長崎市では、急激な人口減少と高齢化を背景に、墓じまい(改葬)を検討する方が増えています。長崎市の人口増減率は-4.75%と全国平均-0.75%の約6倍の速さで人口が減少しており、承継者が見つからないお墓が増えています。また、長崎市の特徴として坂の多い地形から斜面にお墓が多く、高齢になると墓参りや管理が体力的に難しくなるという問題も抱えています。
この記事では、長崎市でお墓の墓じまいを検討している方に向けて、改葬許可申請の窓口情報・手続きの流れ・費用の目安・補助金の有無・改葬後の供養先について詳しく解説します。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。
長崎市で墓じまいを検討する人が増えている理由
単身世帯・高齢化・核家族化の実態

長崎市の人口・世帯データを全国平均と比較すると、墓じまいが増えている背景がはっきりと見えてきます。
高齢化率は32.9%と全国平均28.7%を4.2ポイント上回っており、市内の3人に1人以上が65歳以上です。お墓を管理する世代の体力・移動能力の低下が進んでいます。生涯未婚率も22.2%と全国平均19.7%を2.5ポイント上回っており、「自分の代でお墓を整理しておきたい」という意識が高まっています。
単身世帯率は38.9%と全国平均38.0%をわずかに上回り、核家族化率も54.8%と全国平均を上回っています。三世代での同居が減り、お墓を守る家族の担い手が少なくなっています。
自分は今も独身で、結婚の予定も特にないですし、このまま歳を取っていったら、自分が亡くなったあとこのお墓はどうなるんだろうって思ったんです。誰も見る人がいなくて無縁仏になってしまうのも、なんだか父に申し訳ない気がして。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
人口動態・坂の多い地形と遠距離管理の問題
長崎市の人口増減率は-4.75%と、全国平均-0.75%の約6倍の速さで人口が減少しています。若い世代が福岡・大阪・東京などの大都市圏に転出した後、長崎市に残したお墓の管理が困難になるケースが多くあります。
長崎市は坂の多い地形から、急勾配の斜面にお墓が多く存在します。高齢になると体力的な問題から、お墓参りや管理が難しくなることがあります。遠方に住む子世代がお墓を継承しても、急な坂道を登ってお参りすることへの負担感が、墓じまいを検討するきっかけにもなっています。
息子が東京に家を買ったんですよ。もう福岡には戻ってこないのが確定したので、この墓を誰が守るんだ?となりました。自分が動ける60歳前の今のうちに、墓じまいしてしまおうと決めました。
墓じまい経験者福岡県・50代・男性
長崎市での墓じまいの流れ

①家族・親族への相談
墓じまいは、お墓に関係するすべての親族の合意が重要です。「誰がお骨の行き先を決めるか」「費用をどう分担するか」という点は、後のトラブル防止のために最初にしっかり話し合っておきましょう。長崎市では伝統的な宗教観が根付いている地域もあり、「お墓は残すべきだ」と考える親族がいる場合は、丁寧な説明が必要です。
話し合いでは「なぜ今、墓じまいが必要なのか」「改葬後はどこでどのように供養するか」「費用の分担はどうするか」の3点を整理して伝えることが大切です。長崎市ならではの坂の多い地形から「高齢になってお参りが難しくなった」という理由は親族にも理解されやすく、墓じまいへの合意を得やすいケースが多くあります。
②お寺・霊園への連絡
お寺のお墓の場合は、まず住職に墓じまいの意向を直接伝えます。電話で事前連絡をしてから、改めて対面でご挨拶するのが丁寧です。閉眼供養(魂抜き)の日程調整や、離檀料についての相談もこのタイミングで行います。市営・民営霊園の場合は、管理事務所に返還手続きを確認します。
長崎市には歴史ある仏教寺院や教会が多く、地域によっては独自の供養習慣が残っている場合もあります。突然の申し出は住職も戸惑うことがあるため、まず電話や手紙で気持ちを伝えてから対面でご挨拶するのがおすすめです。離檀料の目安は3〜20万円程度です。
③改葬先の確保
お骨の新しい受け入れ先を決め、受入証明書を取得する必要があります。改葬先が決まっていないと改葬許可申請の書類が揃わないため、先に改葬先を探しておくことが重要です。長崎市内には永代供養・納骨堂・樹木葬を扱う施設があります。
長崎市から大都市圏に転出した子世代が引き継ぐ場合は、転居先(福岡・大阪・東京など)の近くにある施設を改葬先として選ぶケースも増えています。費用・アクセス・供養スタイルを比較し、家族全員が納得できる改葬先を選ぶことが大切です。
④改葬許可申請(長崎市役所)
お墓が長崎市内にある場合は、長崎市の市民生活部 市民課に改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を取得します。この許可証がないとお骨を移すことができません。改葬許可申請書は窓口または市のホームページから入手でき、埋葬されている方の氏名・没年月日・埋葬場所などを記入する必要があります。
⑤お墓の解体・撤去
改葬許可証を取得したら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。長崎市では坂の多い地形から、斜面にあるお墓は石材店の搬入・搬出に追加費用がかかる場合があります。事前に複数の石材店から見積もりを取ることをおすすめします。斜面のお墓では機材の搬入経路も確認事項の一つとなるため、現地調査を依頼してから見積もりを取得すると正確な金額が把握できます。
⑥新しい供養先へ納骨
解体撤去後、改葬許可証を新しい供養先に提出し、納骨を行います。お寺の場合は開眼供養(魂入れ)を行うケースが多いです。これで墓じまいの一連の手続きが完了します。新しい供養先へのお参りをきっかけに、家族が集まる機会をつくることができたという声もあります。
長崎市での改葬許可申請の手続き
担当窓口と問い合わせ先

長崎市内にあるお墓の改葬許可申請は、以下の窓口で受け付けています。
- 担当部署:市民生活部 市民課
- 電話番号:TEL 095-829-1155
- 申請ページ:長崎市 改葬許可申請について
窓口は平日の開庁時間内に受け付けています。事前に電話で確認してから来庁されることをおすすめします。
必要書類
改葬許可申請に必要な書類は以下のとおりです。窓口または市のホームページで書式を入手できます。
- 改葬許可申請書(長崎市所定の用紙)
- 埋葬証明書または収蔵証明書(現在のお墓の管理者から発行してもらう)
- 受入証明書または永代使用許可証(改葬先から発行してもらう)
- 申請者の身分証明書
お寺のお墓の場合は、住職の署名・捺印が必要になる場合があります。書類の準備には時間がかかることがあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。
申請から許可証交付まで
必要書類が揃っていれば、申請当日〜数日以内に改葬許可証が交付されるのが一般的です。書類に不備があると差し戻しになることがあるため、事前に窓口へ電話で確認すると安心です。改葬許可申請書の記載方法で不明な点は窓口で相談できます。なお、改葬許可申請は本人(または家族)が行う手続きです。手続きの相談は行政書士に依頼することもできます。
長崎市の墓じまい費用の目安

長崎市での墓じまいにかかる費用は、お墓の規模・立地・お寺か公営墓地かの違い・改葬先の種類によって異なります。特に長崎市では坂の多い地形から、斜面のお墓の解体・搬出に追加費用がかかる場合があります。
閉眼供養(魂抜き)・離檀料
お寺のお墓の場合、墓石を解体する前に住職に閉眼供養(魂抜き)を行ってもらいます。この際のお布施の目安は3〜15万円程度です。また、長年お世話になったお寺を離れる際の離檀料の目安は3〜20万円程度です。公営霊園・民営霊園の場合は、閉眼供養・離檀料は原則として不要です。
墓石の解体・撤去費用
石材店に依頼するお墓の解体・撤去費用の目安は10〜40万円程度です。長崎市では急勾配の坂道が多いため、斜面にあるお墓の搬出費用が通常より高くなる場合があります。複数の石材店から見積もりを取ることで、費用の差が把握できます。同じ規模のお墓でも、業者によって1.5〜2倍程度の差が生じることがあります。
改葬先への費用
お骨の移転先への費用は、選択する供養先の種類によって大きく異なります。
- 永代供養墓:10〜100万円程度(合祀か個別かで差がある)
- 納骨堂:30〜150万円程度(ロッカー型〜自動搬送型で差がある)
- 樹木葬:5〜80万円程度(里山型・庭園型で差がある)
- 散骨:5〜30万円程度
総額の目安
これらを合計した墓じまいの総費用の目安は、30〜150万円程度です。詳しい費用の考え方については墓じまいの費用を抑える方法もご参照ください。
長崎市に墓じまいの補助金はある?
2026年時点で、長崎市には墓じまい(改葬)を対象とした補助金・助成金制度はありません。費用を抑えるためには、石材店を複数社比較して相見積もりを取ること、改葬先は合祀型の永代供養墓を選ぶことが有効な方法です。また、永代供養付きの納骨堂・樹木葬を検討することも、長期的な費用を抑える選択肢になります。
長崎市では坂の多い地形から、斜面のお墓は解体・搬出費用が通常より高くなる場合があります。そのため石材店の相見積もりが特に重要です。費用を抑える具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法でも詳しく解説しています。
墓じまい後の供養先の選び方
墓じまい後のお骨の行き先(改葬先)を選ぶ際のポイントを解説します。
永代供養
永代供養は、寺院や霊園が永続的に供養・管理してくれる形式です。承継者がいなくても安心して任せられるため、墓じまい後の改葬先として最も選ばれる選択肢の一つです。合祀型であれば費用を抑えられ、個別安置型であれば一定期間は個別に供養してもらえます。詳しくは墓じまい後の永代供養をご覧ください。
納骨堂
納骨堂は屋内施設でお骨を管理するため、お参りが容易です。長崎市内にも納骨堂があり、坂道を登ってお参りする必要がなくなる点が、長崎市の方には特に便利です。ロッカー型・仏壇型・自動搬送型などタイプによって費用が異なるため、利便性と費用のバランスを比較して選ぶとよいでしょう。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご覧ください。
樹木葬
樹木葬は自然の中に埋葬する方法で、墓石を持たずに済むため管理の手間がかかりません。長崎県内にも樹木葬を扱う施設があります。継承者が不要で管理費も不要なケースが多く、「自然に還りたい」という方に選ばれています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご覧ください。
散骨
散骨は、遺骨を粉末状にして海や山林に撒く方法です。長崎市は海に面した港町で、対馬や五島列島など美しい海域を持ち、海洋散骨を選ぶ方もいます。費用が比較的低く抑えられる点が特徴です。散骨を行う際は専門の散骨業者に依頼し、適切な場所・方法で行うことが大切です。詳しくは墓じまい後の散骨をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 長崎市での改葬許可申請はどこに行けばいいですか?
長崎市にお墓がある場合は、長崎市役所の「市民生活部 市民課」(TEL: 095-829-1155)が窓口です。必要書類を揃えて平日の開庁時間に申請します。書類の準備方法などで不明な点は、事前に電話で相談することもできます。
Q2. 坂の上にあるお墓は墓じまいの費用が高くなりますか?
長崎市の急勾配の斜面にあるお墓は、石材店の搬入・搬出が困難なため、通常より費用が高くなる場合があります。特にクレーン車や特殊機材が必要な場合は追加費用がかかることがあります。複数の石材店から事前に見積もりを取ることを強くおすすめします。
Q3. お寺から高額な離檀料を請求されたらどうすればいいですか?
離檀料の目安は3〜20万円程度です。これを大幅に超える金額を請求された場合は、すぐに応じる必要はありません。まずは落ち着いて住職と話し合い、それでも解決しない場合は専門家(弁護士・行政書士)に相談することができます。離檀料は法律的に義務付けられたものではありませんが、長年お世話になった御礼として相応の金額をお包みするのが一般的なマナーです。
Q4. 長崎市での墓じまいの費用はどのくらいですか?
長崎市での墓じまいの総費用の目安は30〜150万円程度です。主な費用項目は、閉眼供養・離檀料(お寺のお墓の場合:合計3〜35万円程度)、墓石の解体・撤去費用(10〜40万円程度)、改葬先への費用(5〜150万円程度)です。長崎市の坂の多い地形では搬出費用が加算される場合があるため、事前に複数の石材店への相見積もりが特に重要です。
Q5. 親族の反対がある場合はどうすればいいですか?
墓じまいを巡って親族間でトラブルになるケースは少なくありません。「なぜ墓じまいが必要か」という理由(承継者の不在・遠距離管理の困難・坂道での管理の体力的限界・費用負担)を具体的に説明することが大切です。お骨の行き先を丁寧に提案することで、反対する親族の不安を和らげられることがあります。どうしても合意が得られない場合は、専門家に相談することも一つの方法です。
まとめ
長崎市での墓じまいは、急激な人口減少・高齢化・坂の多い地形という長崎市特有の課題を背景に増加しています。手続きは長崎市役所の市民生活部 市民課(TEL: 095-829-1155)が窓口で、改葬許可証の取得が必要です。費用の目安は総額30〜150万円程度ですが、斜面にあるお墓は解体・搬出費用が高くなる場合があるため、複数の石材店から相見積もりを取ることが特に重要です。
墓じまいを進める際は、家族との話し合い・改葬先の選定・複数の石材店への相見積もりという3つのステップを丁寧に進めることが成功の鍵です。長崎市のお墓は坂の多い地形という特有の事情があるため、石材店の選定と現地調査を特に丁寧に行うことをおすすめします。
長崎市外に住んでいる方が長崎市のお墓を墓じまいする場合も、まずは電話で長崎市役所の市民生活部 市民課(TEL: 095-829-1155)に相談してみてください。長崎市の墓じまいで分からないことがあれば、墓じまい完全ガイドもご参照ください。また、長崎県全体の情報は長崎県の墓じまいをご覧ください。




