沖縄県で墓じまいをするには?改葬件数の推移・手続き・費用を解説
沖縄県では、墓じまい(改葬)の件数が近年急増しています。厚生労働省の衛生行政報告例によると、2023年度の改葬件数は4,983件と統計史上最多を記録し、死亡件数に対する改葬件数の割合(対死亡比)は30.96%と全国平均11.1%の約2.8倍に達しました。2020年度にも4,521件・対死亡比33.32%という突出した水準を記録しており、沖縄県では近年、墓じまいが急速に進んでいます。
沖縄県は高齢化率22.6%(全国平均28.7%より6.1ポイント低い)と全国で最も若い県であり、人口増減率+2.37%と唯一人口が増えている県です。それにもかかわらず墓じまいが増えているのは、亀甲墓(カメーコーバカ)と呼ばれる琉球独自の大型石造り墓の維持管理コストの高さ、離島のお墓管理の困難さ、生涯未婚率21.7%(全国+2.0pt)という継承者不在の問題、都市化・核家族化の進行など、沖縄特有の事情が背景にあります。
この記事では、沖縄県で墓じまいを検討している方に向けて、改葬件数の推移と背景・亀甲墓を含む手続きの注意点・主要市区町村の改葬許可申請窓口(那覇市・沖縄市・うるま市・宮古島市・石垣市)・費用の目安・補助金の有無を詳しく解説します。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

沖縄県で墓じまいを検討する人が増えている理由
若い県でも墓じまいが増える沖縄特有の背景
沖縄県は高齢化率22.6%と全国で最も若い県であり、人口増減率+2.37%と全国で唯一人口が増えています。単身世帯率37.4%は全国平均38.0%をわずかに下回っています。このような人口統計だけを見ると「墓じまいはそれほど増えないはず」とも思えますが、沖縄の改葬件数は全国平均を大幅に上回って推移しています。
この背景にあるのが、沖縄独自の墓文化です。沖縄県には「亀甲墓(カメーコーバカ)」と呼ばれる琉球独自の大型石造り墓があります。亀甲墓は一族(門中=ムンチュー)の複数代の遺骨をまとめて納める大きな構造物で、維持管理に大きな費用がかかる場合があります。都市化・核家族化が進み、一族全体で墓を維持する仕組みが崩れてくると、維持費を誰が負担するか・老朽化した墓を誰が修繕するかという問題が発生し、墓じまいを選ぶケースが増えています。
また、沖縄県には宮古島・石垣島・久米島・伊江島・南大東島など多くの離島があります。離島から本土や那覇市へ移住した方が帰省のたびにお墓を管理することへの負担も、墓じまいの動機になっています。
生涯未婚率と継承者問題
沖縄県の生涯未婚率は21.7%(全国平均19.7%より2.0ポイント高い)で、独身のまま年齢を重ねる方が全国平均より多い傾向があります。核家族化率55.2%(全国平均54.1%より1.1ポイント高い)とあわせて考えると、一族全体で大きな亀甲墓を維持してきた従来の仕組みが崩れていることがわかります。「自分が亡くなった後、誰が門中墓を守るのか」「一族の中でお墓を引き継ぐ人がいない」という問題意識から、早めに墓じまいを決断する方が増えています。
子どもが遠方に住んでおり、将来的に墓の管理ができないと感じ墓じまいを決意しました。手続きは思ったより複雑でしたが、終わった後はとても気持ちが楽になりました。
墓じまい経験者神奈川県・60代・女性
改葬件数の推移と対死亡比
沖縄県の改葬件数は2015年度1,371件(対死亡比11.3%)から2023年度4,983件(対死亡比30.96%)へと約3.6倍に増えました。特に2020年度は4,521件・対死亡比33.32%と突出した数値を記録しました。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で帰省や墓参りが制限されたことで、「もう島のお墓を管理するのが難しい」という意識が高まった可能性があります。2023年度が統計史上最多の4,983件・対死亡比30.96%を記録しており、沖縄県では全国平均を大幅に上回る速さで墓じまいが進んでいます。
対死亡比が全国平均11.1%の約2〜3倍を推移しているのは、亀甲墓・門中墓特有の管理問題に加え、宮古島・石垣島などの離島から那覇市・本土への人口移動が続いていることが要因と考えられます。

自分は今も独身で、結婚の予定も特にないですし、このまま歳を取っていったら、自分が亡くなったあとこのお墓はどうなるんだろうって思ったんです。誰も見る人がいなくて無縁仏になってしまうのも、なんだか父に申し訳ない気がして。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
沖縄県での墓じまいの流れ
墓じまいの基本的な流れは全国共通ですが、沖縄県の場合は亀甲墓・門中墓(一族の共同墓)のケースでは、一族(門中)の合意形成が特に重要になります。また、離島にお墓がある場合も石材店の手配や手続きに特別な配慮が必要です。開始から完了まで一般的に3〜6か月程度、一族での合意形成が必要な場合はさらに時間がかかることもあります。

墓じまいの詳しい流れは墓じまいの流れを8ステップで解説もあわせてご参照ください。
①家族・親族への相談
沖縄県の場合、亀甲墓・門中墓は一族(門中)全体の共有財産・文化的象徴として大切にされてきた経緯があります。そのため、家族だけでなく門中全体の合意が必要になるケースがあります。「亀甲墓を壊す」ことへの反発も生じやすいため、感情的な対立を避けながら、「維持費・管理の現実的な問題」「門中全体で費用を分担できるか」「遺骨の移転先」などを丁寧に説明して合意を得ることが大切です。
叔父や叔母にも相談を兼ねて報告しましたが、昔ながらの考えが強い人もいて「お墓は残すべきだ」と反対されて気まずい空気でした。それでも、私達姉妹の状況や子供世代の負担を説明すると、最終的には「仕方ないねー。時代だね」と理解してもらえました。
墓じまい経験者神奈川県・50代・女性
②お寺・霊園への連絡
沖縄県はもともと仏教徒よりも民間信仰(ユタ文化・琉球神道)や浄土真宗の信徒が多く、本土のように「お寺の住職に相談する」という流れとは異なるケースもあります。お寺の檀家の場合は住職に連絡し、公営霊園・民間霊園の場合は管理事務所に連絡します。亀甲墓が個人所有の場合は直接手続きが進められますが、門中の共有財産の場合は門中全体の代表者を通して手続きを進めることが必要です。
怒られたり、高いお金を請求されたらどうしようと思って、菓子折りを持って夫と一緒に挨拶に行きました。事情を話すと、ご住職は嫌な顔ひとつせず「娘さんたちのことを考えるのは親心ですよ」と優しく言ってくださいました。
墓じまい経験者愛知県・50代・女性
③改葬先の確保
改葬許可申請には、移転先(改葬先)が決まっていることが必要です。那覇市・沖縄市・宮古島市・石垣市には永代供養墓・納骨堂・霊園があります。亀甲墓に複数代分の多くの遺骨が納められている場合は、移転先が全員分の遺骨を受け入れられる規模かどうかを事前に確認しておくことが大切です。
④改葬許可申請
現在のお墓がある市区町村の役所・役場に「改葬許可申請書」を提出します。亀甲墓に複数の遺骨がある場合は、遺骨1体につき1枚の申請書が必要になるケースがあります。書類の詳細は次の「沖縄県での改葬許可申請の手続き」セクションで解説します。
⑤お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店に解体・撤去を依頼します。亀甲墓は大型の石造り構造物のため、解体費用は本土の一般的な墓石より高額になる傾向があります。複数社から相見積もりを取り、費用だけでなく亀甲墓の解体経験があるかも確認して選ぶことをおすすめします。離島にお墓がある場合は、石材店の渡航費が追加になる場合があります。
⑥新しい供養先へ納骨
取り出した遺骨を改葬先へ移して納骨します。亀甲墓に代々の遺骨が納められている場合は、骨の判別が難しい場合もあります。改葬先が合祀型の永代供養の場合は、すべての遺骨を一緒に納めることができます。各遺骨を個別に改葬する場合は、骨壺の数分の手続きが必要となります。事前に改葬先に確認しておきましょう。
沖縄県での改葬許可申請の手続き
改葬(墓じまいによる遺骨の移転)を行うには、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、現在のお墓がある市区町村から改葬許可証を取得することが法律で義務付けられています。手続きは現在のお墓がある市区町村の窓口で行います。
沖縄県内の主要市区町村 改葬許可申請窓口
市区町村 | 担当部署 | 電話番号 | 申請ページ |
|---|---|---|---|
那覇市 | 市民文化部 環境部 環境政策課 | TEL: 098-862-9840 | |
沖縄市 | 市民部 環境課 | TEL: 098-939-1212(代) | |
うるま市 | 市民部 生活環境課 | TEL: 098-973-5487 | |
宮古島市 | 市民生活局 環境部 生活環境課 | TEL: 0980-73-1234(代) | |
石垣市 | 市民生活課 | TEL: 0980-82-1111(代) |
上記以外の市区町村については、各市区町村の公式ウェブサイトで「改葬許可申請」を検索するか、市区町村の環境課・衛生課・市民課に直接お問い合わせください。離島の市区町村(久米島町・渡名喜村・座間味村・南大東村・北大東村・与那国町など)については、島の役場窓口が改葬許可申請の窓口になります。

必要書類
改葬許可申請に必要な書類は市区町村によって多少異なりますが、一般的に以下が必要です。
亀甲墓・門中墓に複数代の遺骨が納められている場合、遺骨1体につき1枚の申請書が必要となるケースがあります。遺骨の数が多い場合は事前に窓口に相談し、書類の準備方法を確認しておくことをおすすめします。また、亀甲墓の場合は「誰が申請者か」(所有者・門中の代表者など)を確認しておくことも大切です。
申請から許可証交付まで
書類を窓口に提出してから改葬許可証の交付まで、通常は即日〜1週間程度かかります。書類に不備があると再提出が必要になるため、事前に必要書類を確認してから窓口に向かいましょう。改葬許可証は石材店による解体工事の前に取得し、納骨時には移転先に提出する必要があります。大切に保管しておいてください。
平日は仕事で休めないので、役所の手続きが一番きつかったです。お墓のあった市役所まで行かないと改葬許可証がもらえないと言われて、有給をなんとか取って行きました。手続きのことなんて誰も教えてくれないし、ネットで調べながら一人で進めるのは心細かったです。
墓じまい経験者東京都・20代・女性
仕事の都合などで平日に役所へ行きにくい場合は、事前に電話で必要書類を確認し、一度の訪問で手続きが完了するよう準備することをおすすめします。離島の役場へ行く場合は、船便・航空便のスケジュールも考慮したうえで日程を組んでください。
沖縄県の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は「離檀料・閉眼供養」「お墓の解体・撤去」「改葬先への費用」の3つに大きく分かれます。沖縄県では亀甲墓(大型石造り墓)の解体費用が本土の一般的な墓石より高くなる傾向があるため、早めに複数の石材店から見積もりを取り比較することが特に重要です。
費用の詳細については墓じまい費用はいくら?もあわせてご確認ください。

離檀料・閉眼供養(お寺のお墓の場合)
沖縄県は仏教寺院への帰属(檀家制度)が本土ほど一般的でない地域もありますが、お寺のお墓(寺院墓地)から墓じまいをする場合は、遺骨を取り出す前に「閉眼供養(魂抜き)」をお願いするのが一般的です。お布施の目安は3〜15万円程度です。また、お寺の檀家をやめる際に「離檀料」として3〜20万円程度を納めるケースがあります。亀甲墓など民間墓地・個人所有の墓地の場合は離檀料は発生しません。
石材店への解体・撤去費用
お墓の解体・撤去には石材店への費用として10〜40万円程度かかるのが一般的ですが、亀甲墓の場合は構造が大きく複雑なため、これより高額になることがあります。亀甲墓の解体経験がある石材店を選ぶことが重要で、必ず複数社から相見積もりを取って比較することをおすすめします。離島のお墓の場合は石材店の渡航費が追加費用となる場合があります。
霊園の規約で指定石材店しか使えなかったので、他社との相見積もりができなかったのが一番のストレスでした。業者から出された見積もりが適正価格なのか判断しづらくて、言い値で進めるしかないのがすごくモヤモヤしましたね。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
改葬先への費用
移転先となる改葬先の種類によって費用は大きく異なります。
- 永代供養墓:10〜100万円程度(合祀か個別かで差がある)
- 納骨堂:30〜150万円程度(ロッカー型から自動搬送型まで幅がある)
- 樹木葬:5〜80万円程度(里山型・庭園型で差がある)
- 散骨:5〜30万円程度(海洋散骨・山林散骨で差がある)
亀甲墓に複数代・複数体の遺骨が納められている場合、すべての遺骨を合祀型永代供養に移転すれば、個別の納骨より費用を抑えられることがあります。
総額の目安
離檀料・解体費用・改葬先への費用を合計した墓じまいの総額は、30〜150万円程度が目安です。亀甲墓の場合は解体費用が高くなる可能性があるため、総額が上振れするケースもあります。事前に費用の全体像を把握した上で計画を立てることをおすすめします。費用全体の内訳については墓じまい費用はいくら?で詳しく解説しています。
沖縄県に墓じまいの補助金はある?
2026年時点で、沖縄県内の市区町村において墓じまいに直接充てられる補助金制度は確認できませんでした。墓じまいは個人・一族の財産・文化的事情に関わる行為であり、行政が費用を補助する制度は全国的にも一般的ではありません。補助金制度の新設・変更は随時行われる可能性がありますので、最新情報はお墓のある市区町村の担当窓口に直接確認することをおすすめします。
費用の負担を少しでも抑えるためには、以下の方法を検討してみてください。
- 亀甲墓の解体経験がある複数の石材店に相見積もりを取る:沖縄では亀甲墓の解体に対応できる石材店を探し、複数社に見積もりを依頼することが特に重要です。
- 門中全体で費用を分担する:門中(一族)の共有墓地の場合は、墓じまいの費用を門中全体で分担することで一人あたりの負担を軽減できます。
- 合祀型の永代供養を選ぶ:複数の遺骨をまとめて合祀型の永代供養に移転すると、個別納骨より費用を抑えられることがあります。
- 散骨を検討する:海洋散骨は5〜30万円程度と費用を抑えやすい選択肢です。沖縄本島周辺や宮古・八重山の海での海洋散骨も業者を選べば可能です。
- 離島の石材店も探す:離島にお墓がある場合は、本土の石材店を使うより地元の離島の業者の方が渡航費を省けて安くなる場合もあります。
墓じまい後の供養先の選び方
墓じまいをした後は、遺骨を新しい場所に移す必要があります。沖縄県では那覇市・沖縄市・宮古島市・石垣市を中心に複数の選択肢があります。亀甲墓・門中墓に納められていた多くの遺骨を移転する場合は、すべての遺骨を受け入れられる規模の施設を選ぶことが重要です。「お参りのしやすさ」「費用」「継承者の有無」など、ご自身とご家族の状況に合った供養先を選んでください。
永代供養墓
永代供養墓は、霊園やお寺が永続的に供養を続けてくれる墓のスタイルです。個別に区画を設けるものと、他の方の遺骨と一緒に納める合祀型があります。費用の目安は10〜100万円程度で、合祀型は比較的安価です。亀甲墓に多くの遺骨が納められている場合も、合祀型なら一括で移転できます。後継者がいなくても供養が継続されるため、沖縄県内でも選ぶ方が増えています。詳しくは墓じまい後の永代供養についてをご確認ください。
納骨堂
納骨堂は建物の中に遺骨を安置する施設です。ロッカー型・仏壇型・自動搬送型などがあり、那覇市内には複数の納骨堂があります。費用の目安は30〜150万円程度で、屋内のためお参りしやすく、亜熱帯気候の沖縄では雨天・猛暑の日でも快適にお参りできるのが特徴です。詳しくは墓じまい後の納骨堂についてをご確認ください。
樹木葬
樹木葬は、樹木の根元や自然の中に遺骨を埋葬するスタイルです。費用の目安は5〜80万円程度と幅があります。沖縄県の豊かな自然に囲まれた環境での樹木葬は、故人の意向に合う場合もあります。詳しくは墓じまい後の樹木葬についてをご確認ください。
散骨
散骨は遺骨を粉末状にして海や山林などに撒く供養の形です。費用の目安は5〜30万円程度と比較的安価です。沖縄本島・宮古・八重山の美しい海での海洋散骨を選ぶ方もいます。散骨に法的制限はありませんが、自治体のルールや散骨業者のガイドラインに従って行う必要があります。詳しくは墓じまい後の散骨についてをご確認ください。
供養先を選ぶ際には、「自分が元気なうちにお参りできる距離か」「将来的に子世代も維持・管理できるか」という視点が重要です。亀甲墓・門中墓を整理する場合は、門中全体の意向を踏まえながら、継承不要の合祀型永代供養や散骨など将来的な負担がない選択肢を検討することも一つの方法です。
息子に「墓のことは俺の代で片付けたから心配すんな」と報告できた時はホッとしました。新しい納骨堂は空調が効いた室内のロッカーみたいな場所なので、天候に関係なく手ぶらでお参りできるのが本当に快適です。
墓じまい経験者福岡県・50代・男性
沖縄県の墓じまいでよくある質問
Q. 沖縄の亀甲墓(カメーコーバカ)を墓じまいするにはどうすればよいですか?
基本的な流れは一般的な墓じまいと同じです。ただし、亀甲墓は門中(一族)の共有財産であるケースが多いため、門中全体の合意を得ることが重要です。また、亀甲墓は大型の石造り構造物なので、解体経験のある石材店を選ぶことが大切です。複数代にわたる遺骨が納められている場合は、移転先の手配と改葬許可申請の手続きを遺骨の数分行う必要があります。事前に担当窓口(那覇市・各市区町村の環境課等)に相談して手続きの流れを確認しておくことをおすすめします。
Q. 沖縄県の改葬件数はなぜ増えているのですか?
沖縄県は全国最低の高齢化率22.6%で人口も増えていますが、亀甲墓・門中墓の維持管理コストが高いこと、離島から那覇市・本土への人口移動が続いていること、生涯未婚率21.7%(全国+2.0pt)と継承者不在のケースが増えていることが主な要因です。2020年にはコロナ禍で帰省が制限され、離島のお墓管理への意識変化が改葬増加につながった可能性もあります。
Q. 那覇市以外の市区町村でも改葬許可申請ができますか?
はい、改葬許可申請は現在のお墓がある市区町村で行うものですので、那覇市以外でも手続きができます。沖縄市・うるま市・宮古島市・石垣市など沖縄県内の各市区町村に担当窓口があります。離島(久米島・渡名喜・南大東・北大東・与那国など)のお墓の場合は、各島の役場が窓口です。各窓口の連絡先は「沖縄県での改葬許可申請の手続き」セクションの表をご参照ください。
Q. 墓じまいの費用を抑えるにはどうすればよいですか?
費用を抑えるポイントは主に3つあります。第一に、亀甲墓の解体経験がある複数の石材店に相見積もりを依頼することです。第二に、複数の遺骨をまとめて合祀型の永代供養に移転すること(個別納骨より安価になる場合があります)。第三に、門中全体で費用を分担する方法を相談することです。なお、2026年時点で沖縄県内に墓じまいへの補助金制度はありません。
Q. 墓じまいは自分で手続きできますか?
改葬許可申請の書類記入・提出などは基本的にご自身で行うことができます。亀甲墓の場合は遺骨が多数ある場合も多く、手続きが複雑になることがあります。書類作成の専門的なサポートが必要な場合は行政書士に相談する方法もあります。また、石材店への依頼・遺骨の搬送・新しい供養先との調整など、複数の関係者との連絡が必要なため、計画的にスケジュールを組むことが大切です。
Q. 離島(宮古島・石垣島など)のお墓の場合、特別な注意点はありますか?
離島にお墓がある場合は、改葬許可申請を離島の市区町村役場で行います(例:宮古島市・石垣市など)。石材店は離島対応可能な業者を探す必要があり、対応可能な業者が限られる場合があります。遺骨を本土や那覇市の改葬先に移送する際は、フェリーや航空機の利用が必要です(事前に運送方法を確認)。各ステップで通常より時間がかかるため、早めに計画を立てて進めることをおすすめします。
まとめ
沖縄県の墓じまい(改葬)件数は2023年度に4,983件・対死亡比30.96%と統計史上最多を記録しました。沖縄県は全国最低の高齢化率22.6%・唯一の人口増加県(+2.37%)でありながら、亀甲墓・門中墓の維持管理問題、離島からの人口移動、生涯未婚率21.7%(全国+2.0pt)という継承者不在の問題が重なり、全国平均を大幅に上回る改葬件数を維持しています。
沖縄県で墓じまいを進める主なポイントは以下のとおりです。
- 亀甲墓・門中墓の場合は門中全体の合意形成が重要。一族が集まる清明祭(シーミー)などのタイミングを活用して話し合いの場を設けるのも有効
- 手続きは現在のお墓がある市区町村の窓口(環境課・衛生課・市民課など)で改葬許可申請を行う。離島のお墓は離島の役場が窓口
- 必要書類:改葬許可申請書・埋葬証明書・受入証明書・本人確認書類(遺骨が多数ある場合は各遺骨分が必要なケースあり)
- 費用の目安:総額30〜150万円程度(亀甲墓の解体は費用が上振れする場合あり)
- 2026年時点で補助金制度はないが、合祀型永代供養・散骨などで費用を抑えられる場合がある
沖縄独自の墓文化を大切にしながら、現代の生活様式に合った供養の形に移行していく「墓じまい」は、故人への感謝を別の形で続けていく選択肢です。まずは家族・門中との話し合いからスタートし、窓口への問い合わせや石材店への相談を並行して進めていきましょう。







