豊島区で墓じまいを検討している方へ、この記事では手続きの流れ・改葬許可申請の窓口・都立霊園(染井霊園・雑司ヶ谷霊園)からの墓じまいの特徴・費用の目安・補助金の有無まで、豊島区の情報をもとにわかりやすく解説します。
豊島区には、東京都が管理する都立霊園が区内に2か所あります。染井霊園(豊島区駒込)と雑司ヶ谷霊園(豊島区・文京区にまたがる)です。これらの霊園にお墓をお持ちの方が墓じまいをする場合は、通常の改葬手続きに加えて霊園側との返還手続きも必要になります。
また、2020年の国勢調査によると、豊島区の単身世帯率は64.0%(全国平均38.0%)、生涯未婚率は28.2%(全国平均19.7%)と高く、「お墓の後継者がいない」「将来の管理が難しい」という問題を抱えている方が多い地域です。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

豊島区で墓じまいを検討する人が増えている理由
東京都全体では2023年度に約14,950件の改葬(遺骨の移転)が行われており、全国166,886件のうち約9%が東京都内で発生しています。豊島区もその流れの中にあり、区内に都立霊園が2か所あるという地域的特性と、単身世帯・未婚率の高さが組み合わさって、墓じまいの相談が増えています。
単身世帯率64.0%・生涯未婚率28.2%という実情
2020年の国勢調査によると、豊島区の単身世帯率は64.0%(全国平均38.0%)で、全国平均を26.0ポイントも上回っています。区内のおよそ3世帯に2世帯が一人暮らし世帯という計算です。また核家族化率は32.9%(全国平均54.1%)と全国平均を大幅に下回り、二世代・三世代同居の家族がきわめて少ない地域です。
生涯未婚率は28.2%(全国平均19.7%)と全国を8.5ポイント上回っており、「お墓を引き継いでくれる子どもや配偶者がいない」という方が全国平均より多い割合で存在しています。「自分が亡くなった後にお墓を守れる人がいない」「無縁墓にしてしまう前に整理しておきたい」という声はそうした背景から生まれています。
都立霊園が2か所ある地域的特性
豊島区には染井霊園(明治7年開設・歴史ある公営霊園で桜の名所としても有名)と雑司ヶ谷霊園(明治7年開設・夏目漱石や小泉八雲などの墓所がある歴史的霊園)という2か所の都立霊園があります。どちらも長い歴史を持つ霊園であるため、数十年前から代々お墓を持つご家族も多く、「管理できる後継者がいなくなった」という理由で墓じまいを検討されるケースが増えています。
人口増減率は+3.58%(全国平均-0.75%)と増加傾向にあり、転入者も多い地域ですが、単身世帯が中心であるため、実家のお墓の管理者不在問題は年々深刻化しています。
自分の子供世代に荷物を押し付けたく無い、宗教家への不信感
墓じまい検討中愛知県・56歳・男性
「子どもや将来の世代に負担をかけたくない」という思いが、生前のうちに墓じまいを決断する後押しになっています。

都立霊園(染井霊園・雑司ヶ谷霊園)からの墓じまいの特徴
豊島区内の都立霊園にお墓がある場合は、通常の改葬手続きに加えて、東京都(東京都公園協会)への霊園使用許可の返還手続きが必要になります。一般的な寺院墓地や民間霊園とは手順が一部異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
都立霊園の施設変更制度について
東京都立霊園には、お墓の区画を手放して遺骨を都立の合葬式墓地(合葬施設)に移す「施設変更制度」があります。これは改葬(別の施設への移転)とは異なり、同じ東京都立の施設内での移動になる制度です。後継者がいない場合や、維持管理が難しくなった場合に、費用を抑えて対応できる選択肢のひとつです。詳細は各霊園管理事務所にお問い合わせください。
都立霊園から他の施設に改葬する場合の流れ
染井霊園・雑司ヶ谷霊園などのお墓を、都立合葬施設以外(民間の永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)に改葬する場合は、以下の手順で進めます。
① 霊園管理事務所への連絡
まず各霊園の管理事務所に墓じまい・返還の意向を伝え、返還手続きの方法と必要書類を確認します。染井霊園管理事務所・雑司ヶ谷霊園管理事務所へ直接お問い合わせください。
② 改葬先の確保と受入証明書の取得
改葬許可申請の前に、遺骨の移転先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)を決め、受入証明書を取得します。この書類がないと改葬許可申請できません。
③ 豊島区への改葬許可申請
改葬許可申請は豊島区の総合窓口課 証明グループで行います。
④ お墓の解体・撤去と原状回復
改葬許可証取得後、石材店が解体・撤去を行います。都立霊園の場合は、墓所を更地に戻す「原状回復」が返還条件となっています。解体・撤去費用の見積もりの際に、原状回復費用が含まれているかを石材店に確認しておきましょう。
⑤ 霊園への返還完了と使用料の精算
原状回復が確認されると、霊園使用許可の返還が完了します。なお、都立霊園の使用料の一部が返還される場合があります。詳細は各霊園管理事務所にお問い合わせください。
手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた
墓じまい経験者奈良県・54歳・女性
書類の準備に想像以上に時間がかかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
豊島区での墓じまいの流れ(全体)
都立霊園以外(お寺のお墓・民間霊園)のお墓を墓じまいする場合の一般的な流れを解説します。「①家族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族全員への相談です。墓じまいはお墓という共有の場所に関わる話であるため、一人の判断で進めると後々トラブルになることがあります。豊島区のように単身世帯が多い地域では「自分以外に関係者がいない」というケースも一定数ありますが、遠方に親族がいる場合は連絡を取っておくことが大切です。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」など事情を誠実に伝えることが円満な墓じまいへの近道です。都立霊園の場合は霊園管理事務所に連絡して、返還手続きの方法を確認します。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。豊島区への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができません。
④ 豊島区への改葬許可申請
改葬先が決まったら、豊島区の総合窓口課 証明グループに改葬許可申請を行います。詳しくは次の章で解説します。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。お寺のお墓の場合は閉眼供養(魂抜き)を事前に行うのが一般的です。複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。
豊島区での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。豊島区での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
豊島区では、総合窓口課 証明グループが改葬許可申請の窓口です。まずは電話で必要書類について確認してから窓口に向かうと、書類不備を防ぐことができます。
豊島区 総合窓口課 証明グループ TEL 03-3981-4766

詳細・申請書のダウンロードは豊島区公式サイト(改葬許可申請)からご確認ください。
必要書類
改葬許可申請に必要な書類は主に以下のとおりです。
① 改葬許可証交付申請書
豊島区のホームページからダウンロードできます。現在の埋葬先(お寺や霊園の管理者)による埋葬・埋蔵証明が必要になる場合があります。都立霊園の場合は霊園管理事務所が証明を行います。
② 改葬先の受入証明書または使用許可書
新しい供養先が発行する書類です。この書類がないと申請が進められないため、必ず改葬先を先に決めてから手続きに入ることが前提になります。
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、改葬許可証が交付されます。書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前の電話確認が大切です。なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。

豊島区での墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、大きく「①離檀料」「②石材店への解体・撤去費用」「③改葬先への費用」の3つに分かれます。都立霊園の場合は解体・撤去費用に原状回復費用が加わることがある点に注意しましょう。
① 離檀料(お寺のお墓の場合)
お寺の境内にお墓がある場合、檀家をやめる際にお寺へ納めるお布施が発生します。金額は宗派やお寺との関係によって異なりますが、3〜20万円程度が一般的な目安です。高額な離檀料を強く求められた場合でも、法的な支払い義務はありませんので、冷静に話し合うことが大切です。都立霊園や民間霊園のお墓には離檀料は発生しません。
② 石材店への解体・撤去費用
墓石を解体して区画を更地に戻す費用です。全国的な相場は10〜40万円程度ですが、石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあります。都立霊園の場合は原状回復費用も含まれるため、見積もり時に確認が必要です。当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)では「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多でした。石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあるため、必ず複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
③ 改葬先への費用
永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、選ぶ供養先によって費用はさまざまです。数万円程度から数十万円以上まで幅があります。費用だけでなく、立地やお参りのしやすさも含めて比較することが大切です。
総額の目安と費用の抑え方
これら3つを合わせた総額は30〜150万円程度になるケースが多いです。都立霊園の場合は返還に際して使用料の一部が戻ってくる場合もあるため、各霊園管理事務所に確認してください。費用を抑えるためには、石材店への相見積もりと、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

豊島区に墓じまいの補助金はある?
費用の問題と関連して、「補助金は使えないか」と気になる方も多いと思います。
補助金制度は現時点でなし
結論からお伝えすると、2026年時点で豊島区には墓じまい専用の補助金制度はありません。東京23区全体として、墓じまいに対する独自の助成制度は設けられていない状況です。最新情報は豊島区公式サイトでご確認ください。
墓じまいの補助金制度は全国的にまだ少数で、一部の地方自治体に限られています。現時点では費用は基本的に自己負担となりますが、石材店の相見積もりや供養先の選択次第でトータルコストを抑えることは可能です。
都立霊園使用料の返還について
補助金とは異なりますが、都立霊園(染井霊園・雑司ヶ谷霊園)を返還する際に、使用料の一部が返還される場合があります。具体的な金額や条件は霊園によって異なるため、各霊園の管理事務所に直接お問い合わせください。これは補助金ではなく、使用料の精算にあたるものです。
豊島区からアクセスできる墓じまい後の供養先
池袋・巣鴨・駒込など交通の便がよい豊島区は、都内各地の供養施設にアクセスしやすい立地です。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。豊島区内や近隣にも永代供養墓を設けているお寺が多くあります。費用は数十万円程度が目安です。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。池袋周辺など豊島区近辺にも複数の納骨堂があり、交通アクセスがよく、季節を問わずお参りできる点が特徴です。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。墓石が不要なため維持費が少なく、都市近郊にも施設が増えています。継承者不要で、自然に還るという考え方から選ぶ方が増えています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。費用を抑えやすく、継承者が不要という特徴から、単身世帯が多い豊島区では選ぶ方が増えています。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
永代共同供養が、1番良いと思った。
墓じまい検討中東京都・57歳・男性
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、ご家族や関係者と話し合って決めることをおすすめします。
仕事の都合で引っ越すことになってしまい、気軽にお墓参りを行えなくなりましたし、費用の高さが以前から気になっていたので墓じまいをしたいと考え始めました。実際に墓じまいを行った方の体験談を拝見して、真剣に決心がつきました。
墓じまい経験者大阪府・50代・男性
よくある質問
染井霊園・雑司ヶ谷霊園の墓じまいはどこに申請しますか?
改葬許可申請は豊島区の総合窓口課 証明グループ(TEL: 03-3981-4766)で行います。あわせて各霊園の管理事務所への使用許可返還手続きも必要です。まず霊園管理事務所に連絡して手順を確認することをおすすめします。
都立霊園の「施設変更制度」とは何ですか?
都立霊園の使用者が、現在の区画を手放して都立の合葬式墓地(合葬施設)に遺骨を移す制度です。後継者がいない場合などに、費用を抑えて対応できる選択肢のひとつです。改葬(別の施設への移転)とは異なり、豊島区への改葬許可申請は不要な場合があります。詳細は各霊園管理事務所にお問い合わせください。
豊島区での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料(お寺の場合)・石材店への解体費用(都立霊園の場合は原状回復費用を含む)・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられる場合があります。
豊島区に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、豊島区に墓じまい専用の補助金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。
一人でも墓じまいの手続きを進められますか?
祭祀主宰者(お墓の管理を担う方)であれば、一人でも改葬許可申請の手続きを行えます。ただし、お墓にゆかりのある親族には事前に連絡・相談しておくことが望ましいです。手続きに不安がある場合は石材店や行政書士に相談する方法もあります。
まとめ:豊島区で墓じまいを進めるために
豊島区での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 豊島区には染井霊園・雑司ヶ谷霊園という都立霊園が2か所あり、これらの霊園からの墓じまいには通常の改葬手続きに加えて霊園管理事務所への返還手続きが必要です。
- 都立霊園の使用者は施設変更制度(都立合葬施設への移転)という選択肢もあります。詳細は各霊園管理事務所へご確認ください。
- 単身世帯率64.0%・生涯未婚率28.2%(全国比+8.5pt)という豊島区の実情から、承継者不在の問題は深刻です。早めの検討が将来の安心につながります。
- 改葬許可申請の窓口は総合窓口課 証明グループ(TEL: 03-3981-4766)。申請には「改葬許可証交付申請書」と「改葬先の受入証明書」が基本です。
- 補助金は2026年時点でなし。費用は複数社の相見積もりや供養先の選択で調整できます。都立霊園の使用料は一部返還される場合があります。
- 供養先の選択肢は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など。池袋を中心に交通の便がよい豊島区から、都内各地の供養施設にアクセスしやすい環境です。
墓じまいは家族への相談・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずは現在のお墓がある場所(都立霊園・お寺・民間霊園)に連絡するところから始めてみましょう。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。





