平塚市は神奈川県中部に位置する相模川河口の工業・商業都市です。高齢化率28.7%は全国平均(28.7%)と一致していますが、核家族化率57.9%(全国54.1%より+3.8pt)・生涯未婚率20.3%(全国19.7%より+0.6pt)が示すとおり、お墓の継承問題は静かに進行しています。
「うちはまだ大丈夫」と思っている間に後継者がいなくなる——平塚市のような「全国平均型」の街でこそ、お墓の継承問題は見過ごされがちです。一方で、問題が表面化してから動こうとすると、体力・費用・手続きの面で大きな負担がかかります。元気なうちに、少しずつ準備を進めておくことが大切です。
この記事では、平塚市で墓じまいを検討されている方向けに、改葬許可申請の窓口・必要書類・費用の目安・公営霊園情報・補助金の有無を、わかりやすくまとめました。お寺との交渉から石材店の選び方、墓じまい後の供養先の比較まで、順を追って解説します。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。


なぜ今、平塚市で墓じまいが増えているのか
全国各地でお墓の無縁化・管理不能化が社会問題となっています。平塚市も例外ではありません。数字の上では「全国平均」に見える平塚市ですが、その内側では着実に継承問題が進んでいます。
高齢化——3人に1人が高齢者の時代へ
平塚市の高齢化率は28.7%で、全国平均(28.7%)と完全に一致しています。「平均的だから大丈夫」と感じやすいですが、これは言い換えれば「すでに市民の4人に1人以上が65歳以上」という事実でもあります。高齢化率は今後も上昇が続く見込みであり、お墓の管理を担ってきた世代が後退し始めているのは、平塚市も同様です。
特に問題になりやすいのが「二重の高齢化」です。子(50〜60代)が高齢の親(80代)のお墓を管理しているケースでは、子自身が体力・経済力の面で限界を迎える前に手を打たなければなりません。
単身世帯・核家族化——後継者が生まれにくい家族構造
平塚市の核家族化率は57.9%(全国54.1%より+3.8pt)と全国平均を上回ります。核家族世帯では「祖父母のお墓の後継者」が生まれにくい構造となっています。さらに生涯未婚率20.3%(全国19.7%より+0.6pt)も全国をやや上回っており、子どもを持たないまま老いる世代が着実に増えています。
「お墓を引き継いでくれる人がいない」という状況は、すでに今の現役世代が直面している問題です。今のうちに墓じまいを済ませておけば、将来的に無縁墓になるリスクを回避できます。
人口動態——急増はないが継承構造は変化
平塚市の人口増減率は+0.08%(全国比+0.83pt)とほぼ横ばいで、急激な人口流出は起きていません。しかし核家族化と未婚化が進む中では、「子どもがいても遠方に住んでいてお墓の管理ができない」「子ども自身が高齢になっており引き継げない」といったケースが静かに増えています。
当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)では、「後継者がいない・いなくなる」「管理が負担」が墓じまいの主要動機として多く挙げられました。平塚市のような全国平均型の街こそ、問題が表面化しにくいまま深刻化するリスクがあります。

平塚市の墓じまいの流れ——6つのステップ
墓じまいは「お墓を撤去する」だけではなく、改葬許可の取得・石材店への依頼・遺骨の移転先の確保など、複数のステップを順番に進める必要があります。ここでは平塚市での墓じまいの全体像を6ステップで解説します。詳細は墓じまいの流れ完全ガイドもご参照ください。
ステップ1:家族・親族への相談
墓じまいは、お墓にゆかりのある親族全員が関わる問題です。突然進めると親族間のトラブルに発展することがあります。まずは「お墓をこのままにしておくと将来どうなるか」という問題意識を共有し、家族で話し合う場を設けましょう。
特に、遠方に住む親族・高齢の親族には早めに連絡を取ることが大切です。墓じまいに反対する家族がいる場合は、費用の分担・供養の形・故人への思いなどを丁寧に話し合うことで、理解を得やすくなります。
親族の理解を得るのが大変でした。
墓じまい経験者千葉県・69歳・男性
ステップ2:お寺・霊園への連絡
現在お墓があるお寺や霊園に、墓じまいの意向を伝えます。お寺のお墓(寺院墓地)の場合は「離檀」の手続きが必要になります。離檀とは、そのお寺の檀家をやめることで、一般的には閉眼供養(魂抜き)の法要を行い、離檀料をお渡しするのが慣習です。
お寺によっては「急に言われても困る」という反応もありますので、少なくとも数か月前には連絡し、丁寧に進めることをおすすめします。市営霊園や民間霊園の場合は離檀料は不要ですが、管理者への連絡と手続きが必要です。
ステップ3:改葬先の確保と受入証明書の取得
改葬許可申請の前に、必ず遺骨の移転先(改葬先)を確定させる必要があります。永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、さまざまな選択肢があります。改葬先が決まったら、その施設から「受入証明書(受け入れ証明書)」を発行してもらいます。この書類が改葬許可申請の必須添付書類となります。
ステップ4:平塚市への改葬許可申請
改葬先の受入証明書が揃ったら、現在のお墓がある市区町村(平塚市)の窓口へ改葬許可を申請します。申請書には埋葬(埋蔵)証明書・受入証明書などを添付します。詳しくは次のセクションで解説します。
ステップ5:お墓の解体・撤去と閉眼供養
改葬許可証を取得したら、石材店に依頼してお墓を解体・撤去し、遺骨を取り出します。お寺のお墓の場合は、解体の前に閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。閉眼供養はお寺の住職に依頼します。
石材店は複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。同じ工事でも石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあるためです。
ステップ6:改葬先への納骨
取り出した遺骨を改葬先に持参し、改葬許可証を提出して納骨します。これで墓じまいの手続きはすべて完了です。改葬先によっては開眼供養(魂入れ)の法要を行うこともあります。
改葬許可申請の手続き——平塚市の窓口・書類・手数料
改葬(お墓の引っ越し)を行うには、墓地埋葬法に基づき「改葬許可証」を市区町村から取得することが法律で定められています。平塚市では以下の窓口で受け付けています。
申請窓口と連絡先
平塚市のお墓の改葬許可申請は、平塚市保健所 環境衛生課が担当窓口です。
電話:0463-22-2854(代表)
所在地:平塚市浅間町9-1(平塚市保健所内)
申請前に電話で必要書類や手順を確認しておくと、書類不備による二度手間を防げます。
必要書類
改葬許可申請に必要な書類は一般的に以下の通りです。ただし状況によって異なる場合があるため、必ず事前に環境衛生課へ確認してください。
・改葬許可申請書:平塚市所定の様式。窓口またはウェブサイトで入手できます。
・埋葬(埋蔵)証明書:現在のお墓の管理者(お寺・霊園)が発行する書類です。遺骨が現在の場所に埋葬されていることを証明します。
・受入証明書:改葬先の施設が発行する書類です。改葬先が確定していないと取得できません。
・申請者の身分証明書:運転免許証・マイナンバーカードなど。
代理人が申請する場合は委任状が必要になることがあります。複数の遺骨を一度に改葬する場合は、遺骨ごとに申請書の提出が必要です。
申請の手数料
改葬許可申請の手数料は、多くの自治体では無料または数百円程度です。平塚市での手数料については、申請前に環境衛生課へお問い合わせください。手数料が発生する場合は、申請時に窓口でお支払いいただく形となります。
申請から許可証取得までの期間
書類に不備がなければ、申請当日〜数日以内に改葬許可証が発行されます。ただし書類の不備や確認事項があると時間がかかる場合があります。余裕をもったスケジュールで動くことをおすすめします。
手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた。
墓じまい経験者奈良県・54歳・女性
なお、改葬許可申請書の作成を専門家に相談したい場合は、行政書士へ依頼する方法もあります。手続きの流れを案内してもらいながら準備を進められます。

平塚市の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、離檀料・お墓の解体撤去費用・改葬先への納骨費用の大きく3つに分かれます。それぞれの相場を把握したうえで、早めに総額を見積もっておきましょう。
離檀料(お寺のお墓の場合)
離檀料とは、お寺の檀家をやめる際にお渡しするお布施のことです。相場は3〜20万円程度ですが、法的な定めはなく、お寺との関係性や慣習によって異なります。民間霊園・市営霊園のお墓の場合は離檀料は発生しません。
離檀料の他に、閉眼供養(魂抜き)の法要費用として3〜10万円程度が別途かかることがあります。
お墓の解体・撤去費用
石材店がお墓を解体・撤去し、遺骨を取り出す作業の費用です。お墓の大きさ・立地・石材の種類・作業のしやすさなどによって大きく変わります。
当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)では、解体・撤去費用として「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多でした。費用の幅が広いのは、石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じるためです。必ず複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
改葬先への費用
遺骨の移転先(永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など)によって費用は大きく異なります。目安は以下の通りです。
・永代供養墓(合祀型):5〜30万円程度
・永代供養墓(個別型):30〜100万円程度
・納骨堂:20〜100万円程度
・樹木葬:10〜80万円程度
・散骨(海洋散骨):5〜30万円程度
費用総額の目安
すべての費用を合計すると、墓じまいにかかる総額の目安は30〜150万円程度です。お寺のお墓で離檀料・閉眼供養・解体撤去・改葬先費用がすべてかかる場合は上限に近づく傾向があります。
費用を抑えるための最大のポイントは「石材店の相見積もり」と「改葬先の早期確定」です。複数の石材店から見積もりを取り、合祀型の永代供養墓や樹木葬など費用を抑えやすい改葬先を選ぶことで、総額を大幅に圧縮できることがあります。

良い石材店を選ぶことが第一で見積りは必ず取る。
墓じまい経験者大阪府・72歳・女性
補助金と平塚市の公営霊園について
墓じまいに踏み切る前に、費用の助成制度や公営霊園の情報を確認しておきましょう。
平塚市の墓じまい補助金
2026年3月時点で、平塚市には墓じまい(改葬)費用を補助する制度はありません。費用は全額自己負担となります。補助制度は自治体の判断によって新設・変更されることがあります。最新の情報は平塚市保健所 環境衛生課(電話:0463-22-2854)へ直接ご確認ください。
平塚市営土屋霊園
平塚市には市が管理する公営霊園として平塚市営土屋霊園があります。市営霊園は民間霊園に比べて管理費が低く抑えられる傾向があり、永続的な管理が期待できる点がメリットです。
市営霊園への新規申し込みには抽選があり、申し込み資格(平塚市民であることなど)が定められています。すでに市営霊園にお墓がある場合、墓じまいの相談や手続きについては霊園の管理事務所にお問い合わせください。
また、市営霊園から別の場所への改葬(引っ越し)を行う場合でも、改葬許可申請は平塚市保健所 環境衛生課への申請が必要です。
民間霊園・お寺のお墓の場合
民間霊園やお寺のお墓から改葬する場合も、手続きの流れは同じです。埋葬(埋蔵)証明書はお墓の管理者(霊園事務所・お寺)から発行してもらいます。お寺のお墓の場合は、住職との事前相談が特に重要です。
墓じまい後の供養先の選び方
墓じまいの最大の不安の一つが「遺骨をどこに納めるか」です。現在は多様な供養の形があり、ライフスタイルや費用・家族の希望に合わせて選ぶことができます。ここでは主な4つの選択肢を解説します。
永代供養墓——後継者不要で安心の選択肢
永代供養墓は、お寺や霊園が将来にわたって永続的に供養・管理してくれるお墓です。後継者が不要なため、「子どもに負担をかけたくない」「自分の代で家のお墓を終わりにしたい」という方に選ばれています。
合祀型(ほかの方の遺骨と一緒に納める形式)は費用が5〜30万円程度と比較的安価です。個別に安置される個別型は費用が高めですが、一定期間は個別管理されます。詳しくは墓じまい後の永代供養の記事をご覧ください。
納骨堂——屋内で天候を問わずお参りできる
納骨堂は建物内に遺骨を安置する施設です。雨・雪・猛暑を問わずお参りできる点が高齢の方に人気です。ロッカー型・仏壇型・自動搬送型など形式はさまざまで、費用の目安は20〜100万円程度です。
神奈川県内には多数の納骨堂があり、平塚市からアクセスしやすい施設も少なくありません。詳しくは墓じまい後の納骨堂の記事もご参照ください。
樹木葬——自然の中で眠る
樹木葬は、樹木の根元や自然豊かな区画に遺骨を埋葬する形式です。「自然に還りたい」という希望を持つ方に支持されています。後継者が不要な合祀型と、個別区画のある里山型・ガーデン型などがあります。費用の目安は10〜80万円程度です。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご覧ください。
散骨——海や自然に還る選択
散骨は遺骨を粉末状(粉骨)にして海・山・空などに撒く供養の形です。費用は5〜30万円程度と比較的安価で、「お墓を持たない」という選択を望む方に選ばれています。神奈川県は海に近い立地のため、海洋散骨の選択肢も豊富です。詳しくは墓じまい後の散骨の記事をご参照ください。
供養先の選び方は、費用・アクセス・お参りのしやすさ・宗教的な考え方など、さまざまな要素を家族で話し合いながら決めることが大切です。
時代の流れでいろいろな供養の仕方がある。他人より自分または家族にとって1番良い方向に。
墓じまい経験者東京都・59歳・男性
平日は仕事で休めないので、役所の手続きが一番きつかったです。お墓のあった市役所まで行かないと改葬許可証がもらえないと言われて、有給をなんとか取って行きました。手続きのことなんて誰も教えてくれないし、ネットで調べながら一人で進めるのは心細かったです。
墓じまい経験者東京都・20代・女性
よくある質問
Q. 平塚市での改葬許可申請はどこで受け付けていますか?
A. 平塚市保健所 環境衛生課(電話:0463-22-2854)が窓口です。申請前に必要書類を電話で確認しておくとスムーズです。
Q. 平塚市に墓じまいの補助金はありますか?
A. 2026年3月時点で、平塚市には墓じまい費用を補助する制度はありません。費用は全額自己負担となります。最新情報は環境衛生課へお問い合わせください。
Q. 改葬先が決まっていなくても申請できますか?
A. いいえ。改葬許可申請には改葬先の「受入証明書」が必要です。先に改葬先を確定させてから申請してください。改葬先が決まる前に申請しようとしても受理されません。
Q. お寺のお墓の場合、離檀料はいくら払えばいいですか?
A. 相場は3〜20万円程度です。法的な定めはないため、お寺と丁寧に話し合うことが大切です。極端に高額な離檀料を請求された場合は、消費生活センターや弁護士に相談する方法もあります。閉眼供養の法要費用(3〜10万円程度)も別途かかることがあります。
Q. 平塚市営土屋霊園からの改葬はどうすれば手続きできますか?
A. まず霊園管理事務所へ連絡し、墓じまいの手続き方法を確認してください。その後、平塚市保健所 環境衛生課で改葬許可申請を行います。市営霊園の場合、返還する区画の原状回復(お墓の撤去)も必要になることがあります。
Q. 墓じまいはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 家族の同意・お寺との交渉・改葬先の選定・申請手続き・石材店の手配など、すべて順調に進んでも3〜6か月はかかるのが一般的です。お寺との交渉が難航する場合や、改葬先の空き待ちがある場合はさらに時間がかかることがあります。早めに動き出すことをおすすめします。
まとめ:平塚市で墓じまいを進めるための要点
平塚市での墓じまいにあたって、おさえておくべき重要ポイントをまとめます。
- 高齢化率28.7%は全国平均と同じだが、核家族化率57.9%・生涯未婚率20.3%が示すとおり継承リスクは着実に進行している
- 改葬許可申請の窓口は平塚市保健所 環境衛生課(電話:0463-22-2854)
- 申請前に必ず改葬先の受入証明書を取得しておく(先に改葬先を確定させることが必要)
- 墓じまいの費用目安は30〜150万円程度。石材店は複数社に相見積もりを取ること
- 解体・撤去費用は「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多(当サイト調査、経験者n=52)
- 平塚市には平塚市営土屋霊園がある。市営霊園からの改葬も環境衛生課への申請が必要
- 現時点で平塚市に墓じまいの補助金制度はない
- 供養先は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨から選べる。後継者不要の形を選ぶ方が増えている
- 手続き全体に3〜6か月かかるため、元気なうちに早めに動き出すことが重要
墓じまいの全体的な流れや改葬先の詳しい比較については、墓じまい完全ガイドでも詳しく解説しています。まずは家族で話し合う場を設け、一歩踏み出してみましょう。





