりやすく解説しています。

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