大阪市で墓じまいを検討する人が増えている理由
当社(墓じまいパートナーズ)が実施した墓じまい実態調査2026によると、墓じまいを検討したきっかけで最も多かったのは「遠方のため」(47.8%)、次いで「墓参りが難しくなった」(37.8%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)。
大阪府全体では年間数千件規模の改葬(遺骨の移転)が行われており、大阪市もその流れの中にあります。承継者の問題や生活環境の変化を背景に、墓じまいを検討する方が増えています。
高齢化・未婚化の実態(4指標)
2020年の国勢調査をもとに、大阪市の現状を4つの指標で確認します。
高齢化率:25.5%(全国平均28.7%)
全国平均より低いものの、4人に1人以上が65歳以上という状況です。高齢になるにつれてお墓の管理が難しくなり、「元気なうちに整理しておきたい」という動機から墓じまいを検討する方が増えています。
生涯未婚率(50〜54歳):24.3%(全国平均19.7%)
全国平均を大きく上回る水準です。4人に1人が未婚のまま50代を迎えており、「将来お墓を引き継ぐ子がいない」という問題が現実的な課題になっています。
核家族化率:42.2%(全国平均54.1%)
全国平均より低い数値ですが、これは単身世帯の多さが影響しています。単身世帯を除く家族世帯のなかでは核家族が多く、多世代同居の家庭は少数派です。
単身世帯率:53.6%(全国平均38.0%)
全国平均を15ポイント以上上回る、突出した数字です。大阪市全体で見ると、2世帯に1世帯以上が一人暮らしという状況であり、「自分が亡くなった後、誰もお墓を守れなくなる」という不安の声は多くの方に共通しています。
家族のかたちの変化
大阪市の人口増減率(2015→2020年)は+2.28%(全国平均-0.75%)と、全国の減少傾向に反して人口増を続けており、都市としての活力は健在です。一方で単身世帯の増加や未婚率の上昇により、「お墓を代々引き継ぐ」という従来の前提が成り立ちにくくなってきています。「子どもや孫に面倒をかけたくない」という思いが、生前からの墓じまいを後押ししています。
墓じまい実態調査2026 — 回答者の声
自分の子供世代に荷物を押し付けたく無い、宗教家への不信感
墓じまい検討中愛知県・56歳・男性

大阪市での墓じまいの流れ
墓じまいは「①家族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。各ステップのポイントを確認しておきましょう。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族全員への相談です。墓じまいはお墓という共有の場所に関わる話であるため、一人の判断で進めると後々トラブルになることがあります。全員の合意を得てから次のステップへ進みましょう。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。唐突に切り出すのではなく、「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」など事情を誠実に伝えることが円満な墓じまいへの近道です。民間霊園・公営墓地の場合は管理事務所へ連絡して、返還手続きの流れを確認します。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。大阪市への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができませんので、この順番を守ることが手続きをスムーズに進めるポイントです。
④ 大阪市への改葬許可申請
改葬先が決まったら、お墓がある区の区役所 窓口サービス課(戸籍担当)に改葬許可申請を行います。窓口提出のほか、郵送申請も可能です。詳しくは次の章で解説します。改葬許可証は基本即日、長くても1週間程度で交付されます。書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前に電話で必要書類を確認するのが確実です。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。その前に、お寺で閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。費用は石材店によって差が出るため、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。
墓じまい実態調査2026 — 回答者の声
手続きがややこしい、わからない事が多くて、時間がかかった
墓じまい経験者大阪府・49歳・女性
書類の準備に想像以上に時間がかかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。

大阪市での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。大阪市での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
大阪市では、お墓がある区の区役所 窓口サービス課(戸籍担当)が申請窓口です。大阪市は24の区に分かれており、現在のお墓が所在する区の区役所に問い合わせてください。窓口提出のほか、郵送申請も可能です(返信用封筒に必要な切手を貼り、返信先住所を記入して同封。申請者の本人確認書類のコピーと日中連絡の取れる電話番号の記載が必要)。訪問前に電話で必要書類の準備について確認してから向かうと、書類不備を防ぐことができます。

大阪市の各区役所の連絡先は、大阪市公式サイトでご確認ください。
必要書類
申請に必要な書類は以下のとおりです。事前に現在の墓地管理者と改葬先にも連絡し、書類を準備しておきましょう。
- 改葬許可申請書(大阪市所定の書式・市公式サイトからダウンロード可)
- 納骨証明書(現在の墓地・納骨堂の管理者が発行。墓地使用者氏名・納骨されている方の俗名・死亡日・墓地等の所在地と名称・管理者氏名が記載されたもの)
- 改葬先の受入承諾書(新しい供養先が発行)
- 承諾書(墓地使用者と申請者が異なる場合)
- 委任状+代理人の本人確認書類(代理人申請時)
- 返信用封筒(郵送申請時。返信先住所記入・必要な切手貼付)
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、内容に不備がなければ即日〜数日程度で改葬許可証が交付されます。書類不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前に電話で必要書類を確認するのが確実です。
なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。
大阪市の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、お墓本体を撤去する費用、お寺のお墓の場合に発生する供養・檀家関連の費用、そして新しい供養先にかかる費用に分かれます。それぞれの目安を、発生頻度の高いものから順に確認しておきましょう。
お墓の解体・撤去費用(石材店への依頼)
墓石の解体・撤去と区画の更地化を石材店に依頼する費用です。一般的な家庭墓であれば10〜40万円程度が目安で、墓石のサイズ・基礎の構造・霊園内での搬出経路(重機が入れるか等)によって変動します。石材店ごとに費用は1.5〜2倍ほどの開きが出ることがあるため、相見積もりで比較するのが基本です。お寺・霊園が指定する石材店がある場合は、その石材店に依頼することが基本になります。指定がない場合は、複数社から相見積もりを取り、解体範囲(基礎の撤去・残土処分・運搬・産業廃棄物処分料)を比較しましょう。
閉眼供養(魂抜き)のお布施
お墓を解体する前に、住職に依頼してお墓に宿った魂を抜く閉眼供養を行うのが一般的です。お布施の目安は3〜15万円程度です。お寺のお墓に限らず、仏式で供養してきたお墓の場合は実施するケースが多くあります。閉眼供養当日のお車代・お膳料が別途必要なお寺もあります。
改葬先(新しい供養先)への費用
新しい供養先にかかる費用は、選ぶ形態によって5〜150万円と幅があります。永代供養墓は10〜100万円程度、納骨堂は30〜150万円程度、樹木葬は5〜80万円程度、散骨は5〜30万円程度が目安です。費用だけでなく、お参りのしやすさ・管理体制・宗教宗派の制約も含めて比較しましょう。
離檀料(お寺のお墓の場合のみ)
離檀料は檀家をやめる際にお寺へ支払う費用ですが、実際には請求しないお寺の方が多く、請求がなければ発生しません。請求の有無や金額はお寺によって異なり、請求された場合の相場は20万円程度までです。閉眼供養や法要に対するお布施(3〜15万円程度)とは別に発生する費用です。なお離檀料は法的な支払い義務があるものではないため、法外な金額を請求された場合は住職と丁寧に話し合うか、場合によっては弁護士に相談するのも一つの手です。民間霊園・公営墓地のお墓には離檀料は発生しません。
総額の目安
上記を合わせた総額は30〜150万円程度が目安です。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても大きく変わります。費用感を早めに把握し、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

大阪市に墓じまいの補助金はある?
結論からお伝えすると、2026年時点で大阪市には墓じまい(改葬)に対する補助金・助成金制度はありません。最新情報は大阪市公式サイトでご確認ください。
費用を抑えるためにできること
補助金がない分、費用を工夫することが大切です。石材店は複数社から相見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。供養先も合祀型の永代供養や散骨など、費用を抑えやすい選択肢があります。離檀料については、高額な請求があった場合は冷静に話し合うことが重要で、法的な支払い義務はありません。
具体的な節約方法は墓じまいの費用を抑える方法をご参照ください。
大阪市の市設霊園・公営合葬墓
大阪市が維持管理する市設霊園は10か所あります。泉南メモリアルパーク・瓜破霊園・服部霊園・南霊園・北霊園・住吉霊園・千躰霊園・松原霊園・平野霊園・加美霊園です。改葬先として注目すべきは、承継者を要さない瓜破霊園 合葬式墓地(2010年3月開設)です。
瓜破霊園 合葬式墓地(大阪市平野区)には3種類のプランがあります。
- 直接合葬型:1体50,000円(最初から共同で埋蔵)
- 10年個別保管型:1体100,000円(10年個別保管後に合葬)
- 20年個別保管型:1体150,000円(20年個別保管後に合葬)
承継不要のため、改葬先として有力な選択肢です。最新の募集情報・申込条件は大阪市設霊園 合葬式墓地公式または大阪市公式(市設霊園)でご確認ください。なお当サイトは大阪市と関係のない民間サイトです。墓じまいへの補助金は現時点では設けられていません。
墓じまい後の供養先の選び方
大阪市内および周辺エリアには多様な供養施設があります。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。費用は数十万円程度が目安です。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。大阪市内およびアクセスしやすい場所にも多数あり、管理の手間がかからない点が特徴です。費用は数万〜数十万円程度と幅があります。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。大阪近郊にも施設が増えており、アクセスしやすい選択肢が広がっています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。費用を抑えやすく、自然に還るという考え方から選ぶ方もいます。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、ご家族で話し合って決めることをおすすめします。
よくある質問
大阪市での改葬許可申請は自分でできますか?
はい、自分で申請できます。お墓がある区の区役所 窓口サービス課(戸籍担当)が窓口で、窓口提出のほか郵送申請も可能です。必要書類は①改葬許可申請書②納骨証明書(現在の墓地管理者発行)③改葬先の受入承諾書④承諾書(墓地使用者と申請者が異なる場合)⑤委任状+代理人の本人確認書類(代理人申請時)が基本です。書類の準備や手続きに不安がある場合は、行政書士に相談する方法もあります。
大阪市での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって費用構成が異なります。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられる場合もあります。
大阪市に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、大阪市に墓じまい専用の補助金・助成金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。最新情報は大阪市公式サイトでご確認ください。
お寺以外(民間霊園・公営墓地)の場合、手続きは違いますか?
改葬許可申請の手続き自体は同じです。お寺のお墓と異なり、離檀料が発生しないケースがほとんどです。霊園の管理事務所に返還手続きを確認した上で、お墓がある区の区役所へ改葬許可申請を進めてください。
遠方に住んでいても大阪市の墓じまいはできますか?
できます。改葬許可申請の窓口への訪問は必要ですが、書類の事前確認を電話やメールで行うことで訪問回数を減らすことが可能です。石材店との調整も、写真やメールでのやり取りに対応している業者を選ぶと便利です。
まとめ:大阪市で墓じまいを進めるために
大阪市での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 単身世帯率53.6%・生涯未婚率24.3%(いずれも全国平均を大幅に上回る)という大阪市の実情から、承継者不在の問題は他の地域より身近です。早めの検討が将来の安心につながります。
- 墓じまいは「家族への相談→お寺・霊園への連絡→改葬先の確保→行政手続き→解体・撤去→納骨」の順に進めます。改葬先を先に決めておくことが手続きの基本です
- 改葬許可申請の窓口は、お墓がある区の区役所 窓口サービス課(戸籍担当)。大阪市は24区あるため、現在のお墓が所在する区を確認してから問い合わせましょう。窓口提出のほか郵送申請も可能です。
- 申請に必要な書類は①改葬許可申請書②納骨証明書③改葬先の受入承諾書④承諾書(墓地使用者と申請者が異なる場合)⑤委任状+代理人の本人確認書類(代理人申請時)が基本。改葬先を先に決めてから申請を進めましょう。
- 補助金は2026年時点でなし。費用は複数社の相見積もりや供養先の選択で調整できます。
- 大阪市営の公営合葬墓として、瓜破霊園 合葬式墓地(直接合葬型1体50,000円・10年個別保管型100,000円・20年個別保管型150,000円・承継不要)が改葬先候補になります。
墓じまいは一度で完了する手続きではなく、家族との話し合い・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずはご家族で現状を共有し、窓口や石材店へ相談してみることが第一歩です。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。
近隣市の墓じまい情報については、堺市の墓じまい、豊中市の墓じまい、吹田市の墓じまい、京都市の墓じまいもあわせてご覧ください。大阪府全体の手続き・費用については大阪府の墓じまいもご参照ください。