鹿児島市でお墓の管理が難しくなり、墓じまい(改葬)を検討している方は増えています。鹿児島市は単身世帯率42.3%(全国平均38.0%)と全国を大きく上回っており、お墓を継ぐ人が見つからないご家庭が増えています。また、若い世代の都市部への移住が続く中、「鹿児島に残されたお墓を遠方から管理し続けるのが難しい」という理由で墓じまいを決断する方も多くなっています。
この記事では、鹿児島市での墓じまいに必要な手続き・費用・改葬許可申請の窓口について、行政書士や石材店への依頼も含めて詳しく解説します。改葬許可申請の担当部署や必要書類も具体的にご案内しますので、これから鹿児島市で墓じまいを進める方の参考にしてください。
墓じまい全体の流れについては、墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。
鹿児島市の墓じまいを検討する人が増えている理由
鹿児島市では、社会構造の変化や人口動態の変化を背景に、墓じまいを選択する方が年々増えています。国勢調査2020のデータをもとに、その背景を具体的に見ていきましょう。
高齢化・単身世帯の増加
国勢調査2020によると、鹿児島市の単身世帯率は42.3%と、全国平均38.0%を4.3ポイントも上回っています。一人暮らし世帯が多い地域では、「お墓を継いでくれる家族が近くにいない」「自分が高齢になったとき、誰がお参りに来てくれるかわからない」という不安を抱える方が多くなります。
高齢化率は28.6%(全国平均28.7%)とほぼ全国水準ですが、生涯未婚率(50歳時点)は19.2%(全国平均19.7%)と、約5人に1人が生涯未婚という状況です。子供や親族がいない・少ないという現実が、「承継者がいない」という問題を深刻にしています。
自分は今も独身で、結婚の予定も特にないですし、このまま歳を取っていったら、自分が亡くなったあとこのお墓はどうなるんだろうって思ったんです。誰も見る人がいなくて無縁仏になってしまうのも、なんだか父に申し訳ない気がして。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
人口流出と遠距離管理の問題
鹿児島市の人口増減率は-1.11%(全国平均-0.75%)で、全国平均よりも速いペースで人口が減少しています。鹿児島市から首都圏や関西圏に移住した子・孫の世代が、鹿児島に残されたお墓を遠方から維持し続けることへの負担感は大きく、「お盆やお彼岸のたびに帰省するのが体力的・金銭的に難しくなってきた」という声は珍しくありません。
核家族化率は52.6%(全国平均54.1%)とほぼ全国並みです。かつては「本家の長男がお墓を継ぐ」という慣習が機能していましたが、核家族化が進む中でそのような慣習も薄れ、お墓の継承者が誰なのかが曖昧になっているケースも増えています。「誰もお参りに来ない無縁墓になる前に、自分の代で決着をつけたい」という考え方も広まっています。
こうした「承継者がいない」「遠方で管理できない」という実態が重なり合い、鹿児島市でも墓じまいの件数は増加傾向にあります。墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)によると、墓じまいを検討するきっかけとして「お墓の継承者がいない・少ない」が最も多く挙げられており、鹿児島市のような人口流出が続く地域ではこの傾向が特に強くなっています。
(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ)、2026年3月、経験者n=52)

鹿児島市での墓じまいの流れ
墓じまいは大きく6つのステップで進めます。手続きの順番を間違えると二度手間になることもあるため、流れをしっかり確認してから進めましょう。
① 家族・親族への相談
墓じまいは、お墓に縁のある親族全員に関わる重大な決断です。事後報告になると「なぜ相談してくれなかったのか」と後々トラブルになるケースがあります。遠方に住む兄弟・叔父叔母にも早めに連絡し、お墓に対する思いや意見を聞いておきましょう。
特に、現在のお墓の祭祀主宰者(喪主経験者・墓の名義人)と、改葬後に遺骨を引き取る方(新しい供養先の管理者)を明確にしておくと、その後の手続きがスムーズになります。「高齢の親は守りたい、でも自分の子には負担をかけたくない」という気持ちのすれ違いが起きやすいテーマのため、費用の分担方法や改葬先の希望についても率直に話し合っておくことが大切です。全員の合意が得られたら、次のステップに進みます。
② お寺・霊園への連絡と離檀手続き
お寺のお墓の場合は、住職に墓じまいの意向を伝えます。「突然のお願いで申し訳ありません」という姿勢で丁寧に伝えることが大切です。多くのケースでは住職も理解してくださいますが、離檀料(お世話になったお礼)について話し合いが必要になる場合があります。
閉眼供養(魂抜き)のお布施は3〜15万円程度、離檀料は3〜20万円程度が目安です。法外な離檀料を要求された場合は、寺院の宗派の本山や行政書士に相談する方法もあります。公営墓地や民間霊園の場合は、管理事務所に解約の手続きを申し出てください。
霊園の規約で指定石材店しか使えなかったので、他社との相見積もりができなかったのが一番のストレスでした。業者から出された見積もりが適正価格なのか判断しづらくて、言い値で進めるしかないのがすごくモヤモヤしましたね。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
③ 改葬先の確保
改葬許可申請を行う前に、遺骨の受け入れ先を確保しておく必要があります。これは、改葬許可申請書に「改葬先の受入証明書(または使用許可書)」を添付することが多いためです。申請書に書く改葬先の情報(施設名・住所・管理者)が必要になりますので、先に改葬先を決めておく方がスムーズです。
改葬先として選ばれることの多い供養方法には、永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨などがあります。費用や将来のお参りのしやすさ、宗旨宗派の制限などを確認しながら、ご家族全員で納得できる選択をすることが大切です。鹿児島市近郊だけでなく、子供が住む地域の供養施設も選択肢に加えることで、将来のお参りの負担を減らすことができます。
④ 鹿児島市への改葬許可申請
お墓がある場所を管轄する市区町村(鹿児島市内のお墓であれば鹿児島市)に改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を取得します。申請先は環境局 環境衛生課 斎園係(TEL: 099-216-1301)です。詳しい手続きは次のセクションで解説します。なお、改葬許可証が交付されるまでは遺骨を勝手に移すことはできません。
⑤ お墓の解体・撤去(石材店への依頼)
改葬許可証を取得したら、石材店にお墓の解体・撤去を依頼します。費用は墓石の大きさや立地条件(階段・傾斜の有無、重機の入りやすさなど)によって異なりますが、10〜40万円程度が目安です。同じ条件でも石材店によって1.5〜2倍程度の価格差があることも珍しくないため、必ず複数社から相見積もりを取るようにしましょう。
なお、寺院や霊園によっては「指定石材店制度」があり、他社への依頼が認められない場合もあります。事前に確認しておきましょう。
⑥ 新しい供養先へ納骨
お墓の解体が完了し、遺骨を取り出したら、改葬先へ移送して納骨します。新しい供養先では開眼法要(入魂式)を行うことが多く、費用は供養先によって異なります。これで墓じまいの一連の手続きはすべて完了です。
詳しくは墓じまいの流れを8ステップで解説もご参照ください。

鹿児島市での改葬許可申請の手続き
改葬許可申請は、現在のお墓がある市区町村の役所に提出します。鹿児島市内のお墓を改葬する場合は、以下の窓口が担当となります。申請は一般的に申請者本人が行います。

担当窓口と問い合わせ先
- 担当部署:環境局 環境衛生課 斎園係
- 電話番号:099-216-1301
- 改葬許可申請ページ:鹿児島市 改葬許可申請
受付時間や窓口の場所は変わる場合があります。訪問前に上記の電話番号またはWebサイトで最新情報を確認することをおすすめします。
必要書類
改葬許可申請に必要な書類は一般的に以下の4点です。ただし、お墓の種類(お寺・公営墓地・民間霊園など)や状況によって異なる場合があります。事前に窓口に確認するのが確実です。
- 改葬許可証交付申請書:窓口またはWebサイトで入手できます。1遺骨につき1枚の提出が必要です
- 埋葬(収蔵)証明書:現在のお墓の管理者(住職・霊園管理事務所)に発行してもらいます。「そこに埋葬されているお骨であること」を証明する書類です
- 受入証明書または使用許可書:改葬先の管理者に発行してもらいます。「改葬後に遺骨を受け入れる」ことを証明する書類です
- 申請者の身分証明書:運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きのものが一般的です
なお、寺院墓地の場合は、住職が「埋葬証明書の発行を拒否する」というケースが稀にあります。こうした場合は、鹿児島市の担当窓口に相談することで代替措置が取られることがあります。
申請から許可証交付まで
書類に不備がなければ、窓口での申請当日または数日以内に改葬許可証が交付されるのが一般的です。郵送対応が可能かどうかは自治体によって異なりますので、遠方にお住まいの方は事前に担当窓口(099-216-1301)にご確認ください。
書類の不備があると再提出が必要になり、時間がかかることがあります。事前に鹿児島市のWebサイトや窓口で最新の必要書類リストを確認しておきましょう。なお、改葬許可申請書の作成を専門家に依頼する場合は、行政書士へ相談する方法もあります。
鹿児島市の墓じまい費用の目安
墓じまいにかかる費用は、お墓の種類・規模・改葬先の選択によって大きく異なります。事前に大まかな総額を把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。以下の目安を参考にしてください。
① 閉眼供養・離檀料(お寺のお墓の場合のみ)
お寺のお墓を墓じまいする場合、住職に閉眼供養(魂抜き)をお願いします。このときのお布施は3〜15万円程度が目安です。また、檀家(だんか)をやめることへの礼儀として離檀料を支払うことがあり、3〜20万円程度かかる場合があります。
離檀料はあくまでも「感謝の気持ち」であり、法的な義務ではありません。ただし、お世話になったお寺との関係を円満に終わらせるためにも、丁寧な話し合いを心がけましょう。公営墓地・民間霊園の場合は、閉眼供養・離檀料は不要です。
② 石材店への解体・撤去費用
お墓の解体・撤去費用は、石材店への依頼費として10〜40万円程度が目安です。費用は墓石の大きさ・素材、区画の立地(急勾配・狭小など重機が入りにくい場所は割増になる)によって変わります。鹿児島市内にも複数の石材店があります。同じ条件でも業者によって1.5〜2倍程度の差が出ることがあるため、少なくとも2〜3社から相見積もりを取ることをおすすめします。
見積もりの際は、「解体工事費」「運搬費」「廃材処分費」が含まれているかを確認しましょう。墓誌(戒名板)の処分費が別途かかることもあります。
③ 改葬先への費用
改葬先の種類によって費用は大きく異なります。永代供養墓は10〜100万円、納骨堂は30〜150万円、樹木葬は5〜80万円、散骨は5〜30万円程度が目安です。いずれも「合祀か個別安置か」「立地・施設のグレード」によって価格帯の幅が広くなっています。
鹿児島市内や近郊にも複数の寺院・霊園が供養先として利用可能です。遠方に移住した子供の近くに改葬先を設けるという選択をする方も増えています。
総額の目安
上記を合計すると、墓じまい全体の総額目安は30〜150万円程度になります。「離檀料が不要な公営墓地 × 樹木葬(安価なプラン)」なら30〜40万円台で完了するケースもあれば、「お寺のお墓(離檀料あり)× 自動搬送型納骨堂(高グレード)」では150万円を超えることもあります。早めに各業者・供養先に相談して見積もりを取ることが、費用の把握と節約の第一歩です。
費用を抑える方法については墓じまいの費用を抑える方法もご参照ください。

鹿児島市に墓じまいの補助金はある?
2026年時点で、鹿児島市独自の墓じまい補助金制度は設けられていません。国レベルでも墓じまいに特化した補助制度は存在しないのが現状です。
費用を少しでも抑えるためには、以下の方法が有効です。
- 石材店を複数社で相見積もりする:同じ条件でも1.5〜2倍の価格差が出ることがあります
- 改葬先の選択肢を広げる:散骨(5〜30万円)や樹木葬(5〜80万円)はお墓を建てるより費用が抑えられます
- 公営霊園の合葬墓(合祀)を検討する:公営の合葬墓は数万円から利用できる場合があります
また、寺院との離檀料交渉が難航している場合は、行政書士や墓じまいのコーディネーター業者に相談することで解決の糸口が見つかることもあります。
墓じまい後の供養先の選び方
墓じまい後の遺骨の行き先として、主に以下の4つが選ばれています。それぞれの特徴と費用の目安をご確認ください。
永代供養墓
お寺や霊園が遺骨を永続的に管理・供養する形態です。「子供に管理の手間・費用をかけたくない」「承継者がいない」という方に人気です。合祀墓(ほかの方の遺骨と一緒に埋葬)タイプは比較的安価ですが、一度合祀すると遺骨を取り出すことはできません。個別安置期間(一定期間は個別に安置し、その後合祀)を設けるプランもあります。費用の目安は10〜100万円程度です。詳しくは墓じまい後の永代供養をご覧ください。
納骨堂
室内に設置された納骨スペースに遺骨を収蔵する形態です。天候に関係なくお参りできる点や、都市部にも多く立地している利便性が人気の理由です。ロッカー型(比較的安価)から自動搬送型(ハイグレード)まで種類は様々です。費用の目安は30〜150万円程度です。詳しくは墓じまい後の納骨堂をご覧ください。
樹木葬
墓石の代わりに樹木を墓標とする自然葬の一種です。「自然に還りたい」という価値観を持つ方や、費用を抑えたい方に人気が高まっています。里山型・庭園型など様々なスタイルがあります。費用の目安は5〜80万円程度です。詳しくは墓じまい後の樹木葬をご覧ください。
散骨
粉骨した遺骨を海や山に散布する方法です。「海が好きだった」「自然の中に還りたい」という故人の意向に沿った供養として選ばれるケースが増えています。費用も5〜30万円程度と比較的リーズナブルです。ただし、散骨後は遺骨を手元に取り戻すことができないため、家族全員の同意が必要です。詳しくは墓じまい後の散骨をご覧ください。
金銭的にも精神的にも、将来の負債みたいなものがひとつ減って本当にスッキリしました。仕事の営業回りのついでにふらっと寄れるくらいアクセスも良くなったので、前よりお参りに行く頻度は増えた気がします。
墓じまい経験者鹿児島県・30代・男性
よくある質問
鹿児島市での改葬許可申請は自分でできますか?
はい、改葬許可申請は申請者本人が行うのが原則です。特別な資格は必要なく、必要書類を揃えて窓口(環境局 環境衛生課 斎園係、TEL: 099-216-1301)に提出するだけです。書類の準備が不安な方や手続き全体をサポートしてほしい方は、行政書士や墓じまいのコーディネーター業者に相談することもできます。
鹿児島市での墓じまい費用はいくらかかりますか?
お墓の規模・種類や改葬先によって異なりますが、総額30〜150万円程度が目安です。主な内訳は、石材店への解体費10〜40万円、お寺の場合は閉眼供養3〜15万円・離檀料3〜20万円、改葬先の費用5〜150万円です。石材店は必ず複数社から相見積もりを取り、改葬先の選択肢も広げることで費用を抑えることができます。
鹿児島市に墓じまいの補助金はありますか?
2026年時点で、鹿児島市独自の墓じまい補助金制度はありません。国の補助制度も現時点では存在しません。費用を抑えるには、石材店の相見積もりや、費用が安めの散骨・樹木葬を改葬先の選択肢に入れることが有効です。
お寺ではなく民間霊園・公営墓地の場合、手続きは違いますか?
お寺のお墓と基本的な流れは同じですが、閉眼供養のお布施や離檀料は原則不要です。管理事務所に墓じまいの意向を伝え、埋葬証明書を発行してもらってから改葬許可申請を進める流れになります。ただし、霊園によっては「指定石材店制度」により他社への依頼ができない場合もあります。事前に霊園の規約を確認しておきましょう。
鹿児島市内で遺骨を取り出すだけでも改葬許可証は必要ですか?
はい。お墓から遺骨を取り出して別の場所に移す行為は「改葬」にあたり、墓地埋葬法により改葬許可証の取得が義務付けられています。改葬許可証がないと、改葬先(納骨堂・霊園など)への受け入れを断られることもあります。遺骨の移動を検討している場合は、必ず事前に改葬許可証を取得してください。
鹿児島市外のお墓を鹿児島市内に改葬することはできますか?
もちろんできます。この場合、改葬許可証はお墓がある市区町村(現在の墓所の所在地)に申請します。鹿児島市が担当するのは「鹿児島市内にあるお墓を改葬するケース」です。鹿児島市外から鹿児島市内に遺骨を移す場合の申請先はそれぞれのお墓の所在地の自治体となりますので、ご注意ください。
まとめ:鹿児島市で墓じまいを進めるために
- 単身世帯率42.3%(全国+4.3pt)・人口増減率-1.11%(全国-0.75%)・生涯未婚率19.2%など、鹿児島市では承継者不在・遠距離管理を理由とした墓じまいが増えています
- 改葬許可申請の窓口は環境局 環境衛生課 斎園係(TEL: 099-216-1301)
- 必要書類は①改葬許可証交付申請書 ②埋葬証明書 ③受入証明書 ④身分証明書の4点が基本
- 費用の総額目安は30〜150万円。石材店は必ず複数社から相見積もりを取る
- 2026年時点で鹿児島市独自の補助金制度はなし
- 改葬先は永代供養・納骨堂・樹木葬・散骨から、家族の希望に合わせて選択を
墓じまいは一度決めたら後戻りができない手続きです。費用・手順・改葬先についてしっかりと情報収集し、家族全員で納得のいく形で進めることが大切です。手続きで不安なことがある場合は、担当窓口や行政書士、墓じまいのコーディネーター業者に早めに相談しましょう。
鹿児島県の他の市区町村での手続きについては鹿児島県の墓じまいもご覧ください。
詳しくは墓じまい完全ガイドもあわせてご覧ください。




