那覇市でお墓の墓じまいを検討している方へ、この記事では手続きの流れ・費用の目安・補助金の有無まで、那覇市の情報をもとにわかりやすく解説します。
沖縄では「亀甲墓(かめこうばか)」や「破風墓(はふばか)」といった独自の形態のお墓が多く、また「門中(もんちゅう)」と呼ばれる父系親族集団で共同管理する「門中墓」が根付いています。こうした沖縄特有の墓文化のなかで、高齢化・未婚化・核家族化が進むにつれて、「門中の維持が難しくなった」「承継する人がいない」という理由から墓じまいを検討する方が年々増えています。
2020年の国勢調査によると、那覇市では全世帯の43.3%が単身世帯です(全国平均38.0%)。また50〜54歳時点の未婚率は23.6%と全国平均(19.7%)を大きく上回っており、お墓を将来引き継ぐ人がいないという状況が現実的な課題となっています。「手続きが複雑そう」「費用がいくらかかるか不安」という方も多いと思います。でも、正しい順番で進めれば、一つひとつは着実に対応できます。この記事を読めば、那覇市で墓じまいを進めるために必要な情報がひととおりわかります。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。

那覇市の墓じまいを検討する人が増えている理由
沖縄県全体では近年、改葬(遺骨の移転)の件数が増加傾向にあります。那覇市もその流れのなかにあり、伝統的な沖縄の墓文化と現代の生活スタイルの変化が交差するなかで、墓じまいを選ぶ方が増えています。
高齢化・未婚化の実態
2020年の国勢調査をもとに、那覇市の4つの指標を確認しておきましょう。
那覇市の高齢化率は23.5%(全国平均28.7%)です。全国平均より低い数値ですが、これは沖縄全体の人口構造の特徴でもあり、今後は急速な高齢化が見込まれています。人口増減率は-0.57%(2015→2020年)で、全国平均(-0.75%)より緩やかながらも減少に転じています。
単身世帯率は43.3%(全国平均38.0%)。那覇市の全世帯のうち4割以上が一人暮らしという計算になります。そして50〜54歳時点の未婚率は23.6%と全国平均(19.7%)を上回っており、4人に1人近くが未婚のまま50代を迎えている状況です。
お墓は将来的に誰かが引き継いで管理していくものです。しかし単身世帯が多く、子どものいない世帯も少なくない那覇市では、「自分が亡くなった後、誰もお墓を守れなくなる」という不安を抱えている方が年々増えています。「無縁墓にしてしまう前に、自分の代で整理しておきたい」という声は、そうした背景から生まれています。
家族のかたちの変化
那覇市の核家族化率は50.2%(全国平均54.1%)です。全国平均より低い数値は、沖縄の地域コミュニティの結束力を示す一方で、近年は那覇市でも核家族化・都市への人口集中が進んでいます。
沖縄では伝統的に、「門中(もんちゅう)」と呼ばれる父系親族集団が共同でお墓を管理してきました。「門中墓」はひとつの墓に一族の遺骨をまとめて収める形が多く、管理には門中全体の合意と協力が必要です。しかし現代では、若い世代が本土へ移住したり、門中のつながりが希薄になったりするケースが増え、「門中で墓を維持できなくなった」という相談が増えています。また、那覇市特有の亀甲墓・破風墓は大型のものが多く、解体・撤去費用が一般的な墓石より高くなる場合があります。石材店への事前確認が特に重要です。
故人のたちばからすると寂しく思うが残された家族は楽になると思う。
墓じまい経験者福岡県・49歳・女性
「家族への思いやりから生まれる決断」として墓じまいを選ぶ方は、沖縄でも全国でも増えています。伝統を大切にしながらも、現実の生活に合わせた選択を模索するのは自然なことです。

那覇市での墓じまいの流れ
墓じまいは「①家族・親族への相談→②お寺・霊園への連絡→③改葬先の確保→④行政手続き→⑤お墓の解体→⑥納骨」という順番で進めます。沖縄特有の事情もふまえながら、各ステップのポイントを確認しておきましょう。
① 家族・親族への相談
最初のステップは、お墓に関わる家族・親族全員への相談です。那覇市の場合、門中墓であれば門中の関係者全員に墓じまいの意向を伝え、合意を得ることが必要になります。一人の判断で進めると後々トラブルになることがあります。特に門中という共有財産に関わる話であるため、早めに関係者全員で話し合いの場を設けましょう。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
現在のお墓がお寺の境内にある場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。沖縄でもお寺の檀家になっているケースがあり、その場合は離檀の手続きが必要です。唐突に切り出すのではなく、「後継者がいない」「管理が難しくなってきた」など事情を誠実に伝えることが、円満な墓じまいへの近道です。民間霊園・公営墓地のお墓の場合は管理事務所へ連絡して、返還手続きの流れを確認します。
③ 改葬先の確保(申請手続きを進める前に必須)
改葬先を先に決めておくことが重要です。那覇市への改葬許可申請には、新しい供養先が発行する「受入証明書または使用許可書」が必要になります。供養先が決まっていない状態では申請を進めることができませんので、この順番を守ることが手続きをスムーズに進めるポイントです。
④ 那覇市への改葬許可申請
改葬先が決まったら、那覇市の窓口に改葬許可申請を行います。詳しくは次の章で解説します。
⑤ お墓の解体・撤去
改葬許可証が交付されたら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。その前に、お寺で閉眼供養(魂抜き)を行うのが一般的です。沖縄の亀甲墓や門中墓は大型のものが多いため、解体・撤去の費用や作業期間が一般的なお墓より長くなることがあります。また、納骨されている遺骨の数が多い場合、骨壺・遺骨の整理にも時間がかかります。必ず複数の石材店から相見積もりを取ることをおすすめします。
⑥ 新しい供養先へ納骨
遺骨を取り出し、新しい供養先に納骨すれば墓じまいは完了です。那覇市内や沖縄県内の永代供養施設・納骨堂を選ぶ方もいれば、本土の施設へ移す方もいます。家族の生活圏に合わせた選択が長期的には管理しやすくなります。
手続きの面倒さがあり書類不備などで何度も足を運んでいた。
墓じまい経験者奈良県・54歳・女性
書類の準備に想像以上に時間がかかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。墓じまいの各ステップの詳しい内容は墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。

那覇市での改葬許可申請の手続き
遺骨を別の場所に移すには、法律に基づいて「改葬許可申請」を市区町村に提出し、「改葬許可証」を取得する必要があります。那覇市での申請方法を具体的に説明します。
担当窓口と問い合わせ先
那覇市では、市民文化部 ハイサイ市民課 証明グループが改葬許可申請の担当窓口です。まずは電話で書類の準備について確認してから窓口に向かうと、書類不備を防ぐことができます。
那覇市 市民文化部 ハイサイ市民課 証明グループ TEL 098-862-3274

なお、那覇市のお墓がある場合はハイサイ市民課へ申請しますが、沖縄県内の他の市町村にお墓がある場合はそれぞれの市町村役場へ申請が必要になります。お墓の所在地の市区町村に申請することが原則ですので、ご注意ください。
必要書類
申請に必要な書類は主に2点です。
① 改葬許可証交付申請書
那覇市のホームページからダウンロードできます。現在の埋葬先(お寺や霊園・門中の管理者)による証明が必要になる場合があります。門中墓の場合は、門中の代表者や管理者による証明書類が必要になることもありますので、事前に確認しておきましょう。
② 改葬先の受入証明書または使用許可書
新しい供養先が発行する書類です。この書類がないと申請が進められないため、必ず改葬先を決めてから手続きに入ることが前提になります。
申請から許可証交付まで
書類を揃えて窓口に提出すると、改葬許可証が交付されます。手続き自体はさほど複雑ではありませんが、書類に不備があると再度窓口へ足を運ぶことになるため、事前確認が大切です。那覇市の場合、門中墓の遺骨は複数人分まとまっていることが多く、遺骨の数に応じて申請書を複数枚提出するケースもあります。手続きに入る前に窓口へ電話で相談しておくことをおすすめします。
なお、書類の準備や手続きに不安がある場合は、改葬許可申請書の作成について行政書士に相談する方法もあります。お寺や門中との調整でトラブルが生じている場合は、弁護士への相談が適しています。
那覇市の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、大きく「①離檀料」「②石材店への解体・撤去費用」「③改葬先への費用」の3つに分かれます。それぞれの目安と、沖縄・那覇市ならではの注意点を確認しておきましょう。
① 離檀料(お寺のお墓の場合)
お寺の境内にお墓がある場合、檀家をやめる際にお寺へ納めるお布施が発生します。金額は宗派やお寺との関係によって異なりますが、3〜20万円程度が一般的な目安です。高額な離檀料を強く求められた場合でも、法的な支払い義務はありませんので、冷静に話し合うことが大切です。民間霊園・公営墓地・門中墓のお墓には発生しません。
② 石材店への解体・撤去費用
墓石を解体して区画を更地に戻す費用です。全国的な相場は10〜40万円程度ですが、石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあります。那覇市を含む沖縄県内の亀甲墓・破風墓・門中墓は大型のものが多く、解体・撤去費用が本土の一般的な墓石より高くなる傾向があります。複数の遺骨が納められている場合の骨壺の整理費用が別途かかるケースもあります。必ず複数社から相見積もりを取ることをおすすめします。
当サイトの調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)では「10万円未満」と「30〜50万円」がそれぞれ19.2%で最多でした。石材店によって1.5〜2倍程度の価格差が生じることがあるため、必ず複数の石材店に相見積もりを取ることをおすすめします。
③ 改葬先への費用
永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、選ぶ供養先によって費用はさまざまです。数万円程度から数十万円以上まで幅があります。沖縄県内で供養先を探す場合と、本土の施設を選ぶ場合では選択肢の幅も費用感も異なります。費用だけでなく、立地や管理のしやすさも含めて比較することが大切です。
総額の目安
これら3つを合わせた総額は30〜150万円程度になるケースが多いです。お寺のお墓か門中墓か霊園かによって、また墓石の大きさや選ぶ供養先によっても変わります。沖縄の大型墓の場合は費用が高くなることも念頭に置き、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
費用を抑えるための具体的な方法は墓じまいの費用を抑える方法で詳しく解説しています。また費用の詳細な内訳については墓じまい費用はいくら?もあわせてご覧ください。

早めに墓じまいをすることを、おすすめします。
墓じまい経験者京都府・53歳・男性
那覇市に墓じまいの補助金はある?
結論からお伝えすると、2026年時点で那覇市には墓じまい専用の補助金制度はありません。沖縄県全体としても、墓じまいに対する独自の助成制度は設けられていない状況です。最新情報は那覇市公式サイトでご確認ください。
費用を抑えるためにできること
補助金がない分、費用を工夫することが大切です。
石材店は複数社から相見積もりを取ることで費用を抑えられる可能性があります。那覇市・沖縄県内の石材店は、亀甲墓や門中墓の解体実績がある業者に依頼することで、作業の質と費用のバランスが取りやすくなります。
また、供養先も合祀型の永代供養や散骨など費用を抑えやすい選択肢があります。門中墓の遺骨が複数体ある場合は、一括して合祀永代供養にすることで費用を大幅に抑えられる場合もあります。
具体的な節約方法は墓じまいの費用を抑える方法をご参照ください。
那覇市の市営霊園・公営霊園
那覇市には市が運営する公営霊園があります。識名霊園・市民共同墓などがあり、市民であれば申し込み資格があります。公営霊園は民間霊園に比べて費用が抑えられる傾向がありますが、空き区画が少なく抽選になることもあります。改葬先として公営霊園を検討する場合は、那覇市の担当窓口にお問い合わせください。なお、墓じまいへの補助金は現時点では設けられていません。
墓じまい後の供養先の選び方
那覇市で墓じまいをした後、遺骨をどこに移すかは非常に大切な選択です。沖縄県内でも近年さまざまな供養の形が広まっており、従来の大型墓に限らない選択肢が増えています。墓じまい後の供養先として代表的な4つの方法をご紹介します。
永代供養墓
お寺や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。承継者が不要なため、「自分の代で終わりにしたい」という方に選ばれています。費用は数十万円程度が目安です。沖縄でも永代供養を取り扱うお寺・霊園が増えており、門中墓から移す先として選ぶ方もいます。詳しくは墓じまい後の永代供養をご参照ください。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を収蔵する方法で、都市部に多く存在します。那覇市内にも納骨堂を備えた施設があり、雨の多い沖縄の気候でも管理の手間がかかりにくい点が特徴です。費用は数万〜数十万円程度と幅があります。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご参照ください。
樹木葬
樹木を墓標とした自然葬で、近年全国的に人気が高まっています。沖縄でも自然に還るという考え方から選ぶ方が増えており、本土の施設を選択するケースもあります。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご参照ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山などに散布する方法です。沖縄は周囲を海に囲まれており、海洋散骨を選ぶ方もいます。費用を抑えやすく、自然に還るという考え方から選ぶ方もいます。詳しくは墓じまい後の散骨をご参照ください。
永代共同供養が、1番良いと思った。
墓じまい検討中東京都・57歳・男性
どの方法が合っているかは、費用・アクセス・宗教的なご要望によって異なります。複数の選択肢を比較しながら、ご家族で話し合って決めることをおすすめします。
お墓の管理についての不安がなくなったことです。沖縄にお墓があった頃は、なかなか帰省できず「草が伸びていないかな」「荒れていないかな」と気にすることが多く、どこか心に引っかかるものがありました。移してからは思い立ったときに手を合わせに行けるようになり、気持ちの面でもだいぶ楽になりました。
墓じまい経験者埼玉県・40代・男性
よくある質問
那覇市での改葬許可申請は自分でできますか?
はい、自分で申請できます。那覇市の担当窓口は市民文化部 ハイサイ市民課 証明グループ(TEL 098-862-3274)です。必要書類は改葬許可証交付申請書と改葬先の受入証明書が基本です。書類の準備や手続きに不安がある場合は、行政書士に相談する方法もあります。
那覇市での墓じまい費用はいくらかかりますか?
離檀料・石材店への解体費用・改葬先への費用を合わせると、30〜150万円程度になるケースが多いです。沖縄の亀甲墓や門中墓は大型のものが多く、解体・撤去費用が高くなる場合があります。必ず複数の石材店から相見積もりを取るようにしましょう。
那覇市に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点では、那覇市に墓じまい専用の補助金制度はありません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用を抑えやすい供養先(合祀型永代供養・散骨など)の選択が有効です。最新情報は那覇市公式サイトでご確認ください。
門中墓の墓じまいは個人墓と手続きが違いますか?
改葬許可申請の手続き自体は同じですが、門中墓の場合は複数人の遺骨がまとめて納められていることが多く、遺骨の数に応じた申請書の提出が必要になる場合があります。また、門中の関係者全員の合意を得てから手続きを進めることが大切です。事前に那覇市のハイサイ市民課へ電話で確認することをおすすめします。
亀甲墓の解体費用は通常の墓石と違いますか?
亀甲墓・破風墓は構造が大型で独特な形状のため、解体・撤去費用が通常の墓石より高くなる場合があります。また、複数体の遺骨が納められているケースも多く、骨壺の整理費用が別途かかることもあります。石材店によって見積もりに大きな差が出ることがありますので、必ず複数社に相談してください。
まとめ:那覇市で墓じまいを進めるために
那覇市での墓じまいについて、重要なポイントをまとめます。
- 単身世帯率43.3%・未婚率23.6%(全国平均19.7%)という那覇市の実情から、承継者不在の問題は身近な課題です。沖縄特有の門中墓の維持が難しくなっている方も増えており、早めの検討が将来の安心につながります。
- 改葬許可申請の窓口は市民文化部 ハイサイ市民課 証明グループ(TEL 098-862-3274)。門中墓や亀甲墓の場合は遺骨の整理など特有の確認事項があるため、まず電話で相談することをおすすめします。
- 申請に必要な書類は「改葬許可証交付申請書」と「改葬先の受入証明書」が基本。改葬先を先に決めてから申請を進めましょう。
- 補助金は2026年時点でなし。沖縄の大型墓は解体費用が高くなりやすいため、複数社の相見積もりや供養先の選択で費用を調整することが大切です。
- 供養先の選択肢は永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など。那覇市でも沖縄県内でも新しい供養の形が広まっており、家族の生活圏に合った方法を選ぶことが長期的に管理しやすくなります。
墓じまいは一度で完了する手続きではなく、家族や門中との話し合い・お寺や霊園との調整・行政手続き・石材店の手配など、複数のステップが必要です。まずはご家族・門中の関係者で現状を共有し、窓口や石材店へ相談してみることが第一歩です。
墓じまい完全ガイドでは、手続き全体の流れや費用の詳細を解説しています。あわせてご活用ください。





