大分市では、お墓の承継者不在や高齢化を背景に、墓じまい(改葬)を検討する方が増えています。大分市は大分県の県庁所在地で人口約47万人を擁する中核都市ですが、核家族化率56.9%(全国平均54.1%)が示すように、三世代同居が減りお墓を守る担い手が少なくなっています。
この記事では、大分市でお墓の墓じまいを検討している方に向けて、改葬許可申請の窓口情報・手続きの流れ・費用の目安・補助金の有無・改葬後の供養先について詳しく解説します。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。
大分市で墓じまいを検討する人が増えている理由
単身世帯・高齢化・核家族化の実態

大分市の人口・世帯データを全国平均と比較すると、墓じまいが増えている背景が見えてきます。
単身世帯率は36.4%で全国平均38.0%をわずかに下回るものの、核家族化率は56.9%と全国平均54.1%を2.8ポイント上回っています。三世代同居の家族形態が減り、「誰がお墓を継ぐか」という問題が生じやすい家庭構造になっています。
高齢化率は27.9%と全国平均28.7%に近い水準ですが、生涯未婚率は18.5%と一定数の方が独身のまま高齢を迎えます。「自分が亡くなった後、誰もお墓を管理できなくなる」という不安が墓じまいへの動機につながっています。
自分は今も独身で、結婚の予定も特にないですし、このまま歳を取っていったら、自分が亡くなったあとこのお墓はどうなるんだろうって思ったんです。誰も見る人がいなくて無縁仏になってしまうのも、なんだか父に申し訳ない気がして。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
人口動態・遠距離管理の問題
大分市の人口増減率は-0.53%と全国平均-0.75%より減少幅は小さく、県内では比較的安定した都市です。しかし、大分市出身の方が就職や結婚を機に福岡・大阪・東京などの大都市圏に移住した後、大分市に残したお墓の管理に困るケースが増えています。
お盆や彼岸のたびに遠方から帰省してお墓参りをするのは体力的にも費用的にも負担です。「自分の代でお墓を整理しておきたい」という意識が高まっています。
息子が東京に家を買ったんですよ。もう福岡には戻ってこないのが確定したので、この墓を誰が守るんだ?となりました。自分が動ける60歳前の今のうちに、墓じまいしてしまおうと決めました。
墓じまい経験者福岡県・50代・男性
大分市での墓じまいの流れ

①家族・親族への相談
墓じまいは、お墓に関係するすべての親族の合意が重要です。特に「誰がお骨の行き先を決めるか」「費用をどう分担するか」という点は、後のトラブル防止のために最初にしっかり話し合っておきましょう。
「お墓は残すべきだ」という考えを持つ親族がいる場合は、墓じまいの理由(承継者不在・距離的な問題・費用的な負担)を丁寧に伝えることが大切です。実際の経験者の中には、最初は反対されたものの、具体的な事情を説明することで理解を得られたケースが多くあります。
話し合いの際には、「誰がお骨を引き取るか」「閉眼供養はどの宗派でどのようにするか」「費用は誰がどれくらい負担するか」という3点を特に明確にしておくことが重要です。費用の分担方法を事前に決めておかないと、後から親族間でトラブルになることがあります。墓じまいパートナーズの調査では、墓じまいを検討したきっかけとして「承継者がいない」「管理が負担になっている」を挙げる方が多く見られます。早めの話し合いが、家族全員にとって最善の解決策につながります。
②お寺・霊園への連絡
お寺のお墓の場合は、まず住職に墓じまいの意向を直接伝えます。電話や手紙で事前に連絡を入れてから、改めて対面でご挨拶するのが丁寧です。閉眼供養(魂抜き)の日程調整や、離檀料についての相談もこのタイミングで行います。
市営霊園・民営霊園の場合は、管理事務所に連絡し、墓地使用権の返還手続きについて確認します。
住職との話し合いでは、閉眼供養(魂抜き)の日程と費用、離檀料の目安を事前に確認しておくとスムーズです。大分市には歴史ある仏教寺院が多く、住職との丁寧なコミュニケーションが墓じまいを円滑に進める鍵になります。突然の申し出は住職も戸惑うことがあるため、まず手紙や電話で気持ちを伝え、その後に対面で改めてご挨拶するのがおすすめです。
③改葬先の確保
お骨の新しい受け入れ先(改葬先)を決め、受入証明書を取得する必要があります。改葬先が決まっていないと、改葬許可申請の書類が揃わないため、先に改葬先を探しておくことが重要です。改葬先の選択肢としては、永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨などがあります。
大分市内にも複数の供養施設があります。費用・アクセス・供養スタイルを比較しながら、家族全員が納得できる改葬先を選ぶことが大切です。改葬先の候補をいくつかピックアップし、可能であれば見学してから決めることをおすすめします。
④改葬許可申請(大分市役所)
お墓が大分市内にある場合は、大分市の環境部 生活衛生課に改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を取得します。この許可証がないとお骨を移すことができません。改葬許可申請書は窓口または市のホームページから入手でき、埋葬されている方の情報(氏名・没年月日・埋葬場所など)を記入する必要があります。
⑤お墓の解体・撤去
改葬許可証を取得したら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。墓石の解体、遺骨の取り出し、区画の更地化を行います。石材店は複数社から見積もりを取ることで、適切な価格で依頼できます。
⑥新しい供養先へ納骨
解体撤去後、改葬許可証を新しい供養先に提出し、納骨を行います。お寺の場合は開眼供養を行うケースが多いです。これで墓じまいの一連の手続きが完了します。新しい供養先へのお参りをきっかけに、家族が集まる機会をつくることができたという声も多くあります。
大分市での改葬許可申請の手続き
担当窓口と問い合わせ先

大分市内にあるお墓の改葬許可申請は、以下の窓口で受け付けています。
- 担当部署:環境部 生活衛生課
- 電話番号:TEL 097-536-2854
- 申請ページ:大分市 改葬許可申請について
窓口は平日の開庁時間内に受け付けています。事前に電話で確認してから来庁されることをおすすめします。
必要書類
改葬許可申請に必要な書類は以下のとおりです。窓口または市のホームページで書式を入手できます。
- 改葬許可申請書(大分市所定の用紙)
- 埋葬証明書または収蔵証明書(現在のお墓の管理者から発行してもらう)
- 受入証明書または永代使用許可証(改葬先から発行してもらう)
- 申請者の身分証明書
お寺のお墓の場合は、住職の署名・捺印が必要な場合があります。書類の準備には時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。
申請から許可証交付まで
必要書類が揃っていれば、申請当日〜数日以内に改葬許可証が交付されるのが一般的です。書類に不備があると差し戻しになるため、事前に窓口へ電話で確認すると安心です。
改葬許可申請書の記載方法について不明な点がある場合は、窓口で相談することができます。なお、改葬許可申請は本人(または家族)が行う手続きです。手続きの相談は行政書士に依頼することもできます。
大分市の墓じまい費用の目安

大分市での墓じまいにかかる費用は、お墓の規模・お寺か公営墓地かの違い・改葬先の種類によって異なります。以下に各費用項目の目安をまとめます。
閉眼供養(魂抜き)・離檀料
お寺のお墓の場合、墓石を解体する前に住職に「閉眼供養(魂抜き・お性根抜き)」を行ってもらいます。この際のお布施の目安は3〜15万円程度です。また、長年お世話になったお寺を離れる際の「離檀料」の目安は3〜20万円程度です。
公営霊園・民営霊園の場合は、閉眼供養・離檀料は原則として不要です。
墓石の解体・撤去費用
石材店に依頼するお墓の解体・撤去費用の目安は10〜40万円程度です。墓石の大きさ・区画の広さ・立地条件によって変わります。複数の石材店から見積もりを取ることで、費用の差が把握できます。同じ規模のお墓でも、業者によって1.5〜2倍程度の差が生じることがあります。
改葬先への費用
お骨の移転先となる改葬先への費用は、選択する供養先の種類によって大きく異なります。
- 永代供養墓:10〜100万円程度(合祀か個別かで差がある)
- 納骨堂:30〜150万円程度(ロッカー型〜自動搬送型で差がある)
- 樹木葬:5〜80万円程度(里山型・庭園型で差がある)
- 散骨:5〜30万円程度
総額の目安
これらを合計した墓じまいの総費用の目安は、30〜150万円程度です。お墓の規模が小さく、改葬先が合祀の永代供養墓であれば費用を抑えられます。詳しい費用の考え方については墓じまいの費用を抑える方法もご参照ください。
大分市に墓じまいの補助金はある?
2026年時点で、大分市には墓じまい(改葬)を対象とした補助金・助成金制度はありません。費用を抑えるためには、石材店を複数社比較して相見積もりを取ること、改葬先は合祀型の永代供養墓を選ぶことが有効な方法です。また、永代供養付きの納骨堂・樹木葬を検討することも、長期的な費用を抑える選択肢になります。
費用を抑える具体的な方法として、①石材店の相見積もり(3社以上)、②改葬先を合祀型にする、③閉眼供養のお布施はお寺との話し合いで適正な金額に調整するなどが挙げられます。詳しくは墓じまいの費用を抑える方法もご参照ください。
墓じまい後の供養先の選び方
墓じまい後のお骨の行き先(改葬先)を選ぶ際のポイントを解説します。
永代供養
永代供養は、寺院や霊園が責任を持って永続的に供養・管理してくれる形式です。承継者がいなくても安心して任せられるため、墓じまい後の改葬先として最も選ばれる選択肢の一つです。合祀型であれば比較的費用を抑えられ、個別安置型であれば一定期間は個別に供養してもらえます。詳しくは墓じまい後の永代供養をご覧ください。
納骨堂
納骨堂は屋内施設でお骨を管理するため、お参りが容易です。大分市内にもアクセス良好な納骨堂があり、天候に関わらずお参りできる点が高齢の方にも人気です。ロッカー型・仏壇型・自動搬送型などタイプによって費用やお参りのスタイルが異なるため、家族の生活状況に合わせて選ぶことをおすすめします。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご覧ください。
樹木葬
樹木葬は自然の中に埋葬する方法で、墓石を持たずに済むため、管理の手間がかかりません。大分県内にも里山型の樹木葬を扱う施設があります。継承者が不要で管理費も不要なケースが多く、「自然に還りたい」という方に選ばれています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご覧ください。
散骨
散骨は、遺骨を粉末状にして海や山林に撒く方法です。費用が比較的低く抑えられる点が特徴です。大分県は別府湾・豊後水道など美しい海に面しており、海洋散骨を選ぶ方もいます。散骨を行う際は専門の散骨業者に依頼し、適切な場所・方法で行うことが大切です。詳しくは墓じまい後の散骨をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 大分市での改葬許可申請はどこに行けばいいですか?
大分市にお墓がある場合は、大分市役所の「環境部 生活衛生課」(TEL: 097-536-2854)が窓口です。必要書類を揃えて平日の開庁時間に申請します。書類の準備方法などで不明な点は、事前に電話で相談することもできます。
Q2. 墓じまいにはどのくらいの期間がかかりますか?
墓じまいの準備開始から完了まで、一般的に3〜6ヶ月程度かかります。家族の合意形成・改葬先の選定・書類の準備・石材店の手配などを並行して進める必要があります。お寺への相談から石材店への依頼まで、それぞれに時間がかかるため、余裕を持ってスケジュールを組むことをおすすめします。
Q3. お寺から高額な離檀料を請求されたらどうすればいいですか?
離檀料の目安は3〜20万円程度です。これを大幅に超える金額を請求された場合は、すぐに応じる必要はありません。まずは落ち着いて住職と話し合い、それでも解決しない場合は専門家(弁護士・行政書士)に相談することができます。離檀料は法律的に支払いが義務付けられたものではありませんが、長年お世話になった御礼として相応の金額をお包みするのが一般的なマナーです。
Q4. 大分市での墓じまいの費用はどのくらいですか?
大分市での墓じまいの総費用の目安は30〜150万円程度です。主な費用項目は、閉眼供養・離檀料(お寺のお墓の場合:合計3〜35万円程度)、墓石の解体・撤去費用(10〜40万円程度)、改葬先への費用(5〜150万円程度)です。費用を抑えるには、石材店の相見積もりと、合祀型の永代供養墓を選ぶ方法が有効です。
Q5. 親族の反対がある場合はどうすればいいですか?
墓じまいを巡って親族間でトラブルになるケースは少なくありません。「なぜ墓じまいが必要か」という理由(承継者の不在・遠距離管理の困難・費用負担)を具体的に説明することが大切です。また、お骨の行き先を丁寧に提案することで、反対する親族の不安を和らげられることがあります。どうしても合意が得られない場合は、専門家に相談することも一つの方法です。
まとめ
大分市での墓じまいは、核家族化や高齢化を背景に増加しています。手続きは大分市役所の環境部 生活衛生課(TEL: 097-536-2854)が窓口で、改葬許可証の取得が必要です。費用の目安は総額30〜150万円程度で、お墓の規模・改葬先の種類によって変わります。
墓じまいを進める際は、家族との話し合い・改葬先の選定・複数の石材店への相見積もりという3つのステップを丁寧に進めることが成功の鍵です。「今すぐ急いで進める必要はないが、気持ちが動いているうちに動き出す」というタイミングが、実際に墓じまいを完了した方の多くが振り返って語ることでもあります。
大分市での手続きの詳細は大分市役所の環境部 生活衛生課(TEL: 097-536-2854)に直接お問い合わせください。大分市の墓じまいで分からないことがあれば、墓じまい完全ガイドもご参照ください。また、大分県全体の情報は大分県の墓じまいをご覧ください。




