江東区でお墓の墓じまいを検討している方へ、この記事では手続きの流れ・費用の目安・補助金の有無まで、江東区の情報をもとにわかりやすく解説します。
2020年の国勢調査によると、江東区では全世帯の46.8%が単身世帯です(全国平均38.0%)。豊洲・有明・東雲などの湾岸エリアを中心に大規模マンション開発が続き、全国各地から転入した世帯が急増しています。一方で、深川・砂町などの古い下町エリアには先祖代々のお寺のお墓が多く残っており、「どう管理を続けるか」「そろそろ墓じまいを考えなければ」という声が増えています。
「手続きが複雑そう」「費用がいくらかかるか不安」という方も多いと思います。でも、正しい順番で進めれば、一つひとつは着実に対応できます。この記事を読めば、江東区で墓じまいを進めるために必要な情報がひととおりわかります。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

江東区で墓じまいを検討する人が増えている理由
東京都全体では2023年度に約14,950件の改葬(遺骨の移転)が行われており、全国166,886件のうち約9%が東京都内で発生しています。江東区もその流れの中にあり、湾岸の新興住宅地と歴史ある下町の両面から、墓じまいを検討する方が増えています。
湾岸マンション転入世帯と「遠方のお墓」問題
豊洲・有明・東雲・辰巳などの湾岸エリアでは大規模マンション開発が続き、江東区の人口増減率は+5.26%(全国平均は0.75%の減少)と増加基調にあります。東京の他地区や地方から転入した家族・夫婦世帯が多く、こうした世帯の多くは出身地や実家の近くにお墓を持っています。「誰がお墓を管理するか」「いずれ移したい」という問題を抱えているケースが多く見受けられます。
単身世帯率は46.8%(全国平均比+8.8pt)で都内の他区と比べると低めですが、生涯未婚率20.0%(全国19.7%とほぼ同水準)や核家族化率49.9%を踏まえると、将来的に継承者を確保しにくい世帯も少なくありません。「今は若いから先でいい」と感じながらも、「いずれどうにかしなければ」という問題を抱えている方が多いのが実情です。
下町エリアの寺院墓地に眠る先祖のお墓
深川・砂町・亀戸などの旧来の下町エリアには、歴史あるお寺のお墓が多く残っています。かつては地域のコミュニティと深くつながったこれらのお墓も、世帯構成の変化により管理が難しくなっているケースが増えています。「親が亡くなり、自分一人では管理できない」「兄弟が遠方に散り散りで、誰が墓守をするか決まっていない」という声が増えています。
子供に迷惑をかけなくないので考え出したが、どの様に進めていけばいいか分からない。住職に言い出しにくい
墓じまい検討中茨城県・45歳・女性
「住職に言い出しにくい」という思いは多くの方が感じることです。しかし誠実に事情を伝えることが、円満な墓じまいへの第一歩になります。
高齢化率21.2%——比較的若い街だからこそ早めの準備を
江東区の高齢化率は21.2%で、全国平均28.7%を下回ります。若い現役世代が多い江東区では、「まだ先のこと」と感じがちです。しかし、元気なうちに計画を立てておくことが、費用・手間・精神的負担のいずれにおいても最善の結果をもたらします。

江東区での墓じまいの流れ
墓じまいは「①家族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。各ステップのポイントを確認しておきましょう。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族全員への相談です。墓じまいはお墓という共有の場所に関わる話であるため、一人の判断で進めると後々トラブルになることがあります。全員の合意を得てから次のステップへ進みましょう。特に親族が全国に散らばっているケースが多い江東区の転入世帯では、メール・電話・ビデオ通話などを活用した事前連絡が有効です。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」など事情を誠実に伝えることが円満な墓じまいへの近道です。深川・砂町エリアの古いお寺では、長年の檀家関係がある場合も多く、話し合いに時間がかかることがあります。民間霊園・公営墓地の場合は管理事務所へ連絡して、返還手続きの流れを確認します。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。江東区への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができませんので、この順番を守ることが手続きをスムーズに進めるポイントです。
④ 江東区への改葬許可申請
改葬先が決まったら、江東区の窓口に改葬許可申請を行います。申請窓口は区民課 戸籍係(TEL: 03-3647-9111)です。詳しくは次の章で解説します。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。その前に、お寺で閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。東京都内は地方に比べて費用が高くなる傾向があるため、複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。改葬許可証は新しい供養先に提出します。
手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた
墓じまい経験者奈良県・54歳・女性
書類の準備に想像以上に時間がかかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。
江東区での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。江東区での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
江東区での改葬許可申請は、区民課 戸籍係が担当窓口です。まずは電話で書類の準備について確認してから窓口に向かうと、書類不備を防ぐことができます。
江東区 区民課 戸籍係 TEL 03-3647-9111

詳細・申請書のダウンロードは江東区公式サイト(改葬許可申請)からご確認ください。
必要書類
申請に必要な書類は主に2点です。
① 改葬許可証交付申請書
江東区のホームページからダウンロードできます。現在の埋葬先(お寺や霊園の管理者)による証明が必要になる場合があります。事前に現在の墓地管理者にも連絡しておきましょう。
② 改葬先の受入証明書または使用許可書
新しい供養先が発行する書類です。この書類がないと申請が進められないため、必ず改葬先を決めてから手続きに入ることが前提になります。
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、改葬許可証が交付されます。手続き自体はさほど複雑ではありませんが、書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前確認が大切です。
なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。お寺との交渉でトラブルが生じている場合は、弁護士への相談が適しています。

江東区の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、大きく「①離檀料」「②石材店への解体・撤去費用」「③改葬先への費用」の3つに分かれます。それぞれの目安と、東京都内ならではの注意点を確認しておきましょう。
① 離檀料(お寺のお墓の場合)
お寺の境内にお墓がある場合、檀家をやめる際にお寺へ納めるお布施が発生します。深川・砂町などの古い下町のお寺では、長年にわたる檀家関係があるケースも多く、離檀の話し合いに時間がかかることもあります。金額は宗派やお寺との関係によって異なりますが、3〜20万円程度が一般的な目安です。高額な離檀料を強く求められた場合でも、法的な支払い義務はありませんので、冷静に話し合うことが大切です。民間霊園・公営墓地のお墓には発生しません。
② 石材店への解体・撤去費用
墓石を解体して区画を更地に戻す費用です。全国的な相場は10〜40万円程度ですが、東京都内では作業スペースが狭いケースも多く地方より高めになる傾向もあります。当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)では「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多でした。石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあるため、必ず複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
③ 改葬先への費用
永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、選ぶ供養先によって費用はさまざまです。数万円程度から数十万円以上まで幅があります。費用だけでなく、立地や管理のしやすさも含めて比較することが大切です。
総額の目安
これら3つを合わせた総額は30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても変わります。「思ったより費用がかかった」と感じる方も少なくないため、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

江東区に墓じまいの補助金はある?都立霊園の情報
結論からお伝えすると、2026年時点で江東区には墓じまい専用の補助金制度はありません。東京23区全体として、墓じまいに対する独自の助成制度は設けられていない状況です。最新情報は江東区公式サイトでご確認ください。
江東区内の都立霊園について
江東区内には都立霊園はありません。江東区から比較的アクセスしやすい都立霊園としては、隣接する台東区の谷中霊園・港区の青山霊園などがあります。いずれも新規使用は抽選制です。なお、東京都立霊園(小平霊園・八柱霊園・青山霊園・谷中霊園・雑司ヶ谷霊園など)の既存使用者向けには、遺骨を合葬施設へ移す「施設変更制度」があります。都立霊園のお墓を持っている方は、この制度を活用して改葬先を都立合葬施設にする方法も選択肢の一つです。詳細は各霊園の管理事務所にお問い合わせください。
費用を抑えるためにできること
補助金がない分、費用を工夫することが大切です。石材店は複数社から相見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。また、供養先も合祀型の永代供養や散骨など費用を抑えやすい選択肢があります。具体的な節約方法は墓じまいの費用を抑える方法をご参照ください。
江東区在住者が直面する「遠方のお墓」の手続き方法
豊洲・有明・東雲などのマンション転入世帯に多いのが、「地方や都内他区にあるお墓を、現住所の江東区から手続きしたい」というケースです。改葬許可申請はお墓がある自治体での申請が基本ですが、江東区在住であっても書類のやり取りを郵送で進められる場合があります。
お墓がある自治体に郵送対応を確認する
改葬許可証の申請はお墓が所在する自治体に行いますが、多くの自治体で書類の郵送対応が可能です。まずはお墓のある自治体の担当窓口(多くは戸籍係や住民課)に電話で問い合わせ、郵送申請の可否と必要書類を確認しましょう。郵送で書類をやり取りすることで、現地に赴かずに手続きを進めることができます。
石材店は現地の業者に依頼する
お墓の解体・撤去作業は、現地(お墓が所在する地域)の石材店に依頼します。江東区在住でも、電話やメール・写真のやり取りで見積もりを取ることは可能です。複数の業者に問い合わせて、料金・作業内容・対応の丁寧さを比較することが重要です。石材店の選び方については墓じまいと石材店もご参照ください。
遠方にあった墓を近くに移転。供養後、石材店にお願いし写真等でやり取りしました。丁寧に骨集めをして下さいました。
墓じまい経験者大阪府・69歳・男性
「元気なうちに動き出す」ことが、費用・手間・精神的負担の全てを最小化するうえで最善です。江東区のような都心在住者は特に、遠方の実家のお墓問題を先送りにしがちですが、早めに一歩踏み出すことが家族への最大の贈り物になります。
墓じまい後の供養先の選び方
江東区は都心に位置し、交通の便が良いため、都内各地の供養施設にアクセスしやすい立地です。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。費用は数十万円程度が目安で、合祀型なら比較的安価に利用できます。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。江東区周辺にも多数あり、管理の手間がかからない点が特徴です。ロッカー型・機械式など様々なタイプがあり、費用は数万〜数十万円程度と幅があります。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。継承者不要で、自然に還るという考え方から選ぶ方が増えています。都市近郊にも施設が増えており、江東区からも通いやすい選択肢が充実しています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。費用を抑えやすく、東京湾に近い江東区からも海洋散骨のサービスにアクセスしやすい立地です。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、ご家族で話し合って決めることをおすすめします。
母親も高齢ということもあって遠方のお墓への墓参りが辛くなってきました。地元の公営墓地に遺骨を移そうと思ったことが墓じまいをするきっかけになりました。住職から反対されたり嫌な顔をされることはなく、費用面での確認はありましたが全く問題なかったです。
墓じまい経験者千葉県・40代・男性
よくある質問
江東区での改葬許可申請は自分でできますか?
はい、自分で申請できます。江東区では区民課 戸籍係(TEL: 03-3647-9111)が窓口で、必要書類は改葬許可証交付申請書と改葬先の受入証明書の2点が基本です。書類の準備や手続きに不安がある場合は、行政書士に相談する方法もあります。
江東区での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か霊園かによって費用構成が異なります。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられる場合もあります。
江東区に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、江東区に墓じまい専用の補助金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先の選択が有効です。最新情報は江東区公式サイトでご確認ください。
お寺ではなく民間霊園・公営墓地の場合、手続きは違いますか?
改葬許可申請の手続き自体は同じです。お寺のお墓と異なり、離檀料が発生しないケースがほとんどです。霊園の管理事務所に返還手続きを確認した上で、江東区へ改葬許可申請を進めてください。
地方にあるお墓を江東区から手続きできますか?
改葬許可申請は原則としてお墓が所在する自治体への申請が必要ですが、郵送で手続きできる場合があります。まずお墓がある自治体に郵送対応の可否を確認してください。石材店への依頼はお墓の所在地に近い業者が対応します。
まとめ:江東区で墓じまいを進めるために
江東区での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 単身世帯率46.8%(全国38.0%より+8.8pt)・人口増減率+5.26%という江東区では、湾岸マンション転入世帯を中心に「遠方に残したお墓をどうするか」という課題を抱える方が増えています。
- 改葬許可申請の窓口は区民課 戸籍係(TEL: 03-3647-9111)。問い合わせ前に改葬先を決めておくことが重要です。
- 申請に必要な書類は「改葬許可証交付申請書」と「改葬先の受入証明書」の2点が基本。改葬先を先に決めてから申請を進めましょう。
- 費用は30〜150万円程度が目安。石材店の相見積もりで費用を抑えられる可能性があります。
- 補助金は2026年時点でなし。江東区内に都立霊園はありませんが、近隣の谷中霊園・青山霊園などがアクセス圏内にあります。都立霊園使用者は施設変更制度の活用も検討できます。
- 地方のお墓は郵送申請と現地石材店の組み合わせで、江東区から手続きを進めることが可能です。
- 供養先の選択肢は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など。東京湾岸に近い江東区からアクセスしやすい施設が多数あります。
墓じまいは一度で完了する手続きではなく、家族との話し合い・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずはご家族で現状を共有し、窓口や石材店へ相談してみることが第一歩です。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。





