新宿区で墓じまいを検討する人が増えている理由
当社(墓じまいパートナーズ)が実施した墓じまい実態調査2026によると、墓じまいを検討したきっかけで最も多かったのは「遠方のため」(47.8%)、次いで「墓参りが難しくなった」(37.8%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)。
東京都全体では2023年度に約14,950件の改葬(遺骨の移転)が行われており、全国166,886件のうち約9%が東京都内で発生しています。新宿区もその流れの中にあり、単身世帯の多さや後継者不在という構造的な問題から、墓じまいを検討する方が増えています。
単身世帯率67.8%という全国最高水準の数字
2020年の国勢調査によると、新宿区の単身世帯率は67.8%(全国平均38.0%)。全国平均を29.8ポイントも上回り、区内のおよそ3世帯に2世帯が一人暮らし世帯です。これは今回の調査対象自治体の中でも最高水準のひとつで、「お墓を家族で継ぐ」という前提が最も成立しにくい地域のひとつといえます。
さらに核家族化率は29.8%(全国平均54.1%)と全国平均を約24ポイントも下回ります。これは二世代・三世代同居の家族がきわめて少なく、単身者が圧倒的多数を占めていることを意味しています。「配偶者がいる核家族」すら少ない状況で、お墓を次世代に引き継ぐという仕組みは実質的に機能しにくいといえます。
生涯未婚率25.4%が示す後継者問題
新宿区の生涯未婚率は25.4%(全国平均19.7%)で、全国を5.7ポイント上回っています。4人に1人が生涯未婚のまま過ごすという現実は、「自分の代でお墓の行き先を決めなければ」という問題意識を多くの方に突きつけています。
加えて人口増減率+4.74%(全国平均-0.75%)と示すように、全国から転入した住民が多い新宿区では、「出身地のお墓を管理できる人が自分しかいない」という状況が生まれやすい構造があります。
墓じまい実態調査2026 — 回答者の声
子供に迷惑をかけなくないので考え出したが、どの様に進めていけばいいか分からない。住職に言い出しにくい
墓じまい検討中茨城県・45歳・女性
「将来の世代に負担をかけたくない」という思いが、生前のうちに墓じまいを決断する後押しになっています。墓じまいは決してネガティブな選択ではなく、家族への思いやりから生まれる決断でもあります。

新宿区での墓じまいの流れ
墓じまいは「①家族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。単身世帯が多い新宿区では「一人で全部対応しなければならない」という状況の方も多いですが、手順を知っておくことでスムーズに進められます。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族への相談です。新宿区のように単身世帯が多い地域では、「自分以外に関係者がいない」というケースも一定数あります。しかし、遠方に親族がいる場合は事前に意向を伝えておくことが、後々のトラブルを防ぐうえで重要です。祭祀主宰者(お墓の管理を担う人)であれば一人で手続きを進めることも可能ですが、関係者への連絡は欠かさずに行いましょう。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。「住職に言い出しにくい」と感じる方も多いですが、「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」という事情を誠実に伝えることが円満な墓じまいへの近道です。民間霊園・公営墓地の場合は管理事務所へ連絡して、返還手続きの流れを確認します。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。新宿区への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができませんので、この順番を守ることが手続きをスムーズに進めるポイントです。
④ 新宿区への改葬許可申請
改葬先が決まったら、地域振興部 戸籍住民課に改葬許可申請を行います。「改葬許可申請書」に必要書類を添付して提出します。詳しくは次の章で解説します。
改葬許可申請の担当窓口は地域振興部 戸籍住民課、TEL: 03-5273-3506、市公式ページ。
申請から許可証交付までは基本即日、長くても1週間程度です。書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前に電話で必要書類を確認するのが確実です。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。その前に、お寺で閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。新宿区を含む東京都内では、地方と比べて費用が高くなる傾向があるため、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。改葬許可証は新しい供養先に提出します。
墓じまい実態調査2026 — 回答者の声
越境して、県をまたいであったので役所の移動許可が煩わしかった
墓じまい経験者愛知県・63歳・男性
改葬許可申請は新宿区に提出するもので、改葬先(移転先)の自治体での申請は不要です。書類の準備に想像以上に時間がかかることもあるので、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。
新宿区での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。新宿区での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
新宿区では、戸籍住民課 戸籍係が改葬許可申請の窓口です。まずは電話で必要書類について確認してから窓口に向かうと、書類不備を防ぐことができます。
新宿区 戸籍住民課 戸籍係 TEL 03-5273-3506

詳細・申請書のダウンロードは新宿区公式サイト(改葬許可申請)からご確認ください。
必要書類
改葬許可申請に必要な書類は主に以下のとおりです。
- 改葬許可申請書(新宿区所定の書式。区公式サイトからダウンロード可)
- 埋葬(埋蔵)証明書(現在の墓地・寺院の管理者が発行)
- 改葬先の受入証明書または使用許可書(新しい供養先が発行)
- 申請者本人の身分証明書のコピー
現在の墓地管理者には事前に連絡し、埋葬証明書の発行を依頼しておきましょう。改葬先が決まっていないと申請を進められないため、改葬先の確保を先に行うことが前提になります。
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、改葬許可証が交付されます。手続き自体はさほど複雑ではありませんが、書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前の電話確認が大切です。
なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。

新宿区の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、お墓本体を撤去する費用、お寺のお墓の場合に発生する供養・檀家関連の費用、そして新しい供養先にかかる費用に分かれます。それぞれの目安を、発生頻度の高いものから順に確認しておきましょう。
お墓の解体・撤去費用(石材店への依頼)
墓石の解体・撤去と区画の更地化を石材店に依頼する費用です。一般的な家庭墓であれば10〜40万円程度が目安で、墓石のサイズ・基礎の構造・霊園内での搬出経路(重機が入れるか等)によって変動します。石材店ごとに費用は1.5〜2倍ほどの開きが出ることがあるため、相見積もりで比較するのが基本です。お寺・霊園が指定する石材店がある場合は、その石材店に依頼することが基本になります。指定がない場合は、複数社から相見積もりを取り、解体範囲(基礎の撤去・残土処分・運搬・産業廃棄物処分料)を比較しましょう。
閉眼供養(魂抜き)のお布施
お墓を解体する前に、住職に依頼してお墓に宿った魂を抜く閉眼供養を行うのが一般的です。お布施の目安は3〜15万円程度です。お寺のお墓に限らず、仏式で供養してきたお墓の場合は実施するケースが多くあります。閉眼供養当日のお車代・お膳料が別途必要なお寺もあります。
改葬先(新しい供養先)への費用
新しい供養先にかかる費用は、選ぶ形態によって5〜150万円と幅があります。永代供養墓は10〜100万円程度、納骨堂は30〜150万円程度、樹木葬は5〜80万円程度、散骨は5〜30万円程度が目安です。費用だけでなく、お参りのしやすさ・管理体制・宗教宗派の制約も含めて比較しましょう。
離檀料(お寺のお墓の場合のみ)
離檀料は檀家をやめる際にお寺へ支払う費用ですが、実際には請求しないお寺の方が多く、請求がなければ発生しません。請求の有無や金額はお寺によって異なり、請求された場合の相場は20万円程度までです。閉眼供養や法要に対するお布施(3〜15万円程度)とは別に発生する費用です。なお離檀料は法的な支払い義務があるものではないため、法外な金額を請求された場合は住職と丁寧に話し合うか、場合によっては弁護士に相談するのも一つの手です。民間霊園・公営墓地のお墓には離檀料は発生しません。
総額の目安
上記を合わせた総額は30〜150万円程度が目安です。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても大きく変わります。費用感を早めに把握し、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

新宿区に墓じまいの補助金はある?都立霊園について
費用の問題と関連して、「補助金は使えないか」と気になる方も多いと思います。補助金の有無と、都立霊園についての情報をまとめます。
補助金制度は現時点でなし
結論からお伝えすると、2026年時点で新宿区には墓じまい専用の補助金制度はありません。東京23区全体として、墓じまいに対する独自の助成制度は設けられていない状況です。最新情報は新宿区公式サイトでご確認ください。
墓じまいの補助金制度は全国的にまだ少数で、一部の地方自治体に限られています。現時点では費用は基本的に自己負担となりますが、石材店の相見積もりや供養先の選択次第でトータルコストを抑えることは可能です。
新宿区内に都立霊園はない
新宿区内には都立霊園はありません。新宿区から比較的アクセスしやすい都立霊園としては、府中市の多磨霊園(JR武蔵境駅からバスなど)や、豊島区の染井霊園・雑司ヶ谷霊園などがあります。いずれも新規使用は抽選制で、東京都公園協会で詳細をご確認ください。
単身世帯の方が一人で進める墓じまいのポイント
新宿区の単身世帯率67.8%が示すように、「墓じまいを一人で考えなければならない」という方が多い地域です。一人でも手続きは進められますが、いくつかのポイントを押さえておきましょう。
祭祀主宰者であれば一人でも申請できる
法的には、改葬許可申請の申請者は「祭祀主宰者」(お墓の管理を担う人)であれば一人で行えます。ただし、お墓に眠るご先祖の遺族にあたる親族には、事前に連絡・相談を行うことが望ましいです。事後に「勝手にやった」とトラブルになるケースがあるため、連絡が取れる親族がいる場合は早めに意向を伝えておきましょう。
石材店・行政書士を活用する
一人での対応が不安な場合は、石材店・行政書士・改葬先施設のスタッフに相談する方法があります。石材店は解体・撤去だけでなく、改葬全体の手順についてアドバイスを受けられることが多いです。複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
早めに動き出すことが重要
体力・判断力が十分なうちに手続きを進めることが、一人で墓じまいを成功させるうえで最大のポイントです。「いつかやろう」と思いながら先延ばしにするほど、手続きが難しくなっていく可能性があります。
早めに動き出すことが、スムーズな墓じまいへの近道です。まずは現在のお墓があるお寺または霊園に連絡するところから始めてみましょう。
新宿区からアクセスできる墓じまい後の供養先
新宿区は都心に位置し、都内各地の供養施設にアクセスしやすい立地です。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。新宿区内や近隣(渋谷区・港区など)にも永代供養墓を設けているお寺が多くあります。費用は数十万円程度が目安です。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。新宿区周辺は交通の便が非常によく、アクセスしやすい場所にも多数の納骨堂があります。雨の日でもお参りできる点や、管理の手間がかからない点が特徴です。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。墓石が不要なため維持費が少なく、都市近郊にも施設が増えています。継承者不要で、自然に還るという考え方から選ぶ方が増えています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。費用を抑えやすく、継承者が不要という特徴から、単身世帯が多い新宿区では選ぶ方が増えています。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、関係者と話し合って決めることをおすすめします。
よくある質問
新宿区で墓じまいの改葬許可申請はどこでできますか?
新宿区 戸籍住民課 戸籍係(TEL: 03-5273-3506)で受け付けています。申請前に電話で必要書類を確認しておくと、書類不備を防げます。
新宿区での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって費用構成が異なります。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられる場合があります。
新宿区に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、新宿区に墓じまい専用の補助金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。
一人でも墓じまいの手続きを進められますか?
祭祀主宰者(お墓の管理を担う方)であれば、一人でも改葬許可申請の手続きを行えます。ただし、お墓にゆかりのある親族には事前に連絡・相談しておくことが望ましいです。手続きに不安がある場合は石材店や行政書士に相談する方法もあります。
親族の同意が得られない場合はどうすればよいですか?
改葬許可申請の法的要件として全員の署名が必須というわけではありませんが、墓じまいはお墓に関わるすべての親族に影響する決断です。まずは丁寧に理由と事情を説明し、合意形成を試みることが重要です。それでも解決しない場合は、専門家(行政書士・弁護士)に相談する方法もあります。
まとめ:新宿区で墓じまいを進めるために
新宿区での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 単身世帯率67.8%(全国比+29.8pt)・生涯未婚率25.4%という新宿区の実情から、承継者不在の問題は特に深刻な地域です。早めの検討が将来の安心につながります。
- 改葬許可申請の窓口は戸籍住民課 戸籍係(TEL: 03-5273-3506)。お墓が新宿区外にある場合は、お墓のある自治体の窓口での申請が必要です。
- 申請に必要な書類は「改葬許可証交付申請書」と「改葬先の受入証明書」が基本。改葬先を先に決めてから申請を進めましょう。
- 補助金は2026年時点でなし。区内に都立霊園もなし。費用は複数社の相見積もりや供養先の選択で調整できます。
- 供養先の選択肢は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など。都心に近い新宿区からアクセスしやすい施設が多数あります。
- 単身世帯の方も祭祀主宰者であれば一人でも手続きを進めることができます。不安な場合は石材店や行政書士にサポートを求めましょう。
墓じまいは家族への相談・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずは現在のお墓があるお寺または霊園に連絡するところから始めてみましょう。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。
東京都全体の手続き・費用については東京都の墓じまいもあわせてご覧ください。