中央区で墓じまいが増えている理由——人口急増エリアと承継者不在の現実
当社(墓じまいパートナーズ)が実施した墓じまい実態調査2026によると、墓じまいを検討したきっかけで最も多かったのは「遠方のため」(47.8%)、次いで「墓参りが難しくなった」(37.8%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)。
中央区の人口増減率+19.83%(全国比+20.58pt)は、調査対象60市区町村の中で突出した数値です。晴海フラッグ(旧東京オリンピック選手村跡地)をはじめ、勝どき・月島・豊海など臨海部の大規模マンション開発により、近年急速に転入者が増えています。銀座・日本橋の商業エリアで働く単身者・共働き夫婦も多く、全国各地から集まった世帯が多数を占めます。
高齢化率14.6%と非常に若い世代が多い地域ですが、生涯未婚率22.7%(全国19.7%より+3.0pt高い)・単身世帯率52.6%(全国比+14.6pt)という数字が示す通り、中央区内のお墓を継ぐ家族がいない世帯が多い傾向にあります。「中央区内のお墓をどう整理するか」「子の代に管理の負担を残さないようにしたい」という相談が増えています。中央区内には永代供養墓・納骨堂を備える寺院も多く、墓じまい後の選択肢が比較的見つけやすい地域でもあります。

当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)でも「子どもに迷惑をかけたくない」「後継者がいない・いなくなる」が墓じまいの動機として多く挙げられており、転入世帯の多い中央区の状況と重なります。核家族化率44.3%(全国比-9.8pt)と都心らしく単身世帯が多いため、家族世帯ベースの伝統的なお墓継承モデルが機能しにくい構造です。
墓じまい体験談
駅からも距離がある場所で、車じゃないと行きづらいんです。でも私はペーパードライバーなので、いつも電車とバスで行く感じでした。毎年の管理費を払うのも地味に負担でした。帰りの電車で「これをずっと続けるのはちょっと厳しいかもな…」って思ったんです。
墓じまい経験者東京都・20代・女性
東京都全体でも改葬件数は増加傾向にあります。厚生労働省「衛生行政報告例」によると、東京都の改葬件数は2023年度に約14,950件と全国166,886件の約9%を占めています。中央区もこの流れの中で、転入世帯の増加と承継者不在の課題を背景に、墓じまいを検討する方が増えています。
中央区での墓じまいの流れ
中央区での墓じまいは、家族・親族との合意形成から始まり、お寺・霊園への連絡、新しい供養先の確保、改葬許可申請、お墓の解体・撤去、新しい供養先への納骨という6ステップで進めます。準備期間を含めると2〜6ヶ月かかるのが一般的で、お盆・お彼岸・命日などの節目に合わせて計画される方が多くなっています。

① 家族・親族への相談
お墓にゆかりのある親族への事前連絡は欠かせません。兄弟姉妹・親戚との合意形成にもっとも時間がかかるケースがあります。改葬先の候補を具体的に示すと、親族の理解を得やすくなります。

② お寺・霊園への連絡
現在お墓があるお寺や霊園に墓じまいの意向を伝えます。お寺のお墓の場合は離檀の手続きも確認します。住職に直接お会いして、これまでのお礼とともに事情を説明することで、円満に話し合いを進められます。
③ 改葬先の確保と受入証明書の取得
改葬許可申請を行う前に、遺骨の移転先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬など)を確定し、受入証明書を取得します。この手順が申請のための必須条件です。中央区内・首都圏に複数の選択肢があります。
④ 中央区の区民生活課へ改葬許可申請
「改葬許可申請書」に埋蔵証明書・受入証明書を添付して申請します。書類が揃っていれば即日〜数日で改葬許可証が交付されます。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証を取得後、石材店に依頼してお墓を解体・撤去し、遺骨を取り出します。お寺のお墓の場合は先に閉眼供養を行うのが一般的です。
⑥ 改葬先への納骨
改葬許可証を改葬先に提出して納骨し、手続き完了です。家族で初回のお参りを行うと、気持ちの区切りがつきやすくなります。
墓じまい体験談
半分泣きながら話したら、「あなたが一番大変なんだから、自分の好きなようにしていいのよ」って言ってくれました。その言葉を聞いてやっと少し気持ちが楽になりました。
墓じまい経験者東京都・20代・女性
中央区の改葬許可申請——窓口・必要書類・手順
お墓の引っ越し(改葬)を行うには、自治体から「改葬許可証」を取得することが法律で定められています。中央区では区民生活課で申請を受け付けています。
担当窓口と問い合わせ先

必要書類
改葬許可申請には以下の4点が基本です。
- 改葬許可申請書(中央区の様式・区民生活課窓口または公式サイトから入手)
- 埋蔵証明書(現在の墓地管理者・寺院住職が発行)
- 受入証明書(改葬先の墓地・霊園が発行)
- 申請者の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
申請から許可証交付まで
窓口での申請の場合、書類に不備がなければ即日〜数日で改葬許可証が交付されます。郵送申請も対応可能ですが、書類のやりとりに往復で1週間程度かかります。改葬許可申請書の作成を専門家に相談したい場合は、行政書士へ依頼する方法もあります。
中央区の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、お墓本体を撤去する費用、お寺のお墓の場合に発生する供養・檀家関連の費用、そして新しい供養先にかかる費用に分かれます。それぞれの目安を、発生頻度の高いものから順に確認しておきましょう。
お墓の解体・撤去費用(石材店への依頼)
墓石の解体・撤去と区画の更地化を石材店に依頼する費用です。一般的な家庭墓であれば10〜40万円程度が目安で、墓石のサイズ・基礎の構造・霊園内での搬出経路(重機が入れるか等)によって変動します。石材店ごとに費用は1.5〜2倍ほどの開きが出ることがあるため、相見積もりで比較するのが基本です。お寺・霊園が指定する石材店がある場合は、その石材店に依頼することが基本になります。指定がない場合は、複数社から相見積もりを取り、解体範囲(基礎の撤去・残土処分・運搬・産業廃棄物処分料)を比較しましょう。
閉眼供養(魂抜き)のお布施
お墓を解体する前に、住職に依頼してお墓に宿った魂を抜く閉眼供養を行うのが一般的です。お布施の目安は3〜15万円程度です。お寺のお墓に限らず、仏式で供養してきたお墓の場合は実施するケースが多くあります。閉眼供養当日のお車代・お膳料が別途必要なお寺もあります。
改葬先(新しい供養先)への費用
新しい供養先にかかる費用は、選ぶ形態によって5〜150万円と幅があります。永代供養墓は10〜100万円程度、納骨堂は30〜150万円程度、樹木葬は5〜80万円程度、散骨は5〜30万円程度が目安です。費用だけでなく、お参りのしやすさ・管理体制・宗教宗派の制約も含めて比較しましょう。
離檀料(お寺のお墓の場合のみ)
離檀料は檀家をやめる際にお寺へ支払う費用ですが、実際には請求しないお寺の方が多く、請求がなければ発生しません。請求の有無や金額はお寺によって異なり、請求された場合の相場は20万円程度までです。閉眼供養や法要に対するお布施(3〜15万円程度)とは別に発生する費用です。なお離檀料は法的な支払い義務があるものではないため、法外な金額を請求された場合は住職と丁寧に話し合うか、場合によっては弁護士に相談するのも一つの手です。民間霊園・公営墓地のお墓には離檀料は発生しません。
総額の目安
上記を合わせた総額は30〜150万円程度が目安です。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても大きく変わります。費用感を早めに把握し、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

中央区に墓じまいの補助金はある?
補助金制度
2026年3月時点で、中央区には墓じまい(改葬)の費用を補助する制度はありません。費用は自己負担となります。墓じまい専用の補助金制度は全国的にも数えるほどしかなく、中央区・東京都でも導入の動きは現時点では見られません。
費用を抑えるためにできること
補助金がない分、費用を工夫することが大切です。石材店は複数社から相見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります(1.5〜2倍程度の価格差が出ることもあります)。また、改葬先に合祀型の永代供養墓・散骨を選ぶことで改葬先費用を大幅に抑えられます。中央区は超都心という立地柄、都内の永代供養墓・納骨堂・樹木葬の選択肢が豊富で、合祀型なら10万円前後から、個別の納骨堂でも30〜80万円程度に収まるケースが多いのが特徴です。お墓の解体・撤去は石材店ごとに費用感が大きく異なるため、必ず複数社に同じ条件で見積もり依頼をして、解体範囲(基礎の撤去・残土処分・運搬費・産業廃棄物処分料)を含めた合計金額で比較することが重要です。具体的な節約方法は墓じまいの費用を抑える方法をご参照ください。
都立霊園について
中央区内には都立霊園はありません。中央区から比較的アクセスしやすい都立霊園としては、台東区の谷中霊園・港区の青山霊園などがあります。いずれも新規使用は抽選制です。詳細は東京都公園協会 都立霊園公式サイトでご確認ください。なお、当サイトは中央区・東京都と関係のない民間サイトです。
墓じまい後の供養先の選び方
中央区内・首都圏には、墓じまい後の供養先として複数の選択肢があります。希望する供養スタイル、予算、参拝の頻度などを基準に選びましょう。
永代供養墓
寺院や霊園が代わりに供養・管理する屋外型のお墓です。承継者不要で、合祀型なら10万円前後から選べます。「自分の代で終わりにしたい」という方や、子世代に管理負担をかけたくない方に選ばれています。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内施設に遺骨を安置する形式です。天候に左右されず、車椅子でもお参りしやすい設計の施設が多くあります。費用は30〜150万円程度。中央区内・港区/千代田区方面の納骨堂も選択肢に入ります。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木・草花を墓標とした自然葬で、近年人気が高まっています。継承者不要で、墓石管理が不要なことが特徴です。費用は5〜80万円程度が目安です。首都圏には里山型・庭園型の樹木葬区画があり、自然志向の方に支持されています。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
遺骨を粉末状にして海や山などに散布する供養方法です。費用を抑えやすく、東京湾での海洋散骨も選ばれています。費用は5〜30万円程度が目安です。中央区周辺は東京湾に近く、海洋散骨の選択肢が豊富です。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
よくある質問
中央区で墓じまいの改葬許可申請はどこでできますか?
中央区の区民生活課(TEL: 03-3543-0211)で受け付けています。申請前に改葬先の確保と受入証明書の取得が必要です。詳細は中央区公式サイトでご確認ください。
中央区で墓じまいの補助金はありますか?
2026年3月時点で、中央区には墓じまい(改葬)に関する補助金制度はありません。費用は自己負担となります。
継承者がいなくてもできますか?
祭祀主宰者であれば手続きできます。継承者が不要な改葬先(永代供養墓・樹木葬・散骨など)を選ぶことで、将来の管理問題を解消できます。
墓じまいにかかる費用の目安は?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度が目安です。複数の石材店から相見積もりを取ることで費用を抑えられます。
まとめ
中央区は人口増減率+19.83%(全国比+20.58pt)と調査対象60市区町村の中でも突出した増加率を誇り、晴海・勝どき・月島などの大規模マンション開発により転入世帯が急増しています。生涯未婚率22.7%・単身世帯率52.6%という構成から、お墓の継承者問題は将来に向けて顕在化しやすい地域です。
- 改葬許可申請の窓口は区民生活課(TEL: 03-3543-0211)
- 補助金制度は現時点でなし / 区内に都立霊園なし
- 費用の目安は30〜150万円程度
- 改葬先の確保(受入証明書取得)が申請前の必須ステップ
- 石材店への相見積もりで費用を抑えられる
「今は元気だから大丈夫」と思っていても、問題が顕在化する前に動き出すことが最善です。まずはお墓がある寺院や霊園に連絡するところから始めてみましょう。中央区への転入世帯にとっては、自分の代でお墓を整理しておくことが、子世代に余計な負担を残さない最善の選択になります。お墓のある自治体・改葬先の選択・石材店の相見積もり・お寺との連絡を並行して進めることで、半年〜1年程度で完了できるケースが多くあります。
墓じまいの全体像については、墓じまい完全ガイドもあわせてご参考ください。
東京都全体の手続き・費用については東京都の墓じまいもあわせてご覧ください。