墓じまいのその後はどうする?供養方法6選と選び方を解説

墓じまいのその後はどうする?供養方法6選と選び方を解説

小林玉喜
執筆者
小林玉喜
墓じまいパートナーズ代表

実家の墓じまいを経験したことをきっかけに、墓じまいパートナーズを創業・運営。現在は相談サポートや情報提供を通じて安心して墓じまいを進められるよう支援している。

公開:2026/3/12
更新:2026/3/12

墓じまいの後、遺骨をどこに移すか決まっていますか?

墓じまいが終わり、お墓から遺骨を取り出したあと、「次に何をすればいいかわからない」と戸惑う方は少なくありません。永代供養墓・納骨堂・樹木葬など、供養の選択肢は以前よりずっと多様になりましたが、その分どれを選べばいいか迷ってしまう方も多いのが現状です。

この記事では、墓じまい後に選べる供養方法を6つ取り上げ、それぞれの費用・特徴・向いている人をわかりやすく整理します。また、後悔しない選び方のポイントや、墓じまい後の法要についても解説します。「どの供養方法が自分たちに合っているか」を判断するための材料として、ぜひ参考にしてください。

墓じまいのその後〜遺骨はどうなる?まずやること

供養先を決めてから改葬許可申請を進めるのが原則

墓じまいで遺骨を移す際には、行政への「改葬許可申請」が必要です。この申請には、新しい供養先(霊園・寺院など)が発行する「受入証明書」の提出が求められるのが一般的です。つまり、改葬先が決まっていない段階では、正式な改葬許可申請の手続きを進めることができません

理想的な進め方は、墓じまいを始める前に新しい供養先を決め、受入証明書を取得したうえで改葬許可申請を行うことです。供養先が決まっていると、手続き全体がスムーズに進みます。

一旦自宅で保管したい場合の手続き

「まだ供養先が決まっていないが、遺骨だけ先に取り出したい」という場合、遺骨を自宅で一時的に保管すること自体は違法ではありません。ただし、この場合は手続きに注意が必要です。

一旦自宅に遺骨を引き取る際は、現在の墓地管理者に埋蔵証明書遺骨の引き渡し証明書を発行してもらい、遺骨と一緒に保管しておいてください。改めて供養先が決まった段階で、その証明書をもとに改葬許可申請を行います。

自宅保管中は、骨壺を直射日光の当たらない風通しのよい場所に置き、湿気による結露に注意してください。

焦って決めず、でも手続きの順番は守る

供養方法は費用・アクセス・家族の意向をふまえてじっくり選ぶことが大切です。ただし、「手続きの順番」だけは守るようにしてください。供養先を決める→受入証明書を取得する→改葬許可申請を行う、という流れが基本です。

手続きに不安がある場合は、墓じまい代行業者や行政書士に相談すると、書類準備のサポートを受けることができます。

墓じまい後の供養方法6選〜費用・特徴の比較

墓じまいのその後に選べる供養方法は、大きく分けて6つあります。それぞれに費用・特徴・向いている方が異なりますので、まずは全体像を把握しておきましょう。

費用はあくまで目安であり、施設や地域によって大きく異なります。「安いから」「人気だから」という理由だけで決めるのではなく、家族の状況や気持ちに合った方法を選ぶことが重要です。以降のセクションでは、各供養方法の特徴・選び方のポイントをより詳しく解説します。

当サイトが実施した調査(墓じまい実態調査2026(墓じまいパートナーズ))では、墓じまい後の供養先の選択は「永代供養墓」が最多の48.7%で、次いで「納骨堂」(16.5%)、「樹木葬」(6.5%)、「散骨」(3.5%)という結果でした。

永代供養墓〜費用・合祀と個別の違いを詳しく解説

永代供養墓とは

永代供養墓とは、寺院や霊園が永代にわたって供養・管理してくれる埋葬形態です。従来のお墓のように家族が管理・継承する必要がなく、「後継者がいない」「お墓の管理が難しくなった」という方に選ばれることが多い供養方法です。

墓じまいの理由として「後継者不在」を挙げる方が多いことからも、永代供養墓は墓じまい後の供養先として最もニーズが高い選択肢のひとつといえます。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

永代共同供養が、1番良いと思った。

墓じまい検討中東京都・57歳・男性

合祀タイプと個別タイプの違い

永代供養墓には、大きく分けて「合祀タイプ」と「個別タイプ」があります。

合祀タイプは、複数の方の遺骨を一緒に埋葬する方法です。費用が3〜30万円程度と抑えられるため、コストを重視する方に選ばれています。ただし、一度合祀された遺骨は取り出せないため、将来的に「やはり別の場所に移したい」という変更は難しくなります。

個別タイプは、最初の一定期間(13回忌・33回忌など)は個別の区画で遺骨を安置し、その後合祀に移行するスタイルです。費用は30〜150万円程度と幅があります。個別安置の期間中は、従来のお墓と同じようにお参りできるため、「しばらくは個別のお墓の形で供養したい」という方に向いています。

永代供養墓を選ぶ際のポイント

①宗旨宗派の確認

永代供養墓の多くは宗旨宗派不問で受け入れてくれますが、寺院によっては特定の宗派に限る場合があります。事前に確認しておきましょう。

②アクセスのよさ

「供養先が遠くてお参りに行けない」という状況は避けたいところです。自分や家族が無理なく通える距離かどうかを確認してください。

③費用の内訳と管理費の有無

初期費用のほかに、年間管理費が別途かかる施設もあります。契約前に総額で比較することをおすすめします。

納骨堂〜都市部で人気の屋内供養施設

納骨堂の種類

納骨堂とは、屋内の施設に遺骨を収蔵する供養施設です。雨や雪の日でもお参りできる、駅から近い場所に多いといった利便性の高さから、特に都市部で人気が高まっています。

ロッカー型は、棚状のロッカーに骨壺を収蔵する最もシンプルなスタイルです。費用が比較的抑えられるため、手軽に利用できる点が特徴です。

仏壇型は、個別の仏壇スペースが用意されており、写真や小物を飾ることができます。個人のお参りスペースとして使いやすく、ロッカー型より費用はやや高めになります。

自動搬送型(マンション型)は、ICカードなどをかざすと機械が自動的に骨壺を参拝スペースへ運んでくれる最新型の施設です。都市部の大型施設に多く見られ、設備が整っている分、費用はほかのタイプよりも高くなる傾向があります。

納骨堂のメリット・注意点

メリット

  • 天候に左右されずお参りできる
  • 駅近など交通の便がよい施設が多い
  • 管理が施設に委託されているため手間がかからない

注意点

契約内容をよく確認することが重要です。特に「契約期間」「合祀のタイミング」「年間管理費の有無」は、施設によって異なります。施設の経営状況にも注意が必要で、実績のある施設を選ぶことをおすすめします。利用前には現地を見学し、スタッフの対応や設備の状態を自分の目で確かめることが大切です。

樹木葬・散骨〜自然に還る選択肢

樹木葬とは

樹木葬とは、樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する自然葬の一形態です。墓石を建てる必要がなく、後継者が不要なため、「子どもに負担をかけたくない」「自然の中で眠りたい」という方に人気が高まっています。

里山型は、山の自然の中に整備された樹木葬地に埋葬するスタイルです。自然豊かな環境の中でお参りできる反面、アクセスが不便な場所もあります。

都市型は、霊園や寺院の敷地内に整備された樹木葬区画に埋葬するスタイルです。交通の便がよく、天候に左右されにくい環境でお参りできます。費用は10〜100万円程度と幅広く、施設の立地や区画の種類によって異なります。

散骨とは

散骨とは、遺骨を粉状に砕いた「粉骨」を、海や山などの自然に撒く供養方法です。費用は5〜30万円程度で、特に海洋散骨が最も一般的です。専門の業者に依頼すれば、船の手配から散骨まで一括してサポートしてもらえます。

ただし、法律上は「節度ある方法で行えば問題ない」とされていますが、自治体によっては条例で規制されている地域もあります。また、「遺骨がどこにも残らない」ことに対し、家族の中で抵抗を感じる方もいます。散骨を選ぶ場合は、事前に家族・親族とよく話し合うことが大切です。

手元供養〜遺骨の一部を手元に置く方法

手元供養とは、遺骨の一部を自宅で手元に置いて供養する方法です。小さな骨壺や専用のケース、アクセサリー型のペンダントなどに遺骨を収め、日常生活の中で手を合わせることができます。費用は数万円程度から始められるものが多くあります。

手元供養は単独で使う方法というよりも、ほかの供養方法と組み合わせて使うのが一般的です。たとえば「遺骨の大部分は永代供養墓に納め、ほんの一部だけ手元に置いておきたい」という場合に適しています。このように遺骨を複数の場所に分けることを「分骨」といいます。

分骨を行う際は、埋葬先(または元のお墓)から「分骨証明書」を発行してもらう必要がある場合があります。「遺骨を手元に置いておくと成仏できない」と心配される方もいますが、これは根拠のある話ではなく、近年広く受け入れられている供養方法です。

供養方法の選び方〜後悔しないための3つのポイント

供養方法はたくさんありますが、「どれが正解か」は家族によって異なります。大切なのは、自分たちの状況に合った方法を選ぶことです。

①費用だけで決めない

初期費用の安さだけで選ぶと、あとから後悔することがあります。初期費用が安くても年間管理費が継続的にかかる施設や、将来的な合祀・移転の際に別途費用が発生するケースがあります。「初期費用+管理費×利用年数」でトータルの費用を試算して比較しましょう。

②家族・親族との合意を取る

特に「散骨」「合祀(遺骨が取り出せない)」など、一度決めたら変更が難しい方法を選ぶ場合は、事前に関係者と話し合っておくことが重要です。後になって「聞いていなかった」「納得できない」という声が出ないよう、家族全員の意向を確認しておきましょう。

③お参りしやすさを重視する

自分や子どもが継続的にお参りに行ける距離・環境かどうかを、実際に現地を見学して確認することをおすすめします。「最初はお参りに行くつもりだったが、足が遠のいてしまった」という声も実際には多くあります。アクセスのよさは、長期的に見て重要な選択基準のひとつです。

墓じまい実態調査2026 — 回答者の声

やった後は楽になった。近くが参りやすい

墓じまい経験者大阪府・57歳・男性

墓じまい後の法要はどうする?

墓じまいの際には、お墓から遺骨を取り出す前に「閉眼供養(魂抜き)」を行います。新しい供養先へ遺骨を納めるタイミングでは、今度は「開眼供養(魂入れ)」を行うのが一般的です。いずれも僧侶に読経をお願いするのが通例です。

墓じまい後の法要は、菩提寺を離れた場合でも継続できます。新しい供養先の住職や、付き合いのある別の寺院の僧侶に法要をお願いすることが可能です。年忌法要・お盆・お彼岸などの節目の供養は、これまで通り続けていただいて構いません。

「離檀したら法要はどうすればいいか」と悩む方も多いですが、法要を行う寺院は旧来の菩提寺でなくても問題ありません。新しい供養先に相談すると、段取りのアドバイスをもらえることが多いです。

供養の形は変わっても、故人を思い、手を合わせる気持ちが大切です。墓じまいをきっかけに供養のスタイルを見直し、自分たちに合った形で続けていきましょう。

よくある質問

墓じまい後、遺骨をすぐに新しい供養先に移さなければいけませんか?

いいえ、すぐに移す必要はありません。遺骨を自宅で一時的に保管することは法律上問題ありません。ただし、改葬許可申請には供養先が発行する受入証明書が必要なため、手続きを進める前に供養先の見当をつけておくとスムーズです。

永代供養と納骨堂はどう違いますか?

「永代供養」は供養・管理のスタイルを指す言葉で、寺院や霊園が永代にわたって管理・供養してくれる形態のことです。一方「納骨堂」は屋内施設に遺骨を収蔵する供養施設の種類を指します。納骨堂の多くは永代供養の仕組みを取り入れていますが、必ずしもイコールではありません。契約前に「誰が・いつまで・どのように管理・供養してくれるか」を確認しましょう。

散骨した後でも法要はできますか?

できます。散骨後も命日やお盆・お彼岸に手を合わせたり、僧侶に読経をお願いしたりすることは自由に行えます。「遺骨がなくなったら法要できない」ということはありませんので、これまでと同様に供養を続けていただけます。

供養先を途中で変更することはできますか?

場合によります。納骨堂や個別タイプの永代供養墓であれば、契約期間内は遺骨を取り出して別の場所へ移せるケースがあります。一方、合祀タイプの永代供養墓や散骨の場合は遺骨を取り出すことができません。変更の可能性を考慮したい場合は、契約前に施設に確認しておきましょう。

樹木葬は宗教・宗派に関係なく利用できますか?

多くの樹木葬施設は宗旨宗派不問で受け入れています。ただし、寺院が運営する施設の中には特定の宗派に限定しているところもあります。事前に宗旨宗派の条件を確認するようにしてください。

まとめ

墓じまいのその後に選べる供養方法は、永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨・手元供養など、時代とともに多様になっています。「どれが正解か」は家族によって異なりますが、大切なのは次の3点です。

  • 費用のトータルで比較する(初期費用+管理費の合計を試算する)
  • 家族・親族の合意を取る(特に変更できない方法は事前に相談を)
  • お参りしやすさを重視する(長く続けられる距離・環境かどうか)

供養先選びに迷ったときは、ひとりで抱え込まず、墓じまいパートナーズへご相談ください。墓じまい後の供養先についてのご相談も受け付けています。

供養の形は変わっても、故人を思い手を合わせる気持ちは変わりません。ご自身や家族が納得できる供養の形を、ぜひ時間をかけて選んでください。

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