熊本市の墓じまいを検討する人が増えている理由
当社(墓じまいパートナーズ)が実施した墓じまい実態調査2026によると、墓じまいを検討したきっかけで最も多かったのは「遠方のため」(47.8%)、次いで「墓参りが難しくなった」(37.8%)でした(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)。
熊本市では、社会構造の変化や家族のあり方の変容を背景に、墓じまいを選択する方が増えています。国勢調査2020のデータをもとに、その背景を具体的に見ていきましょう。
単身世帯の増加と承継者不在の問題
国勢調査2020によると、熊本市の単身世帯率は39.2%と全国平均38.0%を1.2ポイント上回っています。熊本市は近年人口が増加傾向にある一方、単身者・若者世帯の流入が多く、「お墓を継ぐ立場にある人」が熊本市外に出てしまっているケースが増えています。
生涯未婚率(50歳時点)は18.6%(全国平均19.7%)と全国平均よりやや低いものの、約5〜6人に1人は生涯未婚という状況です。独身のまま歳を重ねた場合、「自分が亡くなった後にお墓を誰が守るのか」という問題が顕在化し、30〜40代のうちから墓じまいを検討するケースも出てきています。
墓じまい体験談
自分は今も独身で、結婚の予定も特にないですし、このまま歳を取っていったら、自分が亡くなったあとこのお墓はどうなるんだろうって思ったんです。誰も見る人がいなくて無縁仏になってしまうのも、なんだか父に申し訳ない気がして。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
人口動態・高齢化・遠距離管理の課題
熊本市の高齢化率は26.6%(全国平均28.7%)と全国平均をやや下回っており、比較的若い都市ですが、周辺市町村から人口が流入する一方で、生まれ育った世代は他の大都市へ転出する流れが続いています。人口増減率は-0.26%(全国平均-0.75%)と全国ほど減少していませんが、若い世代の流動性が高く、「実家のお墓を熊本市で守れる人がいない」という状況が生じています。
核家族化率は53.3%(全国平均54.1%)とほぼ全国並みです。かつての「本家の長男がお墓を継ぐ」という慣習が薄れ、お墓の継承者が誰なのか曖昧になっているご家庭も増えています。こうした「誰が継ぐか決まっていない」状態が長引くと、管理が滞り荒れた墓地になってしまうリスクもあります。
(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)

熊本市での墓じまいの流れ
墓じまいは大きく6つのステップで進めます。手続きの順番を間違えると二度手間になることがあるため、事前に全体の流れを把握しておきましょう。
① 家族・親族への相談
墓じまいは、お墓に縁のある親族全員に関わる決断です。特に遠方に住む兄弟・姉妹や親戚にも早めに連絡し、合意を得てから手続きを進めましょう。事後報告になると「なぜ相談してくれなかったのか」とトラブルに発展するケースがあります。費用の分担方法や改葬先の希望についても話し合っておくとスムーズです。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
お寺のお墓の場合は、住職に墓じまいの意向を丁寧に伝えます。閉眼供養(魂抜き)のお布施は3〜15万円程度、離檀料は0〜20万円程度が目安です。公営墓地、民間霊園の場合は管理事務所に解約の申し出をします。霊園によっては指定石材店制度があり、他社への依頼ができない場合もありますので、事前に規約を確認しておきましょう。
墓じまい体験談
自分は今も独身で、結婚の予定も特にないですし、このまま歳を取っていったら、自分が亡くなったあとこのお墓はどうなるんだろうって思ったんです。誰も見る人がいなくて無縁仏になってしまうのも、なんだか父に申し訳ない気がして。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
③ 改葬先の確保
改葬許可申請書には改葬先の情報(受入証明書)が必要なため、申請前に遺骨の受け入れ先を決めておく必要があります。永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、費用や将来のお参りのしやすさを比較しながら選びましょう。熊本市外(福岡・東京など子供の近く)に改葬先を設けるケースも増えています。
④ 熊本市への改葬許可申請
お墓がある市区町村(熊本市内のお墓であれば熊本市)に改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を取得します。申請先は健康福祉政策課(TEL: 096-328-2340)です。改葬許可証を取得するまでは遺骨を移すことができません。
⑤ お墓の解体・撤去(石材店への依頼)
改葬許可証を取得したら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。費用は墓石の大きさや立地条件(階段・傾斜・重機の入りやすさ)によって異なりますが、10〜40万円程度が目安です。同じ条件でも業者によって1.5〜2倍程度の価格差があることがあるため、複数社から相見積もりを取るようにしましょう。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を改葬先へ移送し、開眼法要(入魂式)を行います。これで墓じまいの一連の手続きはすべて完了です。改葬後も年忌法要などで供養を続けていくことができます。
詳しくは墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。

熊本市での改葬許可申請の手続き
改葬許可申請は、現在のお墓がある市区町村の役所に提出します。熊本市内のお墓を改葬する場合は以下の窓口にお問い合わせください。

担当窓口と問い合わせ先
- 担当部署:健康福祉政策課
- 所在地:〒860-8601 熊本市中央区手取本町1番1号
- 電話番号:096-328-2340(FAX:096-351-2183)
- 改葬許可申請ページ:熊本市 改葬許可申請
受付時間や窓口の場所は変更される場合があります。訪問前に上記の電話番号またはWebサイトで最新情報をご確認ください。
必要書類
- 改葬許可証交付申請書:窓口またはWebサイトで入手できます。1遺骨につき1枚の提出が必要です
- 埋葬(収蔵)証明書:現在のお墓の管理者(住職・霊園管理事務所)に発行してもらいます
- 受入証明書または使用許可書:改葬先の管理者に発行してもらいます
- 申請者の身分証明書:運転免許証やマイナンバーカードなど
書類に不備があると再提出が必要になるため、事前に窓口(096-328-2340)またはWebサイトで最新の必要書類を確認しておきましょう。なお、改葬許可申請書の作成を専門家に依頼する場合は、行政書士へ相談する方法もあります。
申請から許可証交付まで
書類に不備がなければ、窓口での申請当日または数日以内に改葬許可証が交付されるのが一般的です。遠方にお住まいの方は郵送対応が可能かどうかを事前に確認してください。
熊本市の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、お墓本体を撤去する費用、お寺のお墓の場合に発生する供養・檀家関連の費用、そして新しい供養先にかかる費用に分かれます。それぞれの目安を、発生頻度の高いものから順に確認しておきましょう。
お墓の解体・撤去費用(石材店への依頼)
墓石の解体・撤去と区画の更地化を石材店に依頼する費用です。一般的な家庭墓であれば10〜40万円程度が目安で、墓石のサイズ・基礎の構造・霊園内での搬出経路(重機が入れるか等)によって変動します。石材店ごとに費用は1.5〜2倍ほどの開きが出ることがあるため、相見積もりで比較するのが基本です。お寺・霊園が指定する石材店がある場合は、その石材店に依頼することが基本になります。指定がない場合は、複数社から相見積もりを取り、解体範囲(基礎の撤去・残土処分・運搬・産業廃棄物処分料)を比較しましょう。
閉眼供養(魂抜き)のお布施
お墓を解体する前に、住職に依頼してお墓に宿った魂を抜く閉眼供養を行うのが一般的です。お布施の目安は3〜15万円程度です。お寺のお墓に限らず、仏式で供養してきたお墓の場合は実施するケースが多くあります。閉眼供養当日のお車代・お膳料が別途必要なお寺もあります。
改葬先(新しい供養先)への費用
新しい供養先にかかる費用は、選ぶ形態によって5〜150万円と幅があります。永代供養墓は10〜100万円程度、納骨堂は30〜150万円程度、樹木葬は5〜80万円程度、散骨は5〜30万円程度が目安です。費用だけでなく、お参りのしやすさ・管理体制・宗教宗派の制約も含めて比較しましょう。
離檀料(お寺のお墓の場合のみ)
離檀料は檀家をやめる際にお寺へ支払う費用ですが、実際には請求しないお寺の方が多く、請求がなければ発生しません。請求の有無や金額はお寺によって異なり、請求された場合の相場は20万円程度までです。閉眼供養や法要に対するお布施(3〜15万円程度)とは別に発生する費用です。なお離檀料は法的な支払い義務があるものではないため、法外な金額を請求された場合は住職と丁寧に話し合うか、場合によっては弁護士に相談するのも一つの手です。民間霊園・公営墓地のお墓には離檀料は発生しません。
総額の目安
上記を合わせた総額は30〜150万円程度が目安です。お寺のお墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても大きく変わります。費用感を早めに把握し、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

熊本市に墓じまいの補助金はある?
2026年時点で、熊本市独自の墓じまい補助金制度は設けられていません。国レベルでも墓じまいに特化した補助制度は存在しないのが現状です。
費用を少しでも抑えるためには、①石材店を複数社で相見積もりする、②散骨や樹木葬など費用が抑えやすい改葬先を検討する、③公営霊園の合葬墓(数万円から)を活用するという方法が有効です。
熊本市の公営墓地について
熊本市は花園墓地・桃尾墓園・立田山墓地・浦山墓園・小峯墓地・城山墓園・清水墓園など、市が管理する公営墓地を市内各所に設けています。市民であれば申し込み資格を満たすケースが多く、年間管理費を抑えて利用できる点が特徴です。募集時期・費用・申し込み資格は墓地ごとに異なり、応募者多数の場合は抽選となることもあります。なお当サイトは熊本市と関係のない民間サイトのため、最新の募集状況・費用・申し込み条件は必ず熊本市公式サイトでご確認ください。
墓じまい後の供養先の選び方
墓じまい後の遺骨の行き先として、主に以下の4つが選ばれています。
永代供養墓
お寺や霊園が遺骨を永続的に管理・供養する形態です。承継者がいなくても任せられるため、「次の世代に負担をかけたくない」という方に人気です。費用の目安は10〜100万円程度です。詳しくは墓じまい後の永代供養をご覧ください。
納骨堂
室内の納骨スペースに遺骨を収蔵する形態です。天候に左右されず、都市部でのアクセスの良さから人気があります。費用の目安は30〜150万円程度です。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご覧ください。
樹木葬
墓石の代わりに樹木を墓標とする自然葬です。自然回帰を望む方や費用を抑えたい方に人気です。費用の目安は5〜80万円程度です。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご覧ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山に散布する方法です。費用の目安は5〜30万円程度と比較的リーズナブルです。詳しくは墓じまい後の散骨をご覧ください。
よくある質問
熊本市での改葬許可申請は自分でできますか?
はい、改葬許可申請は申請者本人が行うのが原則です。特別な資格は不要で、必要書類を揃えて健康福祉政策課(TEL: 096-328-2340)に提出するだけです。書類の作成が不安な方は行政書士に相談することもできます。
熊本市での墓じまい費用はいくらかかりますか?
お墓の規模・種類や改葬先によって異なりますが、総額30〜150万円程度が目安です。主な内訳は石材店への解体費10〜40万円、お寺の場合は閉眼供養3〜15万円・離檀料0〜20万円、改葬先の費用5〜150万円です。石材店は必ず複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
熊本市に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点で、熊本市独自の墓じまい補助金制度はありません。費用を抑えるには石材店の相見積もりや、散骨・樹木葬など費用が安めの改葬先を選ぶことが有効です。
お寺ではなく公営墓地、民間霊園の場合、手続きは違いますか?
閉眼供養のお布施や離檀料は原則不要です。管理事務所に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書を発行してもらってから改葬許可申請を進める基本的な流れは同じです。霊園によっては指定石材店制度があり他社への依頼ができない場合もあります。
熊本市内に複数のお墓がある場合、まとめて手続きできますか?
1遺骨につき1枚の改葬許可証が必要です。複数のお墓(複数の遺骨)がある場合は、それぞれの遺骨ごとに申請書を提出する必要があります。まとめて申請することは可能ですので、窓口(096-328-2340)にご相談ください。
まとめ:熊本市で墓じまいを進めるために
- 単身世帯率39.2%(全国+1.2pt)など、承継者不在・遠距離管理を理由とした墓じまいが増えています
- 改葬許可申請の窓口は健康福祉政策課(TEL: 096-328-2340)
- 必要書類は①改葬許可証交付申請書 ②埋葬証明書 ③受入証明書 ④身分証明書の4点が基本
- 費用の総額目安は30〜150万円。石材店は必ず複数社から相見積もりを
- 2026年時点で熊本市独自の補助金制度はなし
- 改葬先は永代供養・納骨堂・樹木葬・散骨から家族の希望に合わせて選択を
墓じまいは一度決めたら後戻りできない手続きです。費用・手順・改葬先についてしっかり情報収集し、家族全員で納得のいく形で進めることが大切です。
熊本県の他の市区町村での手続きについては熊本県の墓じまいもご覧ください。
詳しくは墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。